人事担当者157人に聞いた「メンタルヘルス対応の実際」
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2009年以降のメンタルヘルス不調者の増減とその傾向
「増加している」が55.6%で最多、「変わらない」は39.1%
前掲[図表1]でメンタルヘルス不調を理由とした休職者のいる企業133社に、2009年以降におけるメンタルヘルス不調者の増減傾向を聞いたところ、「増えている」が55.6%で最も多く、「変わらない」が39.1%、「減っている」が5.3%となりました。
休職者のいる企業におけるメンタルヘルス不調を起こしやすい部署や職務、年齢層などの傾向を聞いたところ、部門や職務にかかわらず発生していると回答した ケースは多いものの、特に年齢層では20~40代を挙げる例が目立ちました。また、部門ではシステム開発や納期調整が厳しい部署、職種では研究開発職、シ ステムエンジニア、営業職が多く挙げられています。担当業務の変更や部署の異動、転勤等によるストレスで発症するケースも指摘されています。
メンタルヘルス対応で苦慮した場面やケース
休職・復職を繰り返す社員の対応」67.5%、「復職の判定」59.9%
これまで人事担当者としてメンタルヘルス対応で苦慮した場面やケース(複数回答)を聞いたところ、最も多かったのが「休職・復職を繰り返す社員の対 応」で67.5%と、3人に2人がこのケースで困った経験があることになります。次いで「復職の判定」59.9%、「職場復帰後の仕事の与え方や本人への 接し方」51.0%と続きます。この上位3ケースが50%を超えています。
全体の傾向を見ると、不調を訴えた社員を休職させるよりも職場に復帰させる、さらには再休職させないことに人事担当者が苦労していることが分かります。
なお、規模別では1000人以上と300~999人では、上位3ケースの順位は同じですが、300人未満は「職場復帰後の仕事の与え方や本人への接 し方」が1位になっています。しかし、これは集計社数の少ないことを考慮に入れると、1~3位は規模を問わず共通するテーマといっていいでしょう。
注)* ここでは、一般財団法人労務行政研究所が2012年10月2日~11日にかけて行った「メンタルヘルス対策“本音アンケート”」をもとに、『日本の人事部』編集部が記事を作成しました。詳細は『労政時報』第3836号(2012年12月28日発行)に掲載されています。◆労政時報の詳細は、こちらをご覧ください→ 「WEB労政時報」体験版
◆労政時報の詳細は、こちらをご覧ください → 「WEB労政時報」体験版
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