【労災】長期出張中の寝具に起因すると思われる腰痛
いつもお世話になっております。
表題の件でご相談です。
該当従業員(職種:SE)は、すでに1ヵ月以上、長期出張で現地のマンスリー賃貸(家具付き)に入居しています。
腰痛を発症して現地の病院にかかったところ「寝具に起因しているのでは?」と診断を受けたとのことで、『労災申請できるか?』と相談がありました。
(医師が「寝具」を原因と推測した理由は不明です。)
本件、労災申請は可能でしょうか?
この日本の人事部や、他のサイトなどで
「業務遂行性・業務起因性が労災認定のカギ」とと聞き、
寝具が理由であれば労災申請しても認定されないのでは、と推測しています。
ただし、今回は「長期出張中で本人が寝具を選べない」という状況もあり、本件について労災認定がおりる可能性があれば、現地の医師の協力も得る必要があるため、事前に情報を集めたい次第です。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/25 10:32 ID:QA-0157094
- 桂木藤尾さん
- 大阪府/情報処理・ソフトウェア(企業規模 101~300人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 労災認定の基本的な考え方
労災保険で認定されるには、
業務遂行性(業務に従事している状態で発生したものか)
業務起因性(その業務に内在する危険・環境が原因か)
の両方が必要です。
一般的に「腰痛」は次のように整理されます:
重量物運搬・不自然な作業姿勢など、業務そのものが腰痛の直接原因であれば → 業務起因性あり(労災認定の可能性大)
加齢や基礎疾患、私生活上の要因による腰痛 → 業務起因性なし(労災認定されにくい)
2. 出張中の「寝具起因」の場合
今回のケースは「マンスリー賃貸に備え付けられた寝具」が原因と医師が推測しているとのこと。
考慮される点
出張に伴い会社の指示で宿泊施設(寝具を含む)を利用している → 業務遂行性は認められやすい
ただし、寝具による腰痛は「直接の業務行為(長時間労働や重量物運搬)」ではなく「生活環境に起因」しているため、業務起因性は弱い
類似の考え方
出張先の宿舎での入浴中の事故や、宿舎の階段での転倒などは「業務の付随行為」として労災認定される例があります。
しかし「寝具の硬さ・柔らかさが合わず腰痛発症」という場合は、個人の体質や既往症との関連も否定できず、労災認定は相当ハードルが高い と考えられます。
3. 実務的な対応
申請自体は可能:労災保険は「労働者が申請する権利」があり、会社は原則として妨げられません。
認定可能性は低め:寝具が原因というだけでは「業務に内在する危険」とは言いづらく、通常は不支給の可能性が高いです。
医師の協力が重要:もし労災を主張するのであれば、「寝具環境が明らかに異常(極端に劣悪)で、それにより業務遂行が妨げられた」という医学的・客観的な記録が必要です。
4. 会社としてのスタンス
申請を妨げずサポート:本人が希望すれば申請を受理し、労基署の判断に委ねる(これが最も公正)。
私傷病扱いの可能性を説明:認定は難しい可能性が高く、健康保険を使うケースになる可能性を本人に伝える。
今後の予防策:長期出張の宿舎環境に配慮(寝具や環境を本人が選べるようにする・経費補助する)ことで同様のトラブルを防ぐ。
5. 結論
申請は可能だが、認定は難しいケース
会社は申請を妨げず、必要書類作成は対応し、最終判断は労基署に委ねるのが妥当です。
認定されるには「宿舎環境が業務由来で異常であること」を示す医学的根拠が求められます。
実務的には「会社としては手続きに協力するが、認定は難しいかもしれない」という説明を従業員に行うのが良いと思います。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/25 11:19 ID:QA-0157096
相談者より
ご回答ありがとうございました。
社員への対応の参考にさせていただきます。
投稿日:2025/08/25 14:04 ID:QA-0157108大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
以下、ご質問者様のご推察の通りです。
|「業務遂行性・業務起因性が労災認定のカギ」とと聞き、
|寝具が理由であれば労災申請しても認定されないのでは、と推測しています。
極めて認定される可能性は低いものと思案いたします。
労災で治癒を受け、結果、労災保険の適用を受けられない場合、
健康保険への医療費精算が生じますので、手続き的には煩雑化します。
その上で最終的に申請を行うか、否かは労働者側が判断する事項です。
本件とはかけ離れますが、本人の体質によるものでは一切なく、
賃貸のベッド自体に大きな問題を抱えているようであれば、マンスリー賃貸の
会社へ医療費を請求することも選択肢にはあるかと存じます。
投稿日:2025/08/25 11:50 ID:QA-0157097
相談者より
ご回答ありがとうございました。
社員への対応の参考にさせていただきます。
投稿日:2025/08/25 14:05 ID:QA-0157109大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
特に腰痛につきましては、業務中であったとしても、特別な基準があり、
かなりハードルが高い状況です。
ましてや、業務中ではありませんので、業務遂行性、業務起因性もありませんので、
労災はほぼ認められないと思われます。
ただし、労災申請するかどうかは、本人次第ですので、
会社としましては、ほぼ労災にはならないと思うが、
それでも申請したい場合には、一度、労基署の労災課に、
自分で確認したうえで、判断するようお伝えください。
投稿日:2025/08/25 12:28 ID:QA-0157102
相談者より
ご回答ありがとうございました。
社員への対応の参考にさせていただきます。
投稿日:2025/08/25 14:05 ID:QA-0157110大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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