企業における「懲戒処分」の実態
――横領の場合、8割近い企業が最も重い「懲戒解雇」を適用
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解雇における退職金の支給状況
諭旨解雇では「全額支給する」が38.8%と最も多く、「一部支給する」の18.1%と合わせると、何らかの支給を行う企業が過半数に上ります。「全額支給しない」は3.4%にとどまりました。
一方、懲戒解雇では「全額支給しない」が69.3%と約7割を占め、「全額支給する」は皆無、「一部支給す る」もわずか0.6%にとどまっています。諭旨解雇とは一転、厳しい内容ですが、諭旨解雇が退職届の提出を勧告するものであるのに対し、懲戒解雇は使用者 が労働契約を一方的に解消する処分であることからすれば、当然の結果ともいえるでしょう。
労務行政研究所の「モデル退職金・年金実態調査」(調査時期:2008年11~12月)によると、大学卒の 自己都合退職金は勤続20年で600万円超、同30年で1400万円台、定年退職では2050万円に上ります。自らの非違行為により懲戒解雇となり、この 退職金がもらえなくなることは、社員にとって大きなダメージといえます。
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諭旨解雇…
懲戒解雇より一段軽い懲戒処分の一種で、形式的に退職願等を出して辞めることを認めるが、退職願等が提出されなければ懲戒処分としての解雇を行うもの(諭旨退職・依願退職ともいう) -
懲戒解雇…
懲戒処分の中で最も重いもので、(1)再就職の障害になる(2)退職金の不支給や減額を受けるなど、労働者が被る不利益が非常に大きい処分
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