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【ヨミ】コテイザンギョウダイ

固定残業代

「固定残業代」とは、毎月決まった金額を見込みの残業手当として、実際の残業の有無にかかわらず支給する制度のことです。定額残業代ともいわれ、人件費抑制や支払い事務の負担軽減を目的とした導入事例が広がっています。一定の要件を満たす限り、適法であり、有効な制度ですが、昨今、不適切な運用から労使トラブルを招くケースも増えています。従業員の勤務時間が見込みの残業時間を超えた場合、事業者には超過分の割増手当を払う義務が生じるにもかかわらず、いくら働いても定額分しか支払わなかったり、見込み額をあいまいにして残業代をごまかしたりするなどの悪質な法律違反が後を絶ちません。
(2014/5/26掲載)

ケーススタディ

「いくら働いても残業代固定」のウソ
誤用・悪用による違反で不払い横行

固定残業代」は、毎月支払う賃金のうち、一定の時間外割増賃金(残業代)を固定的に支給する制度で、企業が残業代削減を期待してこれを導入する場合は、次の例のように、賃金の総額(手取り)を変えないことがポイントになります。

 <例>月の所定労働時間数160時間(1日8時間、週5日勤務)の場合

A 【固定残業代導入前】
  賃金総額30万円(基本給30万円)
B 【固定残業代導入後】
  賃金総額30万円(基本給24万円+残業30時間分として固定残業手当6万円)

まったく残業をしない月でも、固定残業代が支給されるため、従業員にとって受け取る賃金総額は変わりません。見込みの残業時間まで(上の例では30時間まで)は、賃金に残業代が含まれているので、会社は別途割増手当を支払う必要がなく、残業代削減につながります。では、実際の残業が見込み時間を超えたらどうなるのか。固定の残業代に相当する残業時間を超えた場合は別途、その超過分に相当する割増手当を支給する必要があります。ただし割増手当の単価は、基本給をもとに時給換算で計算されるため、制度導入によって基本給を抑えれば、その分、割増手当の支払いも少なくて済むわけです。

このように固定残業代への制度変更は、会社にとっては人件費削減の効果が期待できる反面、従業員には不利益となりかねません。したがって制度を実効するためには、以下の要件を満たすことが求められ、満たさない場合は法律違反で無効と見なされます。

1.定額残業代部分が、それ以外の賃金と、明確に区分されていること
2.定額残業代部分に何時間分の残業代が含まれているのかが、明確に定められていること
3.時間外労働(残業)時間が、上記2で定めた時間を超えた場合は、別途割増賃金の支払うこと
4.1~3の事柄が就業規則や契約書などに明記されていること

東京新聞の調査によると、固定残業代の不当な運用による残業代未払いの違反が、2013年に東京、愛知など10都道府県で計1343件あったことがわかっています(東京新聞2013年12月30日)。特に上記の要件3に挙げた、超過時間分の別途精算が適切に行われていない違反が多かったようです。

“固定”残業代という名称から「導入すれば、それ以上の残業代を一切払わなくていい」制度だと、よく誤解されがちですが、そうではありません。企業として、固定額分を超えた残業時間に対しては、割増手当を支給する必要があるのは当然です。

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