人事担当で、企業内キャリアコンサルタントになる場合の注意点
企業の人事担当として勤務しています。
この度、キャリアコンサルタント国家資格を取得しました。
社内でキャリア面談や相談会を提案しましたが、
上司から、「人事とキャリコンの兼任」が利益相反に値すると指摘がありました。
キャリアコンサルタントとしての活動は、相談者の守秘義務を優先します。
その上司からは「業務としてやるなら、守秘義務がダメで、すべて人事内に共有する必要がある」「面談も1対1がダメだ」と言っていました。
社内でのキャリアカウンセリングは、
人事として、法務の視点として、問題がありますでしょうか。
なお、
キャリアコンサルタント倫理綱領の第12条は伝えました。
https://www.career-cc.org/rinrikoryo/
(組織との関係) 第12条 組織と契約関係にあるキャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うに あたり、相談者に対する支援だけでは解決できない環境の問題や、相談者と組織 との利益相反等を発見した場合には、相談者の了解を得て、組織に対し、問題の 報告・指摘・改善提案等の調整に努めなければならない。
投稿日:2026/02/18 16:34 ID:QA-0164595
- 人事キャリコンさん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 51~100人)
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本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
対応
法律ではなく、会社員である以上、経営上の許可がなければ活動はできないのではないでしょうか。キャリアコンサルティングを実施するという経営判断によって、社内社外問わず有資格者がアポイントされるのであれば、問題なく、倫理綱領にそって業務として担当できるでしょう。
今回は経営上、キャリアコンサルティングの実施をする意思がないという判断かと思います。
投稿日:2026/02/18 18:33 ID:QA-0164610
相談者より
ご回答をありがとうございました。
投稿日:2026/03/05 17:03 ID:QA-0165326あまり参考にならなかった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 「人事兼キャリコン」は直ちに違法か
結論から申し上げると、法令上直ちに禁止されるものではありません。
企業内キャリアコンサルティング(いわゆる企業内キャリコン)は実務上広く行われています。
ただし問題になるのは「利益相反」と「守秘義務の範囲の明確化」です。
2.守秘義務と会社業務の関係
国家資格キャリアコンサルタントは、
・守秘義務(職業能力開発促進法第30条の28)
・倫理綱領
により、相談内容の無断開示は禁止されています。
したがって、
「業務として行うなら全て人事に共有する必要がある」
という上司の指摘は、資格者としては適切とは言えません。
一方で、企業内で実施する以上、
・ハラスメント
・法令違反
・安全配慮義務に関わる重大事項
については、一定の報告義務が発生し得ます。
よって実務上は、
(1) 面談開始時に守秘義務の範囲を説明
(2) 例外事項(本人同意がある場合、法令違反等重大案件)は共有する可能性を明示
(3) 原則は本人同意なく開示しない
という運用整理が必要です。
3.1対1面談は問題か
1対1が「ダメ」という法的根拠はありません。
むしろキャリアコンサルティングは本来1対1が基本形です。
ただし、
・面談記録の管理方法
・相談記録のアクセス権限
を明確にしないと、組織内での混乱が生じます。
4.利益相反の論点
人事担当は
・評価
・配置
・処遇決定
に関与する立場です。
そのため、
「相談内容が評価に影響するのではないか」
という従業員の心理的不安が最大のリスクです。
法的問題というより、ガバナンス・信頼性の問題です。
5.実務上の整理案(安全策)
(1) キャリア面談は「任意参加・評価非連動」を明文化
(2) 面談記録は人事評価資料と分離管理
(3) 守秘義務範囲を文書化し、本人に説明
(4) 可能であれば外部キャリコン併用
これにより利益相反リスクは相当程度低減できます。
6.結論
法務上、直ちに問題とは言えません。
ただし、
「守秘義務を放棄して人事共有を前提にする」運用は資格倫理上問題があります。
上司の懸念は“違法性”よりも“統制リスク”の視点と考えられます。
制度設計を明確にすれば、社内キャリアカウンセリングは十分実施可能です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2026/02/18 18:39 ID:QA-0164611
相談者より
ご回答をありがとうございます。
「制度設計を明確化」を視点に具体的なアドバイスをいただき、感謝しております。
参考に企画を練りたいと思います。
投稿日:2026/03/05 17:01 ID:QA-0165325大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、キャリアコンサルの性質上、利益相反のリスクが生じる可能性は否定できません。
勿論、企業内活動自体が法令で禁止されているわけではございませんし、そうしたリスクが有るからといってコンサルティング業務に従事出来ないという事にはなりません。また相談者に関わる守秘義務がNGというのも、当然ながら認められません。
しかしながら、上司が懸念されるのもある意味もっともですので、活動されるに当たっては、リスク回避の為基本的に社内での職位や業務に限定され、かつ対立ではなく双方共に利となるよう心掛けるべきといえるでしょう。
いずれにしましても、活動に先立ってはまず所属部署内できちんと議論され、業務の範囲についてある程度明確にされておかれるべきといえます。
投稿日:2026/02/18 22:57 ID:QA-0164618
相談者より
ご回答をありがとうございます。
「活動に先立ってはまず所属部署内できちんと議論され、業務の範囲についてある程度明確にされておかれるべきといえます。」
本当にその通りだと思います。
丁寧に説明することで、理解を仰いでいこうと思います。
投稿日:2026/03/05 16:52 ID:QA-0165324大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
日本の人事部Q&Aをご利用くださりありがとうございます。かつて中堅企業で人事部長として働いていた当方の経験など交えつつ、少しでも有益なアドバイスができるように努力したいと思います。
■社内キャリアコンサルタントは問題あるか?
国家資格キャリアコンサルタントは名称独占資格であり、サラリーマンとの兼業を禁止する法令もありません。むしろ人事部門にキャリアコンサルタント資格者を配置し、自社のキャリアパスを構築し、従業員のキャリア形成を支援することは、貴社の人事戦略において大いにメリットがあると思われます。
ただしキャリアコンサルティングは、あくまでも貴社の人事業務の一環として行っていることに注意が必要です。したがって貴社の人事戦略(キャリアパスや人材育成の方向性など)に沿うようにキャリアコンサルティングを提供しなければなりません。個々の従業員の自己実現を通じて会社が発展し、会社の発展を通じて個々の従業員が自己実現するWIN-WINの関係を促進するイメージです。
■守秘義務と報告義務のジレンマとどう向き合うか?
ご質問者様の上司様がご指摘された利益相反とは、キャリアコンサルタントが従業員に対する守秘義務と会社に対する報告義務の板挟みになることだと思われます。しかしキャリアコンサルタントでなくても、人事部で働いていれば、従業員から多種多様な相談を受けますので、こういった利益相反状態に陥ることは珍しくありません。
当方の場合は、話の内容によっては会社に報告する場合もあることを事前に断った上で、従業員の相談に乗っておりました。もしご質問者様がキャリアコンサルタントとして開業し、業務委託契約にもとづき業務を受託しているなら、キャリアコンサルタントの職業倫理のみ考慮すれば良いです。しかしご質問者様は貴社の人事部メンバーの一員ですので、勤務先への背任行為にならぬよう注意すべきです。
■社内キャリアコンサルタントの立ち位置
当方が人事部長だった時は、従業員との面談は必ず複数で対応するようにしていました。特に人事評価や給料に関する相談は言った言わないのトラブルになりがちで、経験の浅い人事部スタッフが不用意に従業員のプライバシーを侵害してしまうリスクもあります。もしかしたらご質問者様の上司様も、部下が予期せぬトラブルに巻き込まれることを懸念なさっているのかもしれません。
複数で面談することで、キャリアコンサルティングが薄っぺらい内容となる可能性は否定できませんが、業務の一環として行ったキャリアコンサルティングの責任は勤務先に帰結します。したがってよろず相談ではなく、あくまでも貴社の人事戦略や人事制度の範疇に限定して、キャリアコンサルティングを提供するのが賢明かと思料します。
一例をあげると、人事評価面談に同席し、上司と部下が次回の課題設定について話し合う際に、キャリアコンサルタントとしての専門的知見を発揮して、貴社のキャリアパスと職務要件などを説明し、今後のキャリア形成の方向性やキャリア実現のためのアドバイスを提供するのです。
以上雑駁な回答となり恐縮ですがご質問者様のご参考になれば幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2026/02/19 10:36 ID:QA-0164632
相談者より
人事部長のご経験も踏まえ、ご回答くださり、ありがとうございました。
「社内キャリアコンサルタントの立ち位置」の解説が大変わかりやすく参考になりました。
投稿日:2026/03/05 16:50 ID:QA-0165323大変参考になった
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
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