5割以上の人事部門は経営戦略の意思決定に関与できていない
経営戦略の意思決定に関与している人事部門は45.9%
業績の良し悪しが関与に影響を与える
人事部門が経営戦略の意思決定に関与しているかどうかを聞いたところ、「当てはまる」(11.1%)、「どちらかというと当てはまる」(34.8%)は合わせて45.9%。一方、「当てはまらない」(23.9%)、「どちらかというと当てはまらない」(28.2%)は合わせて52.1%となっている。経営戦略の意思決定について、人事部門の関与は必ずしも十分ではないことがわかる。
業績別に見ると、市況よりも良い企業では「当てはまる」(12.5%)、「どちらかというと当てはまる」(35.9%)が合わせて48.4%を占めている。一方、市況よりも悪い企業は35.2%にとどまっており、業績の良し悪しが人事部門による経営戦略への意思決定の関与に影響を与えている様子がうかがえる。
経営戦略を実現するために必要な人材を、人事部門が採用、配置、育成できていない企業は7割弱
経営戦略を実現するために必要な人材を、人事部門が採用、配置、育成できているかどうかを聞きいたところ、「当てはまる」は5.2%と少なく、「どちらかというと当てはまる」(27.0%)を合わせても32.2%にとどまった。一方、「当てはまらない」(29.9%)、「どちらかというと当てはまらない」(36.3%)は合わせて66.2%と、約3社に2社を占めている。人事部門にとって、経営戦略を実現するために必要な人材を処遇・育成することは重要な課題だが、対応できているとは言えない結果となっている。
業績別に見ると、市況よりも良い企業では「当てはまる」(9.4%)、「どちらかというと当てはまる」(32.8%)が合わせて42.2%であるのに対し、市況よりも悪い企業ではその割合は21.6%で、約半分となっている。一方、市況よりも悪い企業では「当てはまらない」(44.6%)、「どちらかというと当てはまらない」(32.4%)が合わせて77.0%と、8割近くに及んでいる。業績の良し悪しが、経営戦略実現に向けての人材活用に影響を与えていることがわかる。
実施時期 | 2019年3月19日~4月9日 |
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調査対象 | 『日本の人事部』正会員 |
調査方法 | Webサイト『日本の人事部』にて回答受付 |
回答数 | 5,022社、5,273人(のべ) |
質問数 | 146問 |
質問項目 | 1.戦略人事/2.採用/3.育成/4.評価・賃金/5.ダイバーシティ/6.働き方/7.HRテクノロジー/8.組織活性化 |
出典:『日本の人事部 人事白書2019』
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