改正労働安全衛生法12月1日施行
ストレスチェック制度義務化に伴う企業の対応状況
すべて自社独自で行う企業は5%未満、課題は「どう職場改善につなげるか」(労務行政研究所編集部)
3 ストレスチェック実施後の各事項に関する検討状況
ストレスチェック実施後の各段階について、検討が完了している・方針が定まっている事項[図表18〜20]
8月で検討が完了している・方針が定まっているという回答はいずれの項目も3割未満
ストレスチェック実施後についても、情報管理体制や集団分析、職場改善などの検討事項は多い。ここでストレスチェック実施後について聞いたところ(複数回答)、調査時点の8月で検討が完了している・方針が定まっているという回答はいずれの項目も3割未満となった。特に、「(5)労働基準監督署への報告をどのように行うか」12.8%、「(4)集団分析の結果を受け、どう職場環境改善につなげるか」11.9%、「(6)次年度以降の実施に向け、課題の洗い出しと解決策の検討など、PDCAサイクルをどのように構築するか」8.4%について検討が完了している割合は1割前後となっている。
なお、[図表20]で、実施予定別([図表1〜2]参照)、義務化以前のストレスチェック運用の有無別(後掲[図表21]参照)に見ると、「すべてを自社独自で行う予定」の企業や、義務化以前からストレスチェックを「運用していた」企業では、各事項の回答割合が高いことから、検討が完了している傾向にある。
ストレスチェックの受検率を高めるための施策[事例2]
メール等でリマインド、職場での周知啓発、定期健康診断に絡めて実施が多い
すべての労働者がストレスチェックを受けることが望ましいことから、会社(事業者)は、労働者の受検の有無を把握し、ストレスチェックを受けていない労働者に対して受検を勧奨することができる(マニュアル44ページ)。ただし、受検しない労働者に対する不利益な取り扱いが行われないことを確保しなければならない。例えば、ストレスチェックを受検すべきと就業規則に規定し、受検しなかったことをもって懲戒処分の対象とすることは、受検の強要や受検しない労働者に対する不利益取り扱いに当たる(マニュアル44ページ)。
[事例2](省略)は、ストレスチェックの受検率を高めるために予定している施策について自由記入してもらったもの。回答の傾向を見ると「従業員や職場上司へ直接メール等でリマインドを実施」「職場での周知啓発を実施」「定期健康診断などに絡めて実施、回答しやすい環境を整備」といった対応に集約される。
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