【本誌特別調査】
慶弔見舞金の支給実態(労務行政研究所)
会社支給の場合、結婚祝金は4万円、死亡弔慰金は23万円の水準
労務行政研究所では、2017年1~3月に「慶弔見舞金、慶弔休暇に関する実態調査」を実施した。2011年の前回調査から6年ぶりの実施となる。
慶弔見舞金については、会社・共済会の給付主体別に、結婚、出産、子どもの入学の各祝金と、死亡弔慰金、傷病見舞金、災害見舞金の支給状況ならびに水準を見ている。また、役員に対する慶弔見舞金の規定状況と水準も調べている。
ポイント
1 慶弔見舞金制度の有無
制度の有無[図表1]
会社では9割が制度あり。共済会がある場合は、ほとんどで制度あり
慶弔見舞金制度の有無を、会社・共済会別に尋ねた。
会社では、89.8%が慶弔見舞金制度を設けている。規模別に見ると、1000人以上では8割超(81.1%)なのに対し、1000人未満では9割台(300~999人90.5%、300人未満97.8%)に乗っている。こうした実施率の差は、大手企業の場合、共済会を設けてそちらで慶弔見舞金を支給するケースも多いためとみられる。
なお、回答企業の中では、共済会が各種慶弔給付を行う一方、会社が行う給付については、団体定期生命保険等の保険契約による、比較的高額な死亡弔慰金(社員本人死亡時)支給のみとしている例が10社あまり見られた。このように、家族に対する弔慰金や他の祝金、見舞金などの支給を行っていない場合、会社の集計区分では「制度なし」に含めているので留意いただきたい。
共済会については、慶弔見舞金制度を設けているのは40.2%となっている。なお、回答企業の58.2%(149社)が「共済会はない」と回答しており、共済会がある企業は256社中107社だが、そのうち制度があるのは103社と96.3%に達し、ほとんどが慶弔見舞金の制度を設けている。
なお、今回の調査では、労働組合からの支給については調べていない。
では、[図表1]で慶弔見舞金の「制度あり」と回答した企業について、各種祝金・弔慰金・見舞金の支給状況や水準を見ていく。
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