8割を超える企業が「戦略人事」の重要性を認識しているが、実践できている企業は3割に満たない
「戦略人事」として機能している人事部門は3割弱
「戦略人事」が重要であるかを聞いたところ、「当てはまる」(54.5%)、「どちらかというと当てはまる」(30.3%)を合わせて84.8%と、8割を超える企業が戦略人事の重要性を認識している。
業績別に見ると、市況よりも良い企業で「当てはまる」とする割合が62.5%と高く、市況よりも悪い企業の48.6%を大きく上回っている点が目立つ。
では、人事部門は実際に「戦略人事」として機能しているのか。回答を見ると、「当てはまる」は7.3%と少なく、「どちらかというと当てはまる」(21.1%)を合わせても、28.4%にとどまっている。一方、「当てはまらない」(35.9%)、「どちらかというと当てはまらない」(32.1%)は合わせて68.0%。戦略人事の重要性は強く認識していても、人事部の抱える課題が多岐にわたり、人材不足が常態化しているため、実際には戦略人事として機能していない実態が浮き彫りとなっている。
業績別に見ると、市況よりも良い企業では「当てはまる」(9.9%)、「どちらかというと当てはまる」(29.2%)が合わせて39.1%に達しており、その割合は市況よりも悪い企業の割合(18.9%)の約2倍に及んでいる。
戦略人事が機能していない理由は「人事部門のリソースの問題」が5割
戦略人事が機能していない理由を聞いたところ、最も多かった理由は「人事部門のリソースの問題」で、50.5%と過半数を占めている。次いで「人事部門の位置づけの問題」(42.7%)、「経営陣の問題」(41.2%)が4割台で続き、以下、「人事部門のメンバーの能力の問題」(38.5%)、「人事部門の経営視点欠如の問題」(34.0%)、「人事部門の意識の問題」(29.5%)、「コミュニケーションの問題」(27.0%)と続く。機能していない理由には、リソースや位置づけ、メンバーの能力など、人事部門自体が抱える問題が多いことが分かる。
実施時期 | 2019年3月19日~4月9日 |
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調査対象 | 『日本の人事部』正会員 |
調査方法 | Webサイト『日本の人事部』にて回答受付 |
回答数 | 5,022社、5,273人(のべ) |
質問数 | 146問 |
質問項目 | 1.戦略人事/2.採用/3.育成/4.評価・賃金/5.ダイバーシティ/6.働き方/7.HRテクノロジー/8.組織活性化 |
出典:『日本の人事部 人事白書2019』
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