東証1部上場企業の2021年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
~全産業139社ベースで71万397円、対前年同期比-2.5%と夏季一時金の伸び率としては2013年以来のマイナス~
民間調査機関の一般財団法人労務行政研究所(理事長:猪股 宏)では、東証1部上場企業を対象に、今年の賃上げと同時期に交渉・決定した夏季賞与・一時金の妥結水準を調査し、139社について集計した(2021年4月16日現在)。
(1)平均金額
全産業139社の平均で71万397円、対前年同期比で-2.5%となった。産業別に見ると、製造業は同-3.8%、非製造業では同2.4%と傾向が分かれた[図表1]。同時期(各年4月)集計で見た過去6年の伸び率は、2016年の1.7%以降、2017年は0.0%と前年を下回り、2018年には2.4%と上向いたが、2019年に0.7%と再び前年を下回り、2021年は-2.5%と夏季一時金の伸び率としては2013年以来8年ぶりのマイナスとなった(2020年は集計未実施)[図表2~3]。
(2)平均月数
全産業134社の平均で2.30ヵ月[図表4]。同一企業で見た場合、前年同期(2.40ヵ月)を0.10ヵ月下回った。最高月数は3.23ヵ月と前年同期(4.53ヵ月)を下回り、最低月数も0.75ヵ月で前年同期(1.28ヵ月)を下回る。
調査結果
2021年夏季賞与・一時金の支給水準
「2021年春季交渉時に決まった夏季賞与・一時金」の支給水準は、東証1部上場企業の全産業ベース139社、単純平均)で71万397円[図表1]。同一企業で見た前年の妥結実績72万8498円)と比較すると、金額で1万8101円減、対前年同期比で-2.5%と、夏季一時金の伸び率としては2013年以来8年ぶりのマイナスとなった[図表1~3]。
夏季賞与・一時金妥結額の推移
2012年以降の伸び率の推移を見ると、プラスに転じた2014年の5.7%をピークに、2015年3.0%、2016年1.7%、2017年0.0%と3年連続で前年を下回った。2018年は2.4%と上向いたが、2019年に0.7%と再び下し、2021年は-2.5%と減少に転じている(2020年は集計未実施)。
2021年夏季賞与・一時金の支給月数
平均月数は、集計社数134社の平均で2.30ヵ月となり、同一企業で見た場合の前年同期(2.40ヵ月)から0.10ヵ月の減少となった。なお、個別企業の状況を見ると、月数の最高は3.23ヵ月(前年同期4.53ヵ月)、最低は0.75ヵ月(同1.28ヵ月)だった。
1.調査対象
東証1部上場企業(2021年4月30日現在で2191社)のうち、原則として労働組合が主要な単産に加盟している企業。持ち株会社が東証1部上場企業の場合、その主要子会社は調査対象とした。なお、図表中の「商業」は卸売業、小売業。「情報・通信」には、IT関係のほか、新聞、出版、放送を含む。[図表1、4]の業種分類は、東洋経済新報社『会社四季報』をベースとしている
2.集計社数
2021年春季交渉と同時期に、2021年の夏季賞与・一時金を決定している企業(組合)で、当研究所が結果を把握した139社(月数集計は134社)
3.集計対象範囲
「2021年夏季」「2020年夏季」「2020年年末」の3者の金額または月数が把握できた企業。原則、組合員1人当たり平均(一部の年齢ポイント、標準労働者、全従業員平均による妥結額・月数も集計に含む)
4.集計方法
単純平均(=各社の1人当たり平均を単純に足し上げ、集計社数で除した)
5.調査時期
2021年3月17日~4月16日
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