2016年度労働時間総合調査
所定・総労働時間、休日・休暇、時間外労働等の最新実態(労務行政研究所編集部)
1. 2016年度の所定労働時間・休日日数の実態
所定労働時間・休日日数の水準[図表1、5〜6]
年間所定労働時間は1902時間39分、年間休日は120.3日
2016年度の1日当たり所定労働時間(始業時刻から終業時刻までの時間から、休憩時間を除いたもの)は平均7時間46分、休日日数は年間120.3日である。年間の所定労働時間は1902時間39分で、同一企業における前15年度の水準(1904時間35分)から約2時間短くなった。
ちなみに、年間所定労働時間を基にして単純計算すると、1ヵ月当たり(12分の1)は158時間33分、1週当たり(52分の1)は36時間35分となる。
規模別に見ると、1日当たりの所定労働時間は1000人以上が7時間46分、300〜999人7時間47分、300人未満7時間46分と、規模による差は見られなかった。年間休日日数は1000人以上が120.9日で最も多く、次いで300人未満120.1日、300〜999人119.5日の順となっている。年間所定労働時間は300〜999人が最も長く1910時間30分、次いで300人未満1902時間2分、1000人以上1898時間3分である。
業種別の状況は後掲[図表5]を、所定労働時間と休日日数の推移は[図表6]を参照いただきたい。
また、後段では、年間所定労働時間に時間外労働の実績、年次有給休暇の取得分を加味した年間総実労働時間(15年度)を試算している。併せて参照いただきたい。
年間所定労働時間の分布状況[図表2]
1850〜1950時間未満の間に52.2%
全産業・規模計では「1850〜1900時間未満」が26.8%で最も多く、「1900〜1950時間未満」が25.4%で続く。よって、“1850〜1950時間未満” の範囲に52.2%と半数以上が分布している。
この範囲に収まる企業の割合を規模別に見ると、1000人以上で56.4%、300人未満で54.0%と半数以上であった。一方、300〜999人は43.8%と4割台にとどまり、規模により分布にバラつきが見られる。同様に産業別で見ると、製造業は65.4%、非製造業は35.6%と29.8ポイントも差がある。
ちなみに、年間所定労働時間が2000時間以上の企業の割合は、全産業・規模計で9.6%。昨15年度(13.4%)から減少した。
1日の所定労働時間の分布状況[図表3]
「8時間」が42.1%を占める
「8時間」が42.1%で最も多く、以下「7時間45分」20.2%、「7時間30分」15.4%と続く。「7時間45分」から「8時間」の間に全体の約7割が集中しており、この範囲で1日の所定労働時間を設定している企業が多いことが分かる。
なお、1日の所定労働時間が「8時間30分」というところがあるが、1年単位の変形労働時間制を採っている企業である
年間所定休日日数の分布状況[図表4]
「120〜124日」が56.6%を占める。全体の77.2%が120日以上の設定
「120〜124日」が56.6%で最も多く、次いで「125〜129日」の20.2%。これらを含め、年間120日以上の休日を設定している企業が、全体の77.2%と8割近くを占める。
規模別に見ると、年間休日120日以上の企業の割合は、1000人以上83.2%、300〜999人68.8%、300人未満76.2%であり、1000人以上では8割を超えている。また産業別では、製造業は83.5%、非製造業は69.3%と14.2ポイントの差が見られる。
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