社員の住所録の開示について
個人情報保護法に関わることだとは思いますが、年賀状を出すという目的で、社員の住所をみんなに教えるという行為は問題ないのでしょうか?
今回、人事部としては住所を教えることは出来ないという対応をしてきましたが、あまりにも融通が利かないのではないかと、社長から指摘を受けました。今後、どのようにすればよいのか正直困っています。どのような方法であれば良いのか?他社ではどのような取り組みをしているのか?起こりうる問題はどのようなことがあるのかなど教えていただきたいです。
投稿日:2009/01/03 11:56 ID:QA-0014707
- *****さん
- 愛知県/フードサービス(企業規模 501~1000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
社員住所録と個人情報の保護
■過去にストーカー行為があった、公開をして欲しくないという社員がいるなどの理由で、不要に萎縮して、社員住所録を作成しない、或いは、出来ない事態も見受けられます。一部には、個人情報保護法の誤解や過剰反応に基づいている場合もあります。
■社員住所録についていえば、① 使用目的を明示した上で、本人の了承を取得、② 了承を得た目的以外の使用禁止の2点を抑えれば、その作成、配布には法的な問題はありません。ただし、実際には、次のような可能性は常に存在します。
▽ 一部の社員から同意書を入手できない場合は、当人の情報抜きの歯抜け住所録になってしまう可能性
▽ 配布された社員による別目的での使用の可能性
▽ 配布された住所録が、不同意の社員を含む第三者に渡る可能性
■事実、住所録の配布は止め、サーバー内でPW管理し、人事総務担当者と直属の上司以外はアクセスできないようしている、他社員の住所を知りたい場合は、当人同士で教えあうようにしてもらっているようにしているケースも見受けられます。
■実際には、「自分の情報は公開して欲しくないのに、他人の情報だけは欲しい」というのが、一番困ることなので、了承取得率 100% をまず目指し、了承しない人には、配布も見送るというのが、最も現実的で素直なやり方だと思います。尚、実効性のには限度があると思いますが、《 注意深い保管義務 》 と 《 目的以外の使用禁止 》 を住所録の最初に記載しておくことで会社としての最低限の義務はクリアーできると思います。
投稿日:2009/01/04 13:10 ID:QA-0014710
相談者より
投稿日:2009/01/04 13:10 ID:QA-0035801大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
新年明けましておめでとうございます。
ご相談の件ですが、従業員の住所録につきましては明らかに重要な個人情報になりますので、本人の同意を得ずに開示する事は原則として認められません。
既に川勝様が指摘されていますように、一番怖いのは第三者に情報が渡り年賀状送付といった目的以外に悪用されるリスクが避けられないという点になります。
こうなってしまいますと、場合によっては社員から損害賠償請求をされるといった重大なトラブルに繋がる可能性も否定できませんので、事を軽く見ない事が必要です。
また個人情報の件に関わらず、年賀状のような私的行為に関しまして会社が関与する事自体望ましくないものといえますね‥
但し、社長様が言われる融通の件については理解できますので、必ず住所等の開示について本人同意を得ること及び、万一不正情報の利用が発覚した場合には懲戒対象として明確に就業規則上に位置づけることで個々の事案に関する必要最小限の情報について提供することは妥当というのが私共の見解になります。
投稿日:2009/01/04 15:09 ID:QA-0014711
相談者より
投稿日:2009/01/04 15:09 ID:QA-0035802大変参考になった
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