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『労政時報』提携

改正労働安全衛生法12月1日施行
ストレスチェック制度義務化に伴う企業の対応状況 (1/5ページ)

2015/12/09
すべて自社独自で行う企業は5%未満、課題は「どう職場改善につなげるか」
労務行政研究所編集部
労政時報 photo

改正労働安全衛生法(平成26年6月公布)によって、平成27年12月より労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施が従業員数50人以上の事業場に義務づけられる。対象事業場は平成28年11月末までの1年間に、必ず1度はストレスチェックを実施しなければならない。それに伴い、厚生労働省よりストレスチェック制度の具体的運用を定めた省令、告示、指針や実施マニュアルが相次いで公表され、ストレスチェックの受検、結果の出力等を簡便に実施できるプログラムも公開が予定されている。

企業では、厚生労働省から推奨されている職業性ストレス簡易調査票などを用いて自社内で行うか、社外のEAP業者等へ外部委託するか――という部分も含めて実施方針を決定し、適切な運用を行うべく社員や産業保健スタッフ等の関係者と協力・連携して検討を行わなければならない。しかし、多くの企業にとってストレスチェック制度の運用は初めての試みであり、情報収集段階で苦慮しているという声も聞く。

そこで本記事では、ストレスチェック制度実施に向けた企業の対応状況について、実態調査を実施した。

【 調査要領 】
◎調査名:「ストレスチェック制度義務化に伴う企業の対応状況調査」
1.調査対象:『労政時報』定期購読者向けサイト「WEB労政時報」の登録者から、今回のストレスチェック導入義務化の対象になる「従業員数50人以上の事業場」所属を抽出した人事労務・総務担当者6604人
2.調査期間:2015年8月3〜28日
3.調査方法:WEBによるアンケート
4.集計対象:1.のうち、回答のあった226社(1社1名)。会社の産業別、規模別の内訳は[参考表]のとおり。
3.利用上の注意:[図表]中の割合は、小数第2位を四捨五入し小数第1位まで表示しているため、合計が100%にならない場合がある。
※「年」の表記については原則として西暦だが、今回は法令に準拠して、本文では和暦(平成)表記としている

【参考表】産業別、規模別集計対象会社の内訳
【参考表】業種別集計対象会社数

ポイント

1.ストレスチェック制度の実施形式

「一部を社外のEAP業者等へ外部委託する予定」41.6%が最も多く、「すべてを自社独自で行う予定」とする企業は4.9%にとどまる[図表1〜2]

2.自社独自で行う場合のチェック項目

法令で推奨される「職業性ストレス簡易調査票(57項目)をそのまま活用」36.4%が最多[図表3]

3.外部委託する場合、活用するサービス内容と予算

活用を予定しているサービス内容(複数回答)は「ストレスチェック実施と結果の返却のサービス」98.2%が最多。以下「組織分析の結果集計とフィードバックのサービス」82.1%、「高ストレス者への面接指導勧奨・相談対応」60.7%と続く。従業員1人当たりのストレスチェックに要する予算では「1000〜2999円」が50.0%と最も多い[図表5〜7]

4.ストレスチェック実施に向けた各段階について、検討が完了している・方針が定まっている事項(複数回答)

「ストレスチェック制度に関しての法定要件に関する情報収集」81.9%や「外部機関等から情報を収集し、活用を検討」63.3%などで検討が完了している・方針が定まっている割合が多い[図表11〜13]

5.ストレスチェック実施後の各段階について、検討が完了している・方針が定まっている事項(複数回答)

「労働基準監督署への報告をどのように行うか」は12.8%、「集団分析の結果を受け、どう職場環境改善につなげるか」は11.9%、「次年度以降の実施に向け、課題の洗い出しと解決策の検討など、PDCAサイクルをどのように構築するか」は8.4%[図表18〜20]

6.ストレスチェック制度義務化に向けた課題(複数回答)

「ストレスチェックの結果をどのように職場環境改善につなげればよいのか分からない」37.6%が最多。「産業医や保健スタッフが、集団分析や職場環境改善といったテーマで活動した経験がない、少ない」「小規模事業所や海外事業所があるため、ストレスチェック実施とその後の面接指導等で社員間の差が出てしまう」が各33.2%で続く[図表25]


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