「2013年度労働時間総合調査」
所定労働時間、休日・休暇、時間外労働などの最新実態
一般財団法人 労務行政研究所(理事長:矢田敏雄)で毎年実施している「労働時間・休日・休暇等に関する実態調査」の2013年度の調査結果がまとまりました。本記事では、「所定労働時間・休日日数の実態」「年次有給休暇の取得状況」「時間外労働の実態」を中心に取り上げ、紹介します。
※『労政時報』は1930年に創刊。80年の歴史を重ねた人事・労務全般を網羅した専門情報誌です。ここでは、同誌記事の一部抜粋を掲載しています。
◎調査名:「役員の報酬等に関する実態調査」
1. 調査項目:
(1)2013年度労働時間・休日日数(本社)
・(a)1日当たり所定労働時間
・(b)年間所定休日日数
・(c)年間所定労働時間(対象期間は原則として2013年4月~2014年3月の1年間)。また、前年度の労働時間との比較のため、昨12年度分も併せて調査
(2)年次有給休暇の取得状況(最近1年間)
(3)時間外労働の実績(2012年度)
(4)時間外協定(36協定)
・(a)時間外規制の限度時間
・(b)特別条項(協定時間を超える最高時間外規制)の設定状況
2. 調査時期・方法:2013年5月14日に調査票を発送、7月4日までに回答のあったものを集計。
3. 調査対象:全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3450社と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)304社の合計3754社。ただし、持株会社の場合は主要子会社を対象としたところもある。
4. 集計対象:上記調査対象のうち、回答のあった232社。所属業種については、調査時点におけるものとした。なお、項目により集計(回答)企業は異なる。
5. 労働時間調査上の留意事項:制度と慣行が異なっている場合は「慣行時間」を対象とするなど、実態に即した労働時間を調査した。
2013年度の所定労働時間・休日日数の実態
所定労働時間・休日日数の水準
年間所定労働時間は1908時間03分、年間休日は119.6日
2013年度の1日当たり所定労働時間(始業時刻から終業時刻までの時間から、休憩時間を除いたもの)は平均7時間47分、休日日数は年間119.6日となりました。年間の所定労働時間は1908時間3分で、同一企業における前12年度の水準(1910時間57分)から2時間54分短くなりました。
ちなみに、年間所定労働時間を基にして単純計算すると、1ヵ月当たり(12分の1)は159時間、1週当たり(52分の1)は36時間42分となります。
規模別に見ると、1日当たりの所定労働時間は1000人以上が最も長く7時間48分、以下300~999人7時間47分、300人未満7時間45分でした。一方、年間休日日数は300人未満が120.1日で最も多く、次いで1000人以上119.9日、300~999人119.0日の順となっています。
以上から、年間所定労働時間は300人未満が最も短く1894時間53分、次いで1000人以上1910時間39分、300~999人1913時間36分となります。
年間所定労働時間の分布状況
1850~1950時間未満の間に半数近くが集中
全産業・規模計では「1900~1950時間未満」が25.0%で最も多く、「1850~1900時間未満」が22.4%で続きます。よって、“1850~1950時間未満”の範囲に47.4%と半数近くが集中していることが分かります。
この範囲に収まる企業の割合を規模別に見ると、1000人以上では56.4%と過半数を占めます。一方、300~999人は39.3%、300人未満は44.4%と4割前後にとどまり、分布にバラつきが見られます。
ちなみに、年間所定労働時間が2000時間以上の企業の割合は、規模計で12.9%。昨12年度(12.0%)とほとんど変わらない状況となっています。
1日の所定労働時間の分布状況
「8時間」が43.1%を占める
「8時間」が43.1%で最も多く、以下「7時間45分」20.3%、「7時間30分」16.4%と続きます。「7時間45分」から「8時間」の間に全体の約7割が集中しており、この範囲で1日の所定労働時間を設定している企業が多いことが分かります。
年間所定休日日数の分布状況
「120~124日」が54.7%を占める。全体の4分の3が120日以上の設定
「120~124日」が54.7%で最も多く、次いで「125~129日」の19.4%。これらを含め、年間120日以上の休日を設定している企業が、全体の74.6%と4分の3に上ります。
規模別に見ると、年間休日120日以上の企業の割合は、1000人以上76.6%、300~999人69.0%、300人未満79.6%であり、300~999人で少なくなっています。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。