パート・アルバイト募集のポイント【2】
古橋 孝美(ふるはし たかみ)
表5「仕事における人との関わり方」を見ると、“しっかり働きたい”派の回答は「人と関わり合いながら進めていく仕事の方が好きだ」と「一人で進めていく仕事の方が好きだ」で割れていました。ただ、「人と関わり合いながら進めていく仕事の方が好きだ」は、“しっかり働きたい派”が49.1%、“そこそこ働ければよい派”が32.4%と約17%ポイントの差がついており、“しっかり働きたい派”の方が他者とのコミュニケーションを前向きに捉えている傾向が見えてきます。
表6「未経験分野への関心」を見ると、“しっかり働きたい派”の7割は「未経験の分野の仕事にも挑戦したい」と考えていました。新しい仕事や環境にも物怖じせず飛び込める姿勢は、彼らの強みとも言えるでしょう。
表7「将来像の有無」を見ると、「自分の将来について『こうありたい』というイメージを持っている」者は、“しっかり働きたい派”では66.5%に上ります。自身が掲げる将来のあるべき姿に近づくために、目的意識を持って働いている者が多い印象を受けます。
このように、“しっかり働きたい”派は、能動的・自律的な考えを持っている傾向が見えてきました。つまり、自社の業務と照らし合わせて上記と重なる要素があれば、それを強みとして打ち出すことで、“しっかり働きたい”と考える求職者層に訴求することが可能になるのではないか、ということです。
もちろん、“しっかり働きたい派”は、“そこそこ働ければよい派”に比べて、労働条件や処遇にこだわる傾向があります(『平成25年版パートタイマー白書』P85~88参照)。しかし、自社で働くことで、どのような仕事ができ、どのようなことが実現できるのか彼らにイメージさせることは、採用活動の成功につながる有効な手段の一つではないでしょうか。
【参考資料】平成25年版パートタイマー白書
調査対象:直近1年以内にパート・アルバイトでの仕事探しをした者で、現在無職またはパート・アルバイトで働いている者 有効回答者:1,438人 調査期間:平成25年4月11日~15日
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●文/古橋 孝美(ふるはし たかみ)
2007年、株式会社アイデム入社。求人広告の営業職として、人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動し、毎年パートタイマー白書の企画・調査・発行をトータルで手がける。2012年、新卒採用・就職活動に関する調査等のプロジェクトを立ち上げ、年間約15本の調査の企画・進行管理を行う。2015年出産に伴い休職、2016年復職。引き続き、雇用の現状や今後の課題について調査を進める一方、Webサイトの記事・コンテンツ制作、顧客向け販促資料などの編集業務も行っている。
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