出張面談とプライバシープライバシー保護に気をつかう 外部で転職相談したいという人たち
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勤務先の応接室で転職相談?
現在はどこの駅前にでもある、個室カラオケの店で転職相談を行うケースもある。なんといっても「個室」なのでプライバシーの心配がないし、昼間から夜遅くまでやっているところも都合がいい。ただ、カラオケボックスは転職相談にふさわしい場所ではないと感じる人も多いようで、喫茶店の方が良いと言われることもある。また、個室なのでキャリアアドバイザーが男性で相談者が女性という場合などは、配慮が必要だろう。
時には、非常に大胆な相談場所を指定してくる人もいる。
「なかなか時間がとれません。弊社までお越しいただけないでしょうか」
働いている勤務先のオフィスに来てほしいというのである。何回か転職して人材紹介会社の利用に慣れているような人の場合に時折あるケースだ。
「来社時は受付で“○○証券”と名乗ってください」
実際に行ってみると、ちゃんと受付の来客予定名簿に載っている。予約してあった応接室に通され、女性がお茶まで出してくれる。こちらは恐縮してしまうが、相談者の方は慣れたものだ。
「ここなら防音になっていますから、心配いらないですよ」
たしかに一度内部に入ってしまえば、近場の喫茶店などよりも安心なのかもしれない。中には相談の後、転職したいと言っている同僚や部下を呼んでくるなど、さらに大胆な行動に出る人もいる。
「僕がお世話になってる人材紹介会社の人。せっかく来てもらったのだから、挨拶しておいたら?」
もはやこちらがプライバシー保護に気をつかっていたのが、無意味になるような行動である。それでも帰る時には、また証券会社の人として扱われるので、誰にでもオープンというわけではないのだろう。
外部へ相談にいくだけでも、いろいろな個人の事情が浮かび上がってくるのである。
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