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【ヨミ】バンドガタチンギンセイド

バンド型賃金制度

「バンド型賃金制度」とは、職務別あるいは役割別に一定の賃金範囲=バンド区分を設定し、社員それぞれの賃金の額を、本人が属するバンドの範囲内で評価に応じて変動させる賃金制度のことです。バンド(band)は「帯」の意味で、上限額から下限額まで幅をもたせた帯状の賃金構造を指します。成果主義型の給与体系を設計する上で不可欠なしくみとされ、従来の賃金表に代わり、外資系企業をはじめ多くの日本企業がこのバンド型賃金を採用しています。
(2011/12/26掲載)

ケーススタディ

仕事や役割の価値に応じて賃金範囲を設定
「職務別バンド」から「ブロードバンディング」へ

バンド型賃金は上述のとおり、職務給あるいは役割給の考え方がベースになっています。すなわち担当している仕事(職務)や果たしている役割の価値、大きさを評価してバンド区分を設定。そのバンドに処遇を連動させ、個々の評価によって賃金を決定するものです。

職務別にバンドを作る場合、より厳密に言うと、各職務の価値を一定の視点から評価・点数化し、点数の近いものをまとめて一つのバンドを設定します。同じような評価の仕事には同じような賃金水準を保証し、その中で成果に応じた適切な格差をつけるのがバンド型賃金の基本的な発想です。

ただし企業にこの方式をあてはめると、職務別バンドの数が多くなりすぎるきらいがあります。企業内の職務はいくつもあり、評価の近いものをまとめたとしても、結果的には7、8本程度にまで増えてしまうのです。バンドの数が多くなると、相対的に各バンドの賃金範囲が狭まり、個人の成果を賃金格差に反映させにくくなります。賃金の上限に余裕がなくなるため、人材の確保・採用の面でも不利にならざるを得ません。また細かい職務別のバンド体系では、職務が変わると賃金も変わるため、会社主導の配置転換や異動運用しにくいなど、さまざまな欠点が指摘されています。何よりも「私の仕事は彼の仕事より価値が高い、だから賃金も高くて然るべき」という理屈が、職務等級制度の歴史がないに等しい日本の企業社会には、なかなか馴染まないということもあります。

こうした理由から現在では、職務別よりもバンドの幅を広くとって数を減らした「ブロードバンディング」が主流になっています。ブロードバンディングには、職務別に作った複数のバンドを大くくりにする、あるいは部長・課長といった職責別、管理職・監督職・一般職といった職群別にバンドを設定するなどの方法があり、そうすることでバンド数は3~5本にまとまるのが一般的です。

国内で同制度の先進事例となったソニーでは、2000年から管理職を対象に成果主義賃金を順次導入(後に一般社員にも拡大)。社員の職務遂行能力に応じて付与されていた職能格による区分を廃止し、代わりに役割価値に対応した「バリューバンド」と呼ばれる五つのバンドを導入しました。大手商社の兼松も、07年に五つの職責バンドと職群から成る新人事制度をスタートさせています。仕事と処遇の関係を明確化するのがねらいで、賃金は職責バンドに連動、バンドと業務プロセス評価によって金額が決まるしくみです。

プロードバンディングは自由度が高く、格差や変動幅をつけやすいだけに、運用ルールの公正化・厳格化を徹底しないと、賃金が激しく上下するなど、労使双方にとって思わぬデメリットが生じる恐れもあります。

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