賃金規定と雇用契約書について
ご相談がございます。
会社がM&Aをしまして、親会社が新しい賃金規定を作成しました。
作成したのは、今年の1月からになります。
前の会社の賃金規定には、住宅手当を支払う規定が記載されておりましたが、12月入社からの社員の方にそちらの手当の支給がされていないことが判明しました。
上記の手当に関しましては、雇用契約書にも記載がされておりません。
ただ、署名と捺印をされたものはございます。
新しい賃金規定に関しましては、まだ全社員に通知等もしておらず、労働基準監督署にも届け出はしておりません。
このような場合ですが、もし社員から住宅手当の支払いがないと言われた場合は、さかのぼって支払いをしないといけないのでしょうか。
どのようにすれば、よいかわからずご相談をさせていただきました。
もしお分かりであれば、教えていただけますでしょうか?
投稿日:2026/02/19 16:38 ID:QA-0164668
- *****さん
- 大阪府/販売・小売(企業規模 6~10人)
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
就業規則(賃金規定)は、労働条件の最低基準を定めるものです。
そのため、個別の雇用契約書に記載がなくても、旧規定に住宅手当の支給条件が
明記されていれば、その支払いは必要な支払いとなります。
新規定が未周知かつ未届出の状態では、旧規定の効力が維持されるため、対象者
には遡及して支払う必要性があると考えられます。
投稿日:2026/02/19 17:38 ID:QA-0164672
相談者より
お世話になります。
承知いたしました。
ご回答いただきまして、誠にありがとうございます。
参考にさせていただきまして、対応をさせていただきます。
投稿日:2026/02/20 09:36 ID:QA-0164688大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
ご相談の件、法的整理は次のとおりです。
1.適用される賃金規程
就業規則(賃金規程)は、労基法89条に基づき作成・届出・周知して初めて効力を持ちます(労基法106条)。
今回の「新しい賃金規程」は、
・労基署未届出
・社員への周知未実施
とのことですので、原則としてまだ効力は生じていません。
したがって、現在有効なのは「旧会社の賃金規程」と考えるのが原則です。
2.住宅手当の支払義務
旧賃金規程に住宅手当の支給規定がある場合、それは労働条件の一部です。
雇用契約書に明記がなくても、
・就業規則に規定がある
・署名捺印のある契約書で就業規則を適用するとしている
のであれば、原則として支払義務が発生します。
よって、社員から請求があれば、未払い分を遡って支払う必要がある可能性が高いです(賃金請求権の時効は3年)。
3.M&A後の取扱い
M&Aであっても、事業譲渡・会社分割等の場合は労働契約は原則承継されます。
賃金規程の不利益変更(住宅手当廃止)は、
・労働者代表の意見聴取
・労基署届出
・合理性の確保(労契法10条)
・周知
が必要です。
現状では「廃止の効力」は発生していないと考えるのが安全です。
4.実務対応の提案
旧賃金規程の内容と適用範囲を精査
住宅手当の支給要件を確認(全員一律か、世帯主のみ等)
該当者分を試算
経営判断として
・遡及支給する
・今後の規程変更を正式手続で実施
を整理する
争いになれば会社側は不利になる可能性が高いため、早期に整理することをお勧めします。
特にM&A直後は労働条件の整理が重要ですので、「現時点で有効な規程は何か」を明確にすることが最優先です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2026/02/19 18:28 ID:QA-0164673
相談者より
お世話になります。
丁寧にご回答をいただきまして、誠にありがとうございます。
ただ、上司に回答をいただきました旨をお伝えいたしますと、記載はないが基本給のところに入っていると言われました。
そうなりますと、手当は未払いでよろしいでしょうか?
投稿日:2026/02/20 10:55 ID:QA-0164691大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
労基に正式に提出したものが正規の就業規則になりますので、現状では旧就業規則が有効となります。支払いが必要となるでしょう。
投稿日:2026/02/19 19:50 ID:QA-0164676
プロフェッショナルからの回答
12月入社の社員に対して、前の会社の賃金規定に基づく住宅手当の支払いがされていない場合、さかのぼって支払う必要があるかどうかは、雇用契約書や就業規則に明示されているかどうかによります。雇用契約書に記載がない場合でも、就業規則に基づく権利がある場合は支払いが必要です。
賃金規定の変更や新規作成に際しては、労働者代表との協議を行い、周知徹底を図ることが重要です。労働条件の不利益変更を行う際には、労働者に対して十分な情報提供と説明を行い、変更の合理性を確保することが重要です。不十分な場合は、労働者からの不満や訴訟リスクが高まる可能性があります。
12月入社の従業員については、住宅手当の支払いについて就業規則や賃金規定の内容を確認し、従業員に対して説明を行う必要があります。
投稿日:2026/02/19 20:21 ID:QA-0164677
プロフェッショナルからの回答
追加のご質問にご回答申し上げます。
追加のご質問をいただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
考え方や規定等につきましては、ご説明申し上げました通りです。
追加のご質問
「ただ、上司に回答をいただきました旨をお伝えいたしますと、記載はないが基本給のところに入っていると言われました。
そうなりますと、手当は未払いでよろしいでしょうか?」
につきましての最終の判断は、所轄の労働基準監督署が行うものと存じます。
投稿日:2026/02/20 11:17 ID:QA-0164692
プロフェッショナルからの回答
日本の人事部Q&Aをご利用くださりありがとうございます。
■ご質問への回答
ご質問のケースでは、合併後の(新)賃金規程は法的に有効な状態となっておらず、労働者に対して法的拘束力を生じませんので、(旧)賃金規程が適用される労働者から住宅手当の支払いを請求された場合は、(新)賃金規程が有効に成立するまでの期間について、会社は(旧)賃金規程にもとづき住宅手当を支払う義務があります。
■回答の根拠
(1). 旧会社の就業規則は新会社に引き継がれる
M&A(合併や事業譲渡等)において事業の包括承継がなされる場合、特段の事情がない限り、労働契約上の権利義務関係はそのまま新会社に継続されます。したがって、合併したからといって直ちに(旧)就業規則が無効になることはなく、新会社で新たな就業規則が適法に成立・適用されるまでは、(旧)就業規則の内容が労働条件として維持されます。もちろん就業規則を構成する賃金規程も同様です。
(2).雇用契約に記載すべき事項を就業規則に委任する場合
労働契約の締結時に詳細な労働条件を個別に合意していなくても、合理的な労働条件を定めた就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容はその就業規則で定める労働条件によることになります。また住宅手当のような賃金に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項であり、(旧)賃金規程に住宅手当の定めがある以上、それは労働契約において有効な労働条件となります。
(3).雇用契約から委任された就業規則を変更する場合
使用者が一方的に就業規則(賃金規程)を変更して労働者に不利益な労働条件を課すことは原則として許されません。不利益変更が認められるためには、以下の要件を同時に満たす必要があります。
・その変更が合理的であること(不利益の程度や変更の必要性など)
・変更に際して労使間で充分な協議が行なわれていること
・変更後の就業規則(賃金規程)を労働者に周知していること
ご質問のケースでは、(新)賃金規程は法定の手続きを踏んでいませんので現時点では無効です。したがって(旧)賃金規程が適用される労働者に対しては、(新)賃金規程が有効になるまでの間、(旧)賃金規程にもとづいて住宅手当を支給しなければならないという結論に至ります。
回答は以上となりますがご質問者様のご参考になれば幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2026/02/20 11:38 ID:QA-0164693
プロフェッショナルからの回答
労働契約法
以下、回答いたします。
就業規則で定める労働条件が労働契約の内容となるためには、就業規則の労働者への周知が要件となります。このため、本件、新しい賃金規定(就業規則)は効力を有していないと考えられます。従来の賃金規定に則った対応が必要であると認識されます。
(労働契約法)
第七条 労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない。
(就業規則による労働契約の内容の変更)
第九条 使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。
第十条 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない。
投稿日:2026/02/20 13:08 ID:QA-0164695
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
まず、M&Aをしたのはいつなのでしょうか。
次に、なぜ12月入社からの社員の方にそちらの手当の支給がされていなかったのでしょうか。
また、労働契約法12条により、
就業規則と雇用契約書の内容が異なる場合には、条件の良い方が適用されます。
支給すべき住宅手当を支給していなかったのであれば、
遡っての支払いが必要です。
投稿日:2026/02/20 15:28 ID:QA-0164707
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、賃金規程も含めた就業規則に関しましては、当然ながら従業員への周知及び労基署への届出等が必要とされています。
そして、新しい就業規則を作成されても、従業員への周知が無ければ効力は発生しないものとされますので、その場合は従前の就業規則の内容が依然として有効とされます。こうした点につきましては、吸収合併等でも原則として同様になります。
従いまして、当事案に関しましても、周知されていない就業規則の内容如何を問わず、従前の就業規則に基づく住宅手当を支給される事が必要といえますし、未支給の手当分についても遡って支給される事が求められます。
投稿日:2026/02/20 19:16 ID:QA-0164727
人事会員からの回答
- みらい・社労士さん
- 大阪府/その他業種
賃金規定に支払うとの記載があり、雇用契約書にその旨の記載がなければ、賃金規定の定めが優先されますので、遡っての支払いが必要になります。
一般に、労働契約、就業規則、労働協約が同一の労働条件について異なった定めをしている場合は、労働契約より就業規則が、就業規則より労働協約が効力が強いという関係になります。
投稿日:2026/02/20 08:42 ID:QA-0164683
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
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社労士などの専門家がお答えします。