無料会員登録

日本の人事部への登録は45秒で完了!
※登録内容はマイページで確認・変更できます。

※「@jinjibu.jp」からのメールが受信できるようにしてください。

既に会員の方はこちら

または各SNSで登録

日本の人事部があなたの許可無く投稿することはありません

既に会員の方は
こちらからログイン

ログイン

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・ログイン

ありがとうございます。会員登録が完了しました。
メールにてお送りしたパスワードでログインし、
引続きコンテンツをお楽しみください。

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・自動ログイン

会員登録とログインが完了しました。
引続きコンテンツをご利用ください。

マイページ

会員登録済み


選択したSNSアカウントは既に会員登録済みです。

女性活躍推進はダイバーシティ推進への第一歩 管理職に「なりたい」と思う女性を増やす秘策とは

注目の記事研修・人材育成[ PR ]掲載日:2024/09/04

政府の呼びかけや人的資本情報開示の動きなどによって、多くの企業が女性活躍支援に取り組んでいます。しかし、実態としては「女性管理職の比率が一向に伸びない」「管理職になりたい女性社員が少ない」などの課題に直面している企業が少なくありません。課題の原因はどこにあるのでしょうか。状況を打開するためにはどんなアクションが求められるのでしょうか。代表的な女性活躍企業の一社として知られるベネッセコーポレーションの女性キャリア支援事業部部長・白井あれいさんに、管理職に「なりたい」女性を増やすための秘策をうかがいました。

プロフィール
白井 あれいさん
白井 あれいさん
株式会社ベネッセコーポレーション
大学・社会人カンパニー 女性キャリア支援事業部 部長

大学卒業後、厚生労働省に入省。法改正担当を経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーに転職し、戦略コンサルタントとして勤務。出産後、生後半年の長男を連れて、英オックスフォード大学大学院に留学。帰国後、資生堂に転職し、グローバルブランドの戦略立案等を担当。シンガポール勤務を経て、2020年にベネッセコーポレーション入社。

遅々として進んでいない女性活躍推進の取り組み

日本企業の女性管理職の現状を教えてください。

厚生労働省の「令和4年度雇用均等基本調査」によると、管理職などに占める女性の割合は部長相当職では8.0%、課長相当職以上では12.7%という状況です。政府が掲げる「女性管理職比率30%」の目標とは大きな隔たりがあり、女性活躍に向けた取り組みは遅々として進んでいません。

女性活躍が進んでいる企業にはどのような特徴がありますか。

主に四つのタイプがあります。一つ目は、かつてベンチャーであり男性の採用が思うように進まなかったなど、必要に迫られて女性を採用してきた企業です。ベネッセもその一社と言えます。二つ目は、外資系企業です。欧米はダイバーシティが日本企業より20年も30年も進んでいます。そのため、日本支社が本社から適切な対応を求められるのです。三つ目は、グローバルに展開している企業です。女性活躍を推進できていなければ、海外市場に進出しにくいので、リージョン・ローカルが本社に対して対応を迫ります。四つ目は、エンドユーザーや購買決定層が女性である企業です。女性従業員を大切にしていないという企業イメージが、大きなブランド毀損(きそん)になる企業ですね。

日本企業で女性管理職が増えない原因は何ですか。

さまざまな原因があります。私が特に感じているのは、政府や企業が「両立支援」と「活躍支援」を分けず、さらに両立支援を偏重して推進してしまっていることです。本来であれば、この二つは両輪で実施しなければなりません。働き方改革の推進や待機児童の解消、時短勤務など「両立支援」の導入によって、女性が働き続けられるようになってきているのは確かです。しかし、それは両立支援に過ぎず、そこからさらにキャリアアップして活躍したいと思う女性を増やしていく「活躍支援」の方策についての指針は誰も示せていません。政府も企業に分析と行動計画の作成を求めているだけです。

「どうしたら良いのか」を誰もわかっていない状態です。強引に女性を昇進させることなどによって、初期段階はしのぎましたが、次はさらに前進する必要があります。

企業の中で、女性社員には重要な情報が共有されていない点も見逃せません。いわゆる「オールド・ボーイズ・ネットワーク」の中で情報がやりとりされていて、前提が理解できていない状態で会議に参加しなければならない、などの問題があります。これは、男性社員側は無自覚なので、組織として理解されにくく、女性だけが感じているようです。また、女性が「数」の面でマイノリティーであり過ぎます。これまでの企業運営が前提としているのは、「同質の労働者マジョリティー=男性」かつ長時間労働可能な人材。事なかれ主義で、問題がないほうが正しいと考える日本の組織では、まだまだ女性の発言が異端視され無視されがちです。

両立支援にとどまらない、新たなアプローチが不可欠

女性の管理職昇進への意欲は高まってきているのでしょうか。

あまり高まっていません。「管理職にはなりたくない」という気持ちが根強く残っています。当社の調査結果(女性非管理職正社員に関する調査、2024年2月実施)でも、就業者割合にかかわらず、「管理職になりたくない」と回答した女性社員は全体の6割を占めています。女性管理職としてのキャリアを思い描きにくい環境にまだあるからでしょう。

【図】「管理職になりたくない」若手女性社会人

ベネッセコーポレーション調査(20代30代正社員非管理職女性、N=500、2024年2月実施)より

女性社員がこれまで見てきた女性管理職には、男性社会の中で激しく働いて髪を振り乱して頑張っている人が多い。彼女たちは、そうしないと生き残ってこられなかったので当然です。若手女性社員はそれを見て、自分はそうはなれないし、なりたいとも思っていません。しかし、では他にロールモデルが存在するのか、目指している人がいるのかといえば、そこまでの人にはまだ出会えていないというのが実情です。そのため、先が見通しにくいのだろうと思います。

ただ、この2年間で20代・30代の数多くの女性にインタビューを行い、大きな変化にも気づきました。それは、働き続けることが前提になってきた、そういう人がマジョリティーになったということです。とてもいい変化だと感じていて、私からするとうらやましく思います。私たち40代後半以降は、子どもを産んだり、保育園に預けたりするたびに、仕事を続けるか否か選択を迫られた世代です。子どもが小学校に進学してからも、仕事をするプロフェッショナルとしての側面と、母親としての側面と、その気持ちの揺れをずっと感じながら自分のキャリアを模索してきました。それだけに、働き続けることや共働きが前提となってきているのは、不要な「制約」がとれて良い時代になってきたと感じています。もちろん背景にあるのが、労働者不足という別の理由であっても、です。

そうした価値観の変化もある中、日本企業が女性管理職を増やすために、必要なことは何だとお考えですか。

まず、女性が自ら自分のキャリアの先にある道として「管理職になれる」「管理職になりたい」という気持ちを持つこと、そしてそれを企業が具体的に支援することです。現状は、社会や企業側と、女性側の思いがずれてしまっています。今の20代・30代は女性活躍がずっと叫ばれてきた中で働けています。しかし、「昇進したくない」人が多数います。このギャップを埋めなければならないのです。

そのために、企業は「なぜ両立支援だけでは昇進したいと思ってくれないのか」を考える必要があります。女性たちが「管理職になりたい」と思えるような、キャリア構築の軸をつくることが大事です。今の会社で、自分が見える狭い範囲で、無我夢中に働いている、時にはまるで家族を犠牲にしているように感じられてしまう一部の女性の先輩たちを見ているだけでは、「私には無理」と思い続けてしまうことでしょう。

会社として、そうした女性たちにもっと刺激や視野の広がる経験を与えなければなりません。しかし、いきなり「それでは自分を内省して、キャリアの軸を考えてみましょう」と呼びかけても無理があります。これまで見たことも会ったこともない「女性リーダー」というものに、なるべく多く出会い、「この人のキャリアのこういうところがすてきだ」「この人のこの育児の考え方は参考にしたい」と思えるような人に出会わせ、自分の中のキャリア観を自分で育てていく支援をすることが大切です。

白井あれいさん(株式会社ベネッセコーポレーション 大学・社会人カンパニー 女性キャリア支援事業部 部長)インタビューの様子

キャリアのサンプルが少ないため、自信が持てない女性が多い

女性の中には、せっかく能力があるのに、「自信がない」と管理職になることを希望しない方も多いようですね。

確かに、慎重な面があります。女性の自己効力感をいかに高めるかが重要で、そのためには、会社側からの説得だけでは困難です。説得されて管理職になったものの、うまくいかなかった先輩を何人も見ているという人もいます。自分自身が「こうなりたい」と思うことが重要です。そのためには、女性が思い浮かべられるキャリアのサンプルを多く持っていなければなりません。自己効力感を高めるためには、代理経験と呼ばれる「自分と似たような環境の人ができたのを見て、自分もできるかもしれないと思う」、そんな体験を多く積むことが大切です。

貴社には女性の社員が多く在籍しているイメージがあります。女性の社員が活躍する職場の特徴について、貴社自身のご経験もふまえて教えてください。

当社は最初から多様性を重視していたわけではありません。当時は男女雇用機会均等法が施行される前、ベンチャー企業としては全国から優秀な男性を採用することは容易ではなかったのです。ただ、ありがたいことに意欲があって優秀な女性が当社を選んでくれました。

そうした人たちが活躍すると、その話を聞いて次の世代の優秀な女子学生が入社してきてくれます。その結果、どんどんとキャリアのサンプルが増えていったのです。「あの人の仕事ぶりがすてきだ」「エキスパートとしてこんな生き方もできるのか」と、バラエティーに富んだ女性のサンプルがそろっているのが、当社の強みです。成果をしっかりと出している女性社員が多いことを男性社員が十分認識できている点も、組織風土への影響という意味で大きいですね。

若手女性をキャリア迷子にはさせたくない。その思いから新サービスが生まれた

withbatons(ウィズバトンズ)のサービスを立ち上げた背景をお聞かせください。

まずは、これまでお話ししてきた、日本企業の女性をとりまく現状が、サービス立ち上げの背景の一つとしてあります。さらに、withbatonsには、私自身のキャリアにおけるさまざまな体験も反映されています。私は31歳のときに上の子どもを産んだのですが、そのときに“キャリア迷子”になってしまいました。出産後すぐに赤ちゃん連れで英国の大学に留学したのですが、どこでどう働くかに悩んでしまったのです。自分が本当にやりたい仕事をしたいけれど、一方で子どもには無理をさせたくない。そんな思いをかなえられる会社を探しました。「どうしたら良いのか」を誰かに相談したくてたまりませんでした。

結局、私はコンサルティングファームから化粧品会社に転職しましたが、下の子どもが生まれてから状況が再び大きく変わりました。体がとても弱い子どもだったので、自分のキャリアはもう諦めるしかないと追い込まれてしまったのです。このときも、誰かに相談したかったのですが、相手がいませんでした。

ベネッセに転職し、新規事業のビジネスコンテストが開かれるということで、私と同様に“キャリア迷子”に悩んでいる女性がいるのではないかと仮説を立て、インタビューを行ったところ、彼女たちを取り巻く環境があまり変わっていないことに気づきました。「自分と同じような思いをさせたくない、何とかしたい」と思い、同じ部署の仲間たちと一緒にビジネスプランを構築していったわけです。

withbatonsのサービスの内容や特徴をお聞かせください。

withbatonsは、2024年6月に開始した、企業向けの女性社員向けキャリア形成支援サービスです。まだキャリアの軸が確立していない管理職一歩手前の若手女性が、現役で他社に所属して活躍している6人の女性リーダーたちと1対1でオンラインでのメンタリングを行い、自身のキャリアの軸を探す、というものです。

【図】withbatons サービス全体像

メンターには、さまざまな業界や企業で現役で働く、30代後半から60代前半の先輩女性リーダーの方々が約400人そろっています。彼女たちは全員、自身のキャリアを語れます。そのため、若手女性は「どういうキャリアをたどってきたのか」「どんなときに困ったのか」「どうしても乗り越えられなかった壁はあったのか」などのリアルな話を、希少な女性リーダーたちから聞くことができます。メンタリングの前後にはキャリア研修やフォローアップ研修があり、最終的にはメンタリングの旅を経て自身で見つけた自分のキャリアの軸を言語化する流れになっています。

メンターは、時代がそうだったということもあり、いろいろな苦労や経験をしています。もちろん報酬もお支払いしていますが、「自分の苦労や経験を次世代に伝えることで、彼女たちの背中を押せるなら、ぜひ協力したい」と言ってくれる方がそろっています。その結果、良いエコシステムを作り上げることができました。

自社の先輩ではなく、独自のアルゴリズムによる、他社の先輩との一期一会の出会いだからこそ、「今だけ、本音で話せる」ことも特徴の一つです。

「代理経験」が若手女性に自信を与えてくれる

withbatonsによってどのような効果が見込めるのですか。

トライアルの結果によると、実施後にリーダー層や管理職に対する女性の意識や志向が大きく高まりました。キャリアの見通しや目標を持てるようになった女性の割合も増えています。いろいろなパターンのキャリアに関する話を聞いて「こういうやり方であれば自分も管理職として働けるかもしれない」と気づけたからです。

少なくとも、「管理職の仕事をあまり知らないけれど、なりたくはない」といった消極的な選択をしている女性を減らしたいと思って取り組んでいます。

このサービスを設計するにあたって、主軸となった理論や考え方はありますか。

カナダの心理学者アルバート・バンデューラが説く「代理経験」を主軸にしています。彼は、自己効力感を高める四つの方法を提唱しています。自己効力感とは、「自分でもできるかもしれない」「やってみよう」と思える感覚です。それを高めるための方法の一つが、成功体験を得ること。二つ目が称賛を得続けること。三つ目が体調・情動的喚起。最後が、彼が最も重視した“代理経験”です。

代理経験とは、他者の成功体験を観察して「自分も頑張れば結果を出せる」と感じられることを言います。今回参加しているメンターは、華々しい輝く経歴を持つ人ばかりではありません。若手女性が自分にとって身近に感じられるリーダーが数多く含まれています。そのため、「自分でもできるかもしれない」という感覚を持つことができるのです。

ベネッセグループ全体で女性活躍推進をサポート

今後、withbatonsのサービスはどのように展開・拡大していく予定ですか。

まだサービス開始から間もないのですが、既に帝人、セイコーエプソン、京セラ、神戸製鋼所など、多くの企業に導入していただいています。女性活躍は、どの企業においても経営上の大きな課題になっています。ただ、「何をしたら良いのかわからない」「研修は行っているものの、効果が出ていない」という企業が多いのではないでしょうか。そうした企業にぜひ活用してほしいと思っています。

また、今後はベネッセグループとして女性活躍推進に向けたトータルパッケージをさらに展開していきたいと考えています。大きな柱としては、育成サポートと採用サポートがあります。育成サポートには、両立支援と活躍支援の二つがあります。具体的には、介護や仕事の両立支援に向けた研修はベネッセシニアサポート、活躍支援はwithbatons、採用サポートはWaris(ワリス)が主に担当し、相互に連携しています。

【図】ベネッセグループのサービス

女性管理職を増やしたい企業の人事責任者・担当者やDE&Iの責任者・担当者へのメッセージをお願いします。

日本で女性活躍推進が叫ばれ始めてから20年余が過ぎました。ただ、女性を含めた「ダイバーシティ」を推進する必要性が叫ばれ始めた瞬間から、逆に女性活躍推進がある程度薄まり、停滞してしまった印象があります。もちろん多様性は重要ですが、女性は「マイノリティーの中でのマジョリティー」です。女性を活躍させられなければ、ほかのマイノリティーを活躍させることはできません。残念ながら、現状は女性「さえ」活躍させられていない企業が数多くあります。それだけに、女性活躍推進をダイバーシティ推進に向けた第一歩として取り組んでほしいですね。私たちは「本気で向き合っていきたい」と考える企業を全力でサポートします。

白井あれいさん(株式会社ベネッセコーポレーション 大学・社会人カンパニー 女性キャリア支援事業部 部長)
企業情報

「よく生きる」を企業理念とするベネッセグループにおいて、教育・生活事業を展開しているベネッセコーポレーション。女性向け社外メンタリングサービスwithbatonsは、ベネッセコーポレーションが企業向けに提供する研修サービスです。企業の若手女性社員に向け、キャリア研修に始まり、他社の現役女性リーダーとの1:1での6回のメンタリング、そしてフォローアップ研修を半年間のトータルパッケージで提供します。

企業情報
注目の記事

注目の記事

? このジャンルの新コンテンツ掲載時に通知します このジャンルの新コンテンツ掲載時に通知します
フォロー

無料会員登録

フォローすると、対象ジャンルの新着記事が掲載された際に通知します。
利用には『日本の人事部』への会員登録が必要です。

メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

HRのトレンドと共に、HRソリューション企業が展開するさまざまサービスをご紹介。自社に最適なソリューションを見つけてください。

この記事ジャンル 女性活躍推進

無料会員登録

会員登録すると、興味のあるコンテンツをお届けしやすくなります。
メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

この記事を既読にする

無料会員登録

「既読機能」のご利用には『日本の人事部』会員への登録が必要です。
メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

注目の記事のバックナンバー