メンタル不調者を早期発見する体制づくり
ラインから人事に適切なタイミングで共有/相談されるために必要なこと:メンタル不調者を早期発見する体制づくり
現場から人事にメンタル不調者の相談がきたときに、タイミングが遅すぎて「こんなになるまでなんで相談に来なかったのか?」と感じるケースや、タイミングが早すぎて「その情報だけでは判断できない…」と感じるケースなど、人事も「どうしたら良いか…」と困ってしまった話を聞くことがよくあります。
どうして現場から適切なタイミングで相談が来ないのでしょうか。
今回は相談が遅くなるケースについて、その原因と対策について説明したいと思います。
人事への相談が遅くなる理由として、現場からよく聞く話は、
・自分で何とかしようとギリギリまで抱えてしまった
・本人が休職するまで気づかなかった
・気づいていたが本人が「大丈夫」と言うので何もしなかった
・人事に報告したところで何も変わらないと思っていた
などさまざまですが、大きく分けると2つに分類することができます。
1つめは、ラインケアのやり方自体をきちんと理解していないケースです。
先ほどの例では、「本人が休職するまで気づかなかった」や「気づいていたが本人が「大丈夫」と言うので何もしなかった」がこれに当たります。
部下の体調の変化への気づきやすさには、管理職によって個人差があります。そのため気づきにくい管理職にも理解しやすい基準を示すことが重要です。
メンタル不調の場合は休職する以前から行動や業務、勤怠において変化が出てきていることが多いので、この段階で気づくためにどのようなポイントを見ておくべきか、どの程度になったら報告するかの客観的な基準を伝えることが必要になります。
2つめは、人事に共有/相談する必要性をきちんと理解していないケースです。
先ほどの例では、「自分で何とかしようとギリギリまで抱えてしまった」や「人事に相談したところで何も変わらないと思っていた」がこれに当たります。
ラインケアの必要性や知識はある程度あったため不調には気づけていたものの、人事に共有/相談する必要性についての理解が充分でなかった可能性があります。このような場合、会社のリスクマネジメントの観点から人事に適切なタイミングで共有/相談することの重要性や、現場だけで対応することで部署全体の負担感が増えるといったデメリットの話をするなど、改めて人事に共有/相談する必要性を説明するのも一つの方法でしょう。
この他にも、「過去に相談したのに何もしてもらえなかった」といった理由で人事に共有/相談を積極的に行わないケースもあります。
過去の相談ではそもそもの相談のタイミングが遅かった(あるいは早すぎた)ということも考えられますが、適切なタイミングで上がってきた相談に対して、人事が十分なサポートを行うことができる体制を整えておくことも重要なポイントの1つです。
メルマガでは字数の関係で記載できませんでしたが、具体的な基準や対応/対策などを知りたい方は弊社コラボレーターにお問い合わせいただくか、下記勉強会への参加をご検討ください。
(コラボレーター 長尾 文子)
- 安全衛生・メンタルヘルス
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公認心理師/臨床心理士
【専門領域】産業精神保健、認知行動療法、臨床行動分析、復職訓練、ストレスマネジメント
大学院修了後、精神科、カウンセリングオフィス、大学病院にて心理検査、認知行動療法を主とした心理面接、集団認知行動療法に従事する。その後、精神保健福祉センターのディケアで生活支援や就労・復職支援に携わる。復職訓練、社内カウンセリングに従事。
長尾 文子(ナガオ アヤコ) コラボレーター
対応エリア | 関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県) |
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所在地 | 渋谷区 |
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開催日:2023/08/04(金) 15:30 ~ 17:00