出張面談とプライバシープライバシー保護に気をつかう 外部で転職相談したいという人たち
腹を割って本音を話してもらう「転職相談」は、人材紹介に欠かせないプロセスだ。基本的には来社してもらい、周囲を気にしなくてもいい個室でじっくりと話を聞く。しかし在職中で忙しく、なかなか時間が取れない人も多い。その場合、求職者の希望の場所で出張面談を行うことになる。注意しなければいけないのは、プライバシーの保護だ。
出張面談で、最も一般的なのは喫茶店
人材紹介会社で毎日のように行われている転職相談。原則的には会社まで足を運んでもらい、プライバシーが完全に保護された個室で話を聞く。しかし、毎日残業がある、あるいは勤務先が郊外で都心部まで移動していると夜遅くなってしまう、といった理由で来社できない人もいる。
やむをえない場合は、「出張面談」を行うことになる。はたから見れば何かの商談をしているようにしか見えないだろうが、プライバシー保護にはやはり気をつかう。特に気をつけなければならないのは、話をする「場所」だ。オフィス街の場合は喫茶店を利用することが多いが、勤務先に近いと、お客さんの中に同じ会社の人がいるのではないかと、気になることもある。また、人気のカフェなどは混みあっていることが多く、すぐ隣の席に人がいると、具体的な話はしにくい。
そのため、面談場所はあまり混んでいなくて落ち着いて話ができる、昔ながらの喫茶店の方が好ましい。人材紹介会社でキャリアアドバイザーを務めている人なら、主要な駅周辺に穴場の喫茶店を何軒かは知っているものだ。
ただ、それでも完璧とはいえないことがある。ここは静かでいいお店ですよ、と案内した店があまりにも静かすぎて声が通ってしまい、気にした相談者がひどく小声になり、話を聞きとるのにとても苦労したこともあった。
また、静かで雰囲気がいい一流ホテルのラウンジを利用した際は、突然ジャズバンドの生演奏が始まり、音が大きくてとても相談などしていられなくなった。結局場所を変えることになったのだが、このように出張面談にふさわしい場所は、意外に少ないのである。