2014年賃上げの見通し―労使および専門家540人アンケート

自社における2014年定昇・ベアの実施

※前項の「実際の賃上げ見通し」は、“世間相場”の観点から一般論として回答いただいたものですが、ここでは自社における来る交渉に向けた考えを尋ねました。

  • 定昇の実施:労使とも「実施すべき」「実施する予定」が9割程度とほとんどを占める
  • ベアの実施:経営側の「実施する予定」は16.1%だが、昨年調査に比べると10ポイント程度増加

定昇の実施

アンケートでは、賃上げ額・率の世間一般的な見通しに加え、自社における賃金制度上の定期昇給(賃金カーブ維持分)および業績などに応じたベース アップ(賃金改善分)の実施についても労使双方に尋ねました(なお、労働側・経営側の回答者は、それぞれ異なる企業に属しているケースが多い点に留意いた だきたい)。

2014年の定昇については、労働側で87.4%、経営側で90.1%が「実施すべき」「実施する予定」と回答。経営側の「実施しない(凍結する) 予定」は0.6%(1人)にとどまりました。実質的な賃金制度維持分に当たる定期昇給については、労使ともほとんどが実施する意向を示しています。

ベアの実施

ベアに関しては、経営側の53.4%が「実施しない予定」と回答、「実施する予定」は16.1%となりました。ベア実施には慎重な姿勢が依然として多いものの、その割合は昨年調査時の75.5%に比べると、20ポイント以上も減少しています。

一方、労働側では、ベアを「実施すべき」が66.7%と3分の2を占め、09年以降5年ぶりに「実施すべきではない(実施は難しい)」を上回りました。

各年においてベアを「実施すべき」または「実施する予定」と回答した割合の推移を[図表3]に示しています。 10年以降、先行き不透明な経済経営環境から、労使ともベアの実施には否定的な傾向が続いていましたが、14年は、労働側は一転、実施派が主流となりまし た。ベア実施に慎重な姿勢に変わりはない経営側も、昨年に比べると「実施する予定」は10ポイント程度増加しています。

【図表2】2014年における定昇およびベアの実施について
【図表2】2014年における定昇およびベアの実施について

[注] 自社における2014年定昇・ベアの実施について尋ねた。「その他」は“未定・分からない”“検討中”“制度を見直す”など。

【図表3】ベア実施意向の推移
【図表3】ベア実施意向の推移

[注]各年において、ベアを「実施すべき」(労働側)または「実施する予定」(経営側)と回答した割合を示した。

HR調査・研究 厳選記事

人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。

会員登録をすると、
最新の記事をまとめたメルマガを毎週お届けします!

この記事ジャンル 給与・賞与・インセンティブ
この記事を既読にする この記事をおススメ
  • 参考になった0
  • 共感できる0
  • 実践したい0
  • 考えさせられる0
  • 理解しやすい0
  • その他1
オススメ1
最新順 人気順 古い順

yossi2000さんがその他でオススメしました

東京都 コンサルタント・シンクタンク 2014/02/19

今年こそベアをという風潮のなか、実際の感覚を知ることができた

1件中1~1件を表示
  • 1

HR調査・研究 厳選記事のバックナンバー

関連する記事

【用語解説 人事辞典】
賃上げ促進税制
賃上げ
I-deals(個別配慮)
労使協定
みなし残業制度
社内預金
春闘