人事白書調査レポート2022 ダイバーシティ&インクルージョン
多様な人材がいる効果は「働き方の効率化・生産性向上」と「エンゲージメント向上」が上位
多様な人材がいる効果
多様な人材がいる結果、企業がどんな状況であるかを聞きました。最も多かったのは「働き方の効率化・生産性向上」(49.3%)で約5割。以下、「エンゲージメント向上」(34.4%)、「人員不足の改善」(31.7%)、「議論の活性化」(27.1%)と続きます。「その他」(6.9%)では「結果は出せていない」「多様性を受容できていない」などの回答がありました。
業績別に見ると、市況よりも良い企業では「働き方の効率化・生産性向上」(46.8%)が最も多くなっています。また、「議論の活性化」(34.1%)と「イノベーション創出」(28.6%)において、市況と同程度の企業や市況よりも悪い企業と比べて高くなっています。
ダイバーシティ&インクルージョン戦略を重視している企業は、
「働き方の効率化・生産性向上」「エンゲージメント向上」に効果を感じている
質問12と質問1のクロス集計を行いました。ダイバーシティ&インクルージョン戦略を「重視している」と回答した企業では、「働き方の効率化・生産性向上」(63.6%)、「エンゲージメント向上」(52.3%)、「議論の活性化」(46.2%)、「クリエイティビティ向上」(34.8%)、「イノベーション創出」(33.3%)の割合の高さが目立ちました。また、「どちらかといえば重視している」よりも「重視している」のほうが、「人員不足の改善」以外のすべての項目で高い割合になっています。「どちらかといえば重視している」と回答した企業でも、「働き方の効率化・生産性向上」(51.3%)、「エンゲージメント向上」「人員不足の改善」(いずれも35.0%)の割合が高いほか、「クリエイティビティ向上」(19.4%)、「イノベーション創出」(18.8%)も「どちらかといえば重視していない」「重視していない」と比べて高い割合でした。
また、質問12と質問7のクロス集計を行ったところ、インクルージョンに「取り組んでいる」と回答した企業では「働き方の効率化・生産性向上」(64.3%)と「エンゲージメント向上」(50.4%)が高い割合でした。「取り組んでいないが、今後取り組む予定がある」と回答した企業でも「働き方の効率化・生産性向上」(55.6%)と「エンゲージメント向上」(42.2%)の割合が高くなっています。
さらに、質問12と質問11のクロス集計を行ったところ、本人の希望をキャリア形成へ反映することについて「できている」「どちらかといえばできている」と回答した企業では「働き方の効率化・生産性向上」(それぞれ、64.7%、61.3%)と「エンゲージメント向上」(それぞれ、47.1%、46.8%)が高い割合でした。一方で「どちらかといえばできていない」「できていない」「わからない」と回答した企業では「働き方の効率化・生産性向上」(それぞれ、38.6%、26.8%、48.9%)以外では、「人員不足の改善」(それぞれ、33.1%、39.0%、40.4%)の割合が高くなりました。
実施時期 | 2022年3月7日~3月31日 |
---|---|
調査対象 | 『日本の人事部』正会員 |
調査方法 | Webサイト『日本の人事部』にて回答受付 |
回答数 | 5,200社、5,441人(のべ) |
質問数 | 153問 |
質問項目 | 1.戦略人事/2.採用/3.育成/4.制度・評価・賃金/5.ダイバーシティ&インクルージョン/6.働き方/7.組織開発/8.注目の人事課題(ウェルビーイング、パーパス、職場の関係性) |
出典:『日本の人事部 人事白書 2022』
全国の人事の実態・課題を明らかにし、解決の糸口を探る『日本の人事部 人事白書』から、調査レポートを公開。貴社の課題解決にご活用ください。