手当等の既得権益の考え方について
いつも大変参考にさせて頂いております。
さて、今月1日の最高裁のこともあり、当社では給与規則の手当について精査を行っております。
その中で幾つか「暫定手当」という名称で1000円~10,000円弱の手当が10科目程度、現存していることが分かりました。
具体的には、ある時点(例:2004年3月31日、1998年3月31日)に在籍し、現時点でもその資格に応じた業務をおこなっている者に対して支給するというものが大半です。通常、暫定手当というのは長期にわたって漸減しながら、手当そのものをなくしていくという方向で対応することが多いと思うのですが、①「その時点で在籍していた社員には不利益変更を指摘されたくないからそのまま維持」②「今後採用される社員については等しく支給されないこと自体は法に抵触しない」という観点からそのままになってしまったと推測されます。
ただ、採用年月日によって手当を出す、出さないというのは今後の同一労働同一賃金の考え阿多の中で受け入れられるものではないと認識しています。
現時点で私どもがオプションとして考えているのは以下の2つです。
①採用年代によらず、同一労働同一賃金の観点から手当は支給する
②十数年は経っているが、十分「暫定手当」の役割は果たしたのであったという観点から、原則として手当を廃止する。金額が5000円以上の暫定手当については数年をかけて漸減・廃止していく。
②で進めたいと考えているのですが、長いものだと20年近く支払っている「暫定手当」を漸減から始めるとはいえ、廃止することに法的に問題はございますか。
その他、お気づきの点と合わせてご見解賜れますと幸いです。よろしくお願いいたします。
投稿日:2018/06/06 13:46 ID:QA-0077042
- 着眼大局さん
- 静岡県/医療・福祉関連(企業規模 10001人以上)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
ガラパゴス化した「暫定手当」
▼ 「暫定」というのは、「正式な決定がなされるまで、仮の措置として、とりあえず定める」ことです。従って、その後には、必ず。「正式な対応」があることになります。
▼ 御社の「暫定手当」の発生事由、その後の経過、正式化方針等に関する状況が分りませんので、如何とも申し上げ兼ねますが、正式化意識が有ったのか、無かったのか、結果的には、長期間放置されてきたようですね。
▼ 「20年近く」暫定のままだと、ガラパゴス化されていまい、殆どの社員は、その意義に対する認識もないかもしれませんね。然し、賃金体系の変更を検討する際には、厄介な、存在となり得ます。
▼ オプション①の「同一労働同一賃金の観点から手当は支給」と言っても、正体不明に近い、カラパゴス手当がどう関わってくるのか全く分かりません
▼ オプション②では、本手当の全廃、激変緩和措置の方針は、それなりに分かりますが、正体不明の、僅か、5千円程度のガラ系手当端に、「数年をかけて漸減・廃止」と言うのは、改革決意とは裏腹に、あまりにもトロイ行動の印象を受けます。
投稿日:2018/06/07 11:13 ID:QA-0077063
相談者より
いまとなっては有名無実の暫定であるため、ご指摘の件はもっともかと思います。
当社独自の風土がいかに異常かという点を認識のうえで、社内検討したいと思います。
投稿日:2018/06/08 09:02 ID:QA-0077089参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、暫定手当について何処まできちんと内容規定されているかにもよります。
通常の場合、「長期にわたって漸減しながら、手当そのものをなくしていくという方向」の手当であれば、そうした漸減方法について規定されているのが当然といえますが、文面を拝見する限りですと、その辺が全く曖昧にされていたように推察されます。
そもそもこうした手当自体が不利益変更の緩和目的で設定されるものですので、「不利益変更を指摘されたくないからそのまま維持」というのでは、一体何の為の暫定手当支給であったのか疑念を禁じえません。
従いまして、②で進められるのは方向性としましては間違いないでしょうが、当初から規定不備であった以上、一種の不利益変更に該当する事には変わりございませんので、労使間でしっかりと向き合って協議された上で、漸減方法を明確にされ原則同意を得られた上で変更されるべきといえるでしょう。
投稿日:2018/06/07 20:23 ID:QA-0077082
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2018/06/08 09:00 ID:QA-0077087参考になった
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