2012年 役員報酬・賞与等の最新実態
一般財団法人 労務行政研究所(理事長:矢田敏雄)では、調査資料が少ない役員の報酬・賞与その他処遇に関する調査を1986年以降継続して行っています。本記事では、その最新調査結果の中から「常勤役員の報酬・賞与の水準」を中心に、取り上げます。
※『労政時報』は1930年に創刊。80年の歴史を重ねた人事・労務全般を網羅した専門情報誌です。ここでは、同誌記事の一部抜粋を掲載しています。
◎調査名:「役員の報酬等に関する実態調査」
1. 調査対象:全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3449社と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)311社の合計3760社。ただし、持株会社の場合は、主要子会社を対象としたところもある
2. 調査期間:2012年7月11日~9月28日
3. 集計対象:前記調査対象のうち、回答のあった129社
社長の年間報酬は4516万円、25歳従業員の年収の約12倍
役位別に年間報酬(規模計平均)を見てみると、会長が4603万円、社長が4516万円と4000万円台、副社長は 3266万円と3000万円台、専務は2831万円、常務が2333万円と、2000万円台。取締役以下は、取締役(兼務は除く)1720万円、従業員兼 務取締役1668万円、常勤監査役1354万円などとなっています。
調査対象や集計(回答)企業は異なりますが、労務行政研究所が実施した「2012年度モデル賃金・年収調査」による従 業員の年収と、今回調査による社長の年間報酬を参考までに比較してみます。大学卒・総合職25歳の従業員の年収(2012年度の年間定期給与+11年年末 賞与+12年夏季賞与)は約366万円であり、社長の年間報酬(4516万円)はこの年収の約12倍に当たる。さらに、同調査の役職別年収の水準と比較す ると、社長の水準は課長(46.4歳・781万円)の約5.8倍、部長(51.4歳・1002万円)の約4.5倍に上ります。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。