ソン?トク?パートの時給アップ
岸川宏(きしかわひろし)
評価+処遇の連動+アルファで・・・
評価を行い、従業員のモチベーションを上げ、雇用管理を最適化する。実にすばらしい効果だと思います。ですが、評価を行うことの本当の効果は、これだけにとどまりません。冒頭でも書いたように、“「時給を上げること」が、それにより上昇した人件費分以上の利益を会社にもたらす場合もある”のです。
評価を行うことによって、能力のあるパート・アルバイト従業員の発掘 → 能力を活かす配置。
評価を時給に反映させることによって、モチベーションの向上 → 定着率の向上 → 業務の習熟度の向上(技術・知識) 。
そして、再評価 → ・・・・
上記のように、評価→評価結果の処遇への反映→再評価とサイクルを回していくことにより、パート・アルバイトの適正配置のみではなく、技術・知識のスキルを上げることにより戦力化され、さらには「お客さまからの支持向上」⇒「利益(売上-コスト)向上」という、プラスのスパイラルを生み出すのです。
「それ、机上の空論ってヤツでしょ」「そんなこと実際には無理」と、思われる方も多いでしょう。しかし、実際に、これに成功している企業はあるのです。過去の取材から、そうした企業の共通点を探してみると・・・・・・。それを実現している企業には、適正な評価・処遇に加え、“教育”“やる気にさせる仕組み・雰囲気”という共通点がありました。
パートアルバイト一人ひとりの自助努力にまかせっきりにするのではなく、企業側が積極的に教育の場を提供し、行動を促す仕組みです。適正な評価は、自身の得手・不得手の認識つながり、処遇の納得性を高めます。適正な処遇は、従業員の能力向上意欲につながります。教育は、両意識をつなぎ、プラスのスパイラルを動かすエンジンとなるのです。評価は、適正な処遇のために効果を発揮します。さらに、従業員の戦力化を目指すのであれば、+α(教育)が必要不可欠の要素となります。評価を行うことの本当の効果(従業員の能力を向上させ、企業を強くすること)を引き出すための、もうひと工夫。これを行うことができれば、時給アップは決して“ソン”ではありません。
<パート戦力化に関する取材記事は、人と仕事研究所WEBサイトで検索・閲覧できます> TOP ⇒ コラム/取材記事 ⇒ 現場イズムバックナンバー
詳細はこちらをご覧ください→アイデム人と仕事研究所
●文/岸川宏(きしかわ ひろし)
株式会社アイデム 人と仕事研究所 社会保険労務士
【担当分野】労働関連法。賃金統計・アンケート調査等の作成、分析。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。