人事制度の実施・改定状況調査
48.3%の企業で過去5年以内に人事・等級制度の改定を実施(労務行政研究所)
3 賞与制度の実施・改定状況
賞与制度の実施状況の実施・改定状況[図表7、事例4]
75.0%の企業で業績連動型賞与を運用。ストックオプションの導入企業は0.9%にとどまる
賞与制度の実施状況(複数回答)について尋ねたところ、「業績連動型賞与」が75.0%で最も高かった[図表7]。「業績連動型賞与」について規模別で見ると、1000人以上が85.1%となり、ほかの規模よりも17ポイントほど高くなっている。「業績連動型賞与」以外の項目については、いずれも20%に満たず、特に「ストックオプション」に関しては、1000人以上でわずかに見られたが、全体では0.9%にとどまった。
なお、「業績連動型賞与」について、過去5年以内に導入、改定、廃止、見直しの検討を行った企業(57社)のうち、「現在、見直しを検討している」が50.9%、過去5年以内に「改定を行った」が40.4%という状況になっている。
過去5年以内の導入、改定があった企業の主な内容は、以下のとおり[事例4(省略)]。
- 「(業績連動型賞与において)対象管理職の限定と経営指標により自動的に決定される仕組みから、目標管理型へのシフトを図る」(製造業、1000人以上、2017年〔予定〕改定)
- 「組織業績評価の評価指標をPL(損益計算書)項目のみから、BS(貸借対照表)、CF(財務活動によるキャッシュフロー)項目を追加」(非製造業、300~999人、2016年改定)
- 「管理職層の賞与について、個人業績に加え、部門業績を賞与支給額の一部に反映させる部分に整理」(非製造業、1000人以上、2012年改定)
4 退職金・年金制度の実施・改定状況
退職金・年金制度の実施・改定状況[図表8、事例5]
42.2%の企業が企業型確定拠出年金を運用。
規約型確定給付企業年金35.3%、ポイント制退職金制度31.0%と続く
退職金・年金制度の実施状況(複数回答)について、「企業型確定拠出年金(企業型DC)」が42.2%で最も高く、「規約型確定給付企業年金(規約型DB)」が35.3%、「ポイント制退職金制度」が31.0%と続いた[図表8]。規模別で見ると、「企業型確定拠出年金(企業型DC)」については、1000人以上が51.1%、300人未満が28.0%と約23ポイントの差が開いている。また、退職金制度(「ポイント制退職金制度」「退職金前払い制度(賃金への繰り入れ)」)に関しては、300人未満が1000人以上を上回っており、一方で、年金制度については、主に個人が資産運用のリスクを負う「個人型確定拠出年金(個人型DC)」のみ300人未満が1000人以上を上回る結果となった。
なお、「企業型確定拠出年金(企業型DC)」について、過去5年以内に導入、改定、廃止、見直しの検討を行った企業(31社)では、過去5年以内に「新規に導入した」が51.6%、「改定を行った」が32.3%となった。また、同様に「規約型確定給付企業年金(規約型DB)」(22社)については、「現在、見直しを検討している」が40.9%という状況になっている。
過去5年以内の導入、改定があった企業の主な内容は、以下のとおり[事例5(省略)]。
- 「DBの約20%をDCへ移行」(製造業、1000人以上、2012年改定)
- 「最終給与比例退職金制度をポイント制退職金制度へ見直し。資格等級・評価別のポイントテーブルを用いることで、勤続期間全体の成果を反映」(非製造業、1000人以上、2013年改定)
- 「個人型DCとして、さまざまな商品メニューを用意して本人に運用商品を選択させる仕組みに」(製造業、1000人以上、2015年改定)
5 人事評価制度の改定状況
人事評価制度の改定状況[図表9、事例6]
49.1%の企業が過去5年以内に評価項目・評価基準の見直しを実施
人事評価制度に関しては、過去5年以内の見直し状況(複数回答)について尋ねている[図表9]。最も高かったのは、「評価項目・評価基準の見直し」で49.1%。次いで「処遇(賃金改定・賞与・昇降格など)への評価反映の見直し」「評価者に対する研修・訓練の導入、方法や内容の見直し」が同率で33.9%となった。なお、「当てはまるものはない」も33.0%あった。
過去5年以内の導入、改定があった企業の主な内容は、以下のとおり[事例6(省略)]。
- 「コンピテンシー評価を導入し、目標管理とコンピテンシー評価の別運用を図る一方、評価者/被評価者向けの研修を実施」(非製造業、1000人以上、2015年改定)
- 「評価の項目数を減らしてシンプルに(十数項目⇒四項目)、賞与への評価連動廃止(報奨制度へ移行)」(非製造業、1000人以上、2014年改定)
- 「フィードバックの頻度を多くする一方、評価項目のウエートを職層ごとに変更(マネージャー層は成果評価重視、若手層は情意評価重視等)」(非製造業、300人未満、2015年改定)
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