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調香師

消臭・防臭ばかりじゃ味気ない
香りを創り、香りで人と社会を幸せにする
スペシャリストとは

クールビズが始まって1ヵ月、今年も“匂い”が気になる季節がやってきた。「スメハラ」「香害」「コスメティックバイオレンス」――匂いを巡るトラブルが社会問題になりつつあるが、一方で世の中にはさまざまな「いい香り」や「おいしそうな匂い」も溢れている。その多くは「調香師」のなせる業だ。常人の数十倍も鋭敏な嗅覚を持ち、五感の中で最も強く本能に作用する香りで、生活のあらゆる場面を彩る“白衣のクリエイター”である

2社に1社は“スメハラあり”!? なぜ社会は匂いに敏感になったのか

2015年にダイヤモンド・オンラインが企業の人事・総務担当者などを中心に実施した調査によると、「あなたの会社に“スメハラ”はありますか」との問いに対し、全体の49%、ほぼ2社に1社が「ある」と回答、そのうち約1割は「実際に総務部や人事部に苦情が寄せられている」と答えている。

調香師 イメージ

現代人にとって、身近な「匂い」は、日常生活を快適に送れるかどうかを左右する大きな問題である。

スメハラとは、「スメルハラスメント」の略で、体臭や口臭、強すぎる香水など、自分が発する匂い(Smell)を原因として周囲に迷惑や不快感を与えることを指す言葉だ。別の調査によると、この言葉を知っている人の割合は14年時点で20.1%だったが、17年には45.8%に拡大、スメハラの認知度は3年間で2倍以上に高まった。他にも、周囲を顧みずに香水や化粧品、柔軟剤などの香りを過剰にまき散らすことを指す「香害」や「コスメティックバイオレンス」といった造語が広がるなど、職場や電車内といった公共の場での匂いをめぐるトラブルが近年、にわかに社会問題になりつつある。

理由の一つは、女性の社会進出だ。日本の企業社会は長く男性優位で、職場や電車内に充満する汗臭さやタバコの匂いを気にする人は少なかった。人の嗅覚は順応性が高く、同じ匂いを嗅ぎ続けていると慣れてしまうため、自分では自分が発する匂いに気づきにくいからである。しかし男女平等が進み、職場に女性が増えたことにより、それらが気になり、耐えられないという人も増えていった。実際、職場での匂いに関するクレームのほとんどは女性からのものだという。

スメハラに悩む人が増える一方で、アロマテラピーなど心地よい香りに癒やしを求める志向も強まっている。多様化する身の回りの匂いに対し、社会全体がそれだけ敏感に、デリケートになっているということだろう。当然、さまざまな商品の売れ行きも香り一つで大きく変わってくる。そこで重要になるのが「調香師」の仕事だ。調香師とは、数千種にもおよぶ香料素材を調合して新しい香りを生み出すスペシャリストで、扱う分野によって二つの職種に分かれる。

香水をはじめ化粧品や芳香剤、トイレタリーなどに用いるフレグランス(香粧品香料)を調香する「パフューマー」と、食品や飲料、酒、たばこ、歯磨き剤など口に入るものに使うフレーバー(食品香料)を創る「フレーバリスト」の2種類だ。

前者は、クライアントや商品開発サイドの要望に沿って調香したり、すでにある香りを再現したりするだけでなく、かつてないオリジナリティーに富んだフレグランスの創作を求められることも少なくない。白衣の研究職でありながら、「香りの芸術家」と呼ばれるゆえんである。パフューマーというと、やはり香水をつくるイメージが強いが、欧米ほど香水文化が普及していない日本国内では、そうした仕事の機会はきわめて限られているのが現状だ。

後者は、香りで食欲をそそったり、加工食品にリアルな風味を再現したり、「いかに口の中でおいしく感じさせるか」を目的として香料素材を分析し、組み合わせていく。扱うものがきわめて多岐にわたるうえ、フレーバーが使われる飲料やインスタント食品、菓子などの嗜好には流行が敏感に反映されるので、フレーバリストはいち早くトレンドをつかみ、香りに対する世の中のニーズに適確に応えていかなければならない。

毎日、何千種類もの香料を嗅ぎ分ける訓練を経て5~10年で一人前に

パフューマーであれ、フレーバリストであれ、調香師には二つの能力が欠かせない。一つは香りを記憶し、嗅ぎ分ける能力、もう一つは香りを組み立てる能力である。香水の本場、フランスでは優れたパフューマーを、敬意を込めて「ネ」(nez)と呼ぶが、これはフランス語で「鼻」の意味。調香師にとって、嗅覚がいかに重要かを示す称号だ。

「ネ」と呼ばれるほどの調香師になると、1500種類以上の香りの記憶を持ち、どの香りがどのような成分からできているかまで正確に嗅ぎ分けられるという。そうした能力は訓練によって養われるが、けっして容易な道ではない。調香師になるための訓練は、何千種類もある香料原料の一つひとつを毎日嗅いで識別・記憶することから始まり、数種類の香料の組み合わせのバランスや簡単な処方の組み立て、さらには何十種類もの原料から成る香水やコロンを嗅いで、そこに含まれる香料を識別するなど、しだいに複雑で難しいものになっていく。一人前になるまでには5~10年。嗅覚は日々の心身のコンディションに大きく左右されるだけに、徹底した自己管理も必要だ。人並み以上の根気と忍耐力がなければつとまらない仕事と言えるだろう。

また、実際に香りを組み立てて創る段階では、香料の成分やしくみに関する化学的な素養はもちろんのこと、パフューマーなら、それを使って抽象的なイメージを香りで表現する芸術的感性や想像力が求められる。フレーバリストなら、香りのトレンドや製品の市場動向に関する知識、食や風味に対する豊かな経験も欠かせない。

調香師 イメージ

理系の知識だけでなく、次代のニーズを読み解く力や流行をとらえるセンスも問われる。海外でキャリアアップを目指す場合、英語や仏語のスキルも必須。

分析技術の発達により、調香の世界にも機械で補える部分が増えてきたが、肝心なところはやはり、人間の感覚がものをいう。色彩や音よりも、本能に強く訴えかける香りは、それほど奥深いものなのだ。甘い香りに別の甘い香りを足すと耐えがたい悪臭に変わったり、爽やかな香りにほんの少し刺激臭を混ぜると濃厚で官能的な香りが花開いたり――正解はなく、試してみないと分からないことばかりだから面白い。知識と経験と感性を総動員し、日々試行錯誤を重ねながら最良の結果を追い求める中にこそ、調香師のやりがいはありそうだ。

香水を創る仕事は超難関、生活に密着した身近な香りでキャリアを開く

調香師になるのに、国家資格など特別な条件は必要ない。ただし、扱う香料は化学の分野になるため、理系(特に化学・薬学系)の4年制大学や大学院を出たほうが有利だと言われる。また、香りに関する最新の情報や研究成果は欧米から届くことが多いので、英語やフランス語を修得しておくと役立つだろう。

調香師としての主な就職先は、化粧品会社や食品会社の研究職、香料を専門に開発・製造する香料メーカーなどが一般的だが、人気の高い職種でありながら、求人はけっして多くない。とくに日本で香水を開発している会社はごくわずかしかないため、香水関連のパフューマーを目指す人はフランスなど海外へ渡るケースも多いようだ。国内の業界では、フレーバリストの需要のほうが高く、フレグランスに携わる仕事は超難関と言わざるを得ないが、最近はアロマやハーブ関係の専門店で働く人も増えている。生活に密着した身近な香りを追求することが、今後は調香師として活躍するための近道になるかもしれない。

収入については、研究職として企業に勤める場合が大半なので、平均年収で350万円~500万円程度が相場といわれる。勤続年数や実績、スキルに応じてアップしていくため、大企業であれば600万円~700万円以上の収入を得られることも珍しくないだろう。

この仕事のポイント

やりがい人々の生活に密着した「香り」をとおし、流行の最先端にかかわったり生活向上の一翼を担うことができる。
就く方法理系(特に化学・薬学系)の4年制大学や大学院を卒業後、化粧品会社や食品会社の研究職、香料を専門に開発・製造する香料メーカーなどに就職するのが一般的。人気の高い職種だが、求人は多くない。
必要な適性・能力理系の知識はもちろんだが、パフューマーなら、それを使って抽象的なイメージを香りで表現する芸術的感性や想像力。フレーバリストなら、香りのトレンドや製品の市場動向に関する知識、食や風味に対する豊かな経験も欠かせない。海外でのスキルアップを目指すなら語学も必須。
収入企業の研究職の場合、平均年収350万円~500万円程度 大企業の場合600万円~700万円になることも。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「HRペディア「人事辞典」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

あの仕事の「ヒト」と「カネ」

あまり実情が知られていない仕事をピックアップし、やりがいや収入、その仕事に就く方法などを、エピソードとともに紹介します。

この記事ジャンル 中途採用

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