採用ツールの種類や選び方
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近年は少子高齢化の進展や生産年齢人口の減少により、売り手市場となっています。自社が求める人材を獲得するためには、これまで以上に戦略的な採用活動が求められます。基本的な会社情報や業界の強み、労働条件に加え、多様化するキャリア観に合わせて情報を発信することが重要です。採用ツールを効果的に活用することで、求職者に選ばれる可能性が上がります。
採用ツールとは
採用ツールとは、企業の採用活動で使用するツールです。企業が求職者と接点を持つための母集団形成、自社への理解深化、採用ブランディング、求職者とのコミュニケーションなど、複数の目的で使われます。
採用ウェブサイトや採用パンフレットのほか、求人媒体や求職者を管理する採用管理システムなど、採用ツールは多岐にわたります。近年では、求職者の企業理解を深めるための採用ピッチ資料や、採用動画も取り入れられています。
採用ツールが必要な背景
企業がさまざまな採用ツールを導入する背景には、採用の難易度の上昇や、インターネットの普及により変化した、求職者とのコミュニケーションの難しさなどがあります。
採用難
『人事白書2024』によると、「計画人数を充足できた」と答えた企業の割合は新卒採用で約5割、中途採用は約4割にとどまっています。少子高齢化による生産年齢人口の減少が影響し、多くの企業が採用難の傾向にあります。
売り手市場においては、企業はより戦略的に求職者にアプローチすることが求められます。自社の強み・業界の特性に合わせて求人媒体や転職エージェントを使い分けるとともに、さまざまなチャンネルで企業の魅力を多角的に伝えることが重要です。志望動機を形成するため、就職活動の段階に合わせて能動的にコミュニケーションをとる必要があります。
インターネットの普及
インターネットの発展とともに、企業情報と求職者の接点は多様化し続けています。採用ウェブサイトや求人媒体での情報発信、口コミサイトや企業SNS、さらには従業員のSNSやブログなど、さまざまな媒体が求職者との接点になり得ます。
求職者に自社の必要な情報を届けるためには、採用ツールを目的に応じて使い分けることが重要です。他社の採用情報に埋もれないよう、多面的な情報発信が求められます。
求職者が多様な情報を求める
キャリア観が多様化したことで、求職者が企業に求める情報も多様になっています。給与、就業時間、雇用形態といった基本的な労働条件だけで求職者の志望動機を形成するのは簡単ではありません。既存の従業員の働き方ややりがいといったロールモデル、企業のウェルビーイングや働き方改革に向けた取り組み、企業のビジョンやミッションなど、さまざまな視点で情報を展開する必要があります。
採用ツールを活用するメリット
採用ツールを活用することで、求職者にアプローチできる機会が広がるほか、業務効率化が図れるなど、さまざまなメリットが期待できます。
多様なチャンネルで、多くの求職者にアピールできる
複数の採用ツールを活用することで、求職者との接点を増やせます。エンジニアなどの職種特化型や、ハイクラス求人のように、媒体やエージェントによってアプローチできる求職者層が変わります。近年では、既存従業員の紹介で採用につなげるリファラル採用や、SNSを活用したソーシャルリクルーティングなど、能動的に求職者とつながる手法も取り入れられています。
企業の情報発信も、採用ウェブサイト、コーポレートウェブサイト、求人媒体、社員のSNS、パンフレットなど、媒体によって目的を切り分け、ターゲットに合わせた情報展開が可能です。
業務効率化が図れる
採用段階に合わせて、求職者へのアプローチ方法を変えることが重要です。企業が求職者と直接接点を持てる機会は、説明会や面接など限定的。採用ウェブサイトや採用動画、採用ピッチ資料といった情報発信ツールを作成しておくことで、情報を効率的に伝えられます。面接前に資料を送付し、企業理解を促すことで、面接でより深い話が可能になります。
企業ブランディングにつながる
近年は、採用ウェブサイトはもちろん、採用広報という形で自社を戦略的にブランディングする手法が広がっています。企業の見せ方に一貫性を持たせることで、より自社の魅力を求職者に伝えられ、採用難の時代において選ばれる企業を目指せます。
採用ツールの種類
採用ツールにはウェブサイトや資料、動画、SNS、広告など、さまざまなものがあります。
採用ウェブサイト | 採用に特化した情報を発信する自社ウェブサイト。制作費がかかるが、一度作成すれば数年使用できる。 |
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求人媒体 | 求人広告を出稿する媒体。募集職種・雇用形態・新卒/中途などさまざまな切り口で媒体を使い分ける。広告の出稿費用が発生する。 |
転職エージェント | 人材紹介企業。求人の要件を伝え、求職者とのマッチングを図る。職種特化や業界特化型などがある。成功報酬型が一般的。 |
採用管理システム | 求職者の情報を一元管理するシステム。面接日程の調整などが可能。求人媒体を複数使用している場合、求職者の情報をまとめるために活用できる。システムの使用料が発生する。 |
採用パンフレット | 企業情報や応募要件などをまとめた紙媒体。説明会など母集団形成の段階で求職者に配布するのが一般的。採用ウェブサイトと同様、制作後は数年にわたり使用できるケースもある。 |
採用ピッチ資料 | 求職者が求める情報をストーリー立てて作成したもの。 |
採用動画 | 採用に関する情報を発信する動画全般のこと。企業のビジョンを伝えるものや、職種紹介、従業員インタビュー、コンセプトムービーなど複数の切り口がある。 |
このなかでも採用ピッチ資料と採用動画は、自社の魅力や職場環境を、ストーリー仕立てで発信することが可能なツールです。以下に、採用ピッチ資料と採用動画の特徴を紹介します。
採用ピッチ資料とは
採用ピッチ資料とは、求職者に向けた会社説明資料のことです。「ピッチ」とは、ビジネス用語で「短いプレゼンテーション」を意味します。採用パンフレットと同様に、会社紹介や事業紹介といった情報を掲載しています。自社の魅力や価値観を端的にまとめている点が特徴です。また、配布するターゲットを求人に応募する人と限定し、求職者が求める情報を絞り込んで伝えられます。
求人情報があふれる現代において、求職者に興味を持ってもらうことは非常に重要。採用ピッチ資料は、自社や業界に詳しくない人に対しても、情報をわかりやすく伝え、自社への理解を深める効果が期待できます。
採用動画とは
採用動画とは、採用に関するさまざまな情報を発信する動画全般をいいます。写真や文章では伝わりにくい、会社のリアルな雰囲気を発信できます。動画に親しみが深い若者に訴求しやすいため、近年は導入事例が増えています。事業紹介や職種紹介、社員インタビューなど、動画の長さに合わせて多様なコンテンツを作成できます。求職者は実際にリクルーターから話を聞くようにして情報を得られます。
さらに、アニメーションやインフォグラフィックスなどを用いて、自社の情報を親しみやすく、わかりやすく可視化できます。オフィスの雰囲気や社員がいきいきと働く表情などを映し出せるため、求職者の志望動機形成につながるでしょう。
採用ツールを選ぶ際のポイント
採用ピッチ資料、採用動画はともに、企業理解の深化や自社ブランディングに役立つツールです。
採用ピッチ資料か採用動画か
採用ピッチ資料、採用動画は、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、目的に合わせて使い分けることが重要です。
たとえば、面接の通過率が低い、採用要件にマッチする応募者となかなか出会えないといった課題がある場合、入り口の部分で志望動機形成や自社理解に力を入れる必要があります。その際、ウェブサイトで採用ピッチ資料を公開することで、応募者とのミスマッチを減らすことが可能です。また、面接に進む求職者に採用ピッチ資料を配布すれば、志望動機形成をサポートできます。このように、採用の課題に合わせて導入するツールを選択します。
【採用ピッチ資料のメリット】
- 求職者に事前に渡すことで、会社理解を促せる
- パワーポイントをもとにスライド作成するため、軽微な変更は自社内で修正対応が可能
【採用ピッチ資料のデメリット】
- 最後まで読んでもらうためにはストーリー構成が重要となる
- 最新の情報を伝えるため、頻繁な更新が必要
【採用動画のメリット】
- 社内の雰囲気や従業員の様子を、リアルに伝えられる
- アニメーションやインフォグラフィックスなど、多彩な表現が可能
- スマートフォンに合わせて縦長動画を作ることもできる
- 幅広いターゲットに届く
【採用動画のデメリット】
- 採用ピッチ資料と比べて費用がかかる(動画作成スキルを持っているところに依頼する必要がある)
- 変更があった際、自社内での対応が難しい(一から作り直す必要も)
制作を依頼する会社の得意分野を確認します。業界や企業規模など、制作会社によって持っている強みは異なり、作風もさまざまです。ホームページにアップされている実績などを参考に選ぶといいでしょう。また、ただの動画制作会社や資料制作会社よりも、採用に知見のある会社に依頼する方が、市場動向などを踏まえた成果物を期待できます。
採用ツールを提供する企業一覧
- 株式会社ステラス
- 株式会社イオレ
- 株式会社ワコールキャリアサービス
- 株式会社キャリタス
- 株式会社アイデム
- 株式会社カケハシ スカイソリューションズ
- 株式会社bサーチ
- 株式会社4COLORS
- 株式会社PR Table
- 株式会社クイック
- 株式会社リクルート
- エン・ジャパン株式会社
- 株式会社moovy
- マルゴト株式会社
- 株式会社hypex
- 株式会社EISHIN
- 株式会社ストリームライン
- 株式会社CONE
- 株式会社ミギナナメウエ
- 株式会社ビットセンス
- 株式会社ジオコス
- Voiceプロ株式会社
- クイックボードデザイン
- 株式会社プルークス
- 株式会社GJC
- タッチスポット株式会社
- 株式会社LOCUS
- 株式会社スプレッドオーバー
- MIL株式会社
- 株式会社アサプリ
- 株式会社リソースクリエイション
- Nu Realize株式会社
- wakaru株式会社
- HeaR株式会社
- 株式会社アクシアエージェンシー
- 株式会社ハイ・プランジャパン
- 株式会社Media Aid
- 株式会社リクロコ
- スマートリクルーティング株式会社
- 株式会社RXプロ
- 株式会社つなぐ
- 株式会社エド&クロ
- 合同会社ファニプロ
- Crevo株式会社
- ピクシディア株式会社
- 株式会社シードアシスト
- 株式会社エレファントストーン
- メディアフォーユー株式会社
- 株式会社タイムシェア
- StockSun株式会社
- 株式会社EXIDEA
- 株式会社 火燵
まとめ
生産年齢人口減少に加え、求職者のキャリア観が多様化し、自社が求める人材の採用は難易度が上がっています。自社の強みや業界の特性、求める人材像に合わせて、採用ツールを使い分けることが採用成功につながります。採用ピッチ資料や採用動画といったツールを適切に導入し、求職者との接点増、企業理解の深化、自社ブランディング構築を戦略的に進めることが重要です。
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