パート・アルバイト募集のポイント【2】
古橋 孝美(ふるはし たかみ)
企業としては、「しっかり働きたい」と考えている者を雇用して、戦力として活用したいところ。しかし、「『しっかり働きたい』に近い」と「どちらかと言えば『しっかり働きたい』に近い」と考えている者(以下“しっかり働きたい派”)は合わせて40.5%と、半数にも満たない状況です。
では、どうすれば“しっかり働きたい派”の人材を採用できるのでしょうか。以降は、『平成25年版パートタイマー白書』から、“しっかり働きたい派”と“そこそこ働ければよい派”の「仕事に対する考え方」を比較しています。“しっかり働きたい”という志向を持つ求職者層へアプローチする際に、意識してみるとよいかもしれません。
まず、表1「専門知識・技術の習得意向」について見ると、「仕事を通じて専門知識や技術を身につけたい」考えている者の割合は、“そこそこ働ければよい派”では65.2%に対し、“しっかり働きたい派”では90%を超えています。ここからは、“しっかり働きたい派”は、働くことでスキルアップにつなげようとする意識が強いことがうかがえます。
表2では、「責任」について聞いています。こちらでは、“しっかり働きたい派”と“そこそこ働ければよい派”の志向が顕著に分かれました。“しっかり働きたい派”の67.7%は、「責任や使命のある仕事をしたい」と考えている一方、“そこそこ働ければよい派”では、「プレッシャーのない気楽な仕事をしたい」と回答した者が75.5%。“そこそこ働ければよい派”が、重責を回避したい意向が顕著に表れているのとは対照的に、“しっかり働きたい派”は、仕事への使命感に燃えている様子が明らかです。
表3では、「仕事の難易度」について聞いています。“しっかり働きたい派”の66.3%は、「頭を使いながら工夫して進めていく仕事の方が好きだ」と回答していますが、“そこそこ働ければよい派”では44.4%に留まっていました。“しっかり働きたい派”は、複雑・困難な仕事でもより良い方法を模索して進めていこうという意識を強く持っています。
表4「仕事の進め方」について聞くと、「仕事は、自分で進め方を考えられるものの方が取り組みやすい」を回答した者の割合は、“しっかり働きたい派”では51.2%、“そこそこ働ければよい派”では46.1%になりました。表1~3に比べ、“しっかり働きたい派”と“そこそこ働ければよい派”の差は大きくありませんが、“しっかり働きたい派”の半数以上は、自ら考え、主体的に仕事を進めていくことが得意なようです。
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