日本を代表するCHROが、未来のCHROを養成
日本の人事部「CHRO養成塾」開催報告
人材採用・育成・組織開発のナレッジコミュニティ『日本の人事部』は、2024年4月から10月にかけて、次代のCHRO(Chief Human Resource Officer)を養成する「CHRO養成塾」を開催。第1期は20名が受講し、全塾生がすべてのカリキュラムを修了しました。
「CHRO養成塾」とは
経営幹部として経営に携わり、人事関連業務を統括するCHRO。変化の激しい現代、企業経営を推進していく存在として、その活躍を期待する声が高まっています。そこで『日本の人事部』が持つ日本最大の人事ネットワークの中から、CHROを厳選。「日本を代表するCHROが未来のCHROを養成する」をコンセプトに、実践的な学びを提供するカリキュラムを作りあげました。
「CHRO養成塾」委員会
委員長に気鋭の経営学者・入山章栄氏を迎え、日本を代表するCHROによる豪華な講師陣が実践的な講義を行いました。
〈委員長〉
- 入山 章栄氏
- 早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール 教授
〈委員〉
- 有沢 正人氏
- カゴメ株式会社 常務執行役員 兼 カゴメアクシス株式会社 代表取締役社長
- 曽山 哲人氏
- 株式会社サイバーエージェント 常務執行役員CHO
- 武田 雅子氏
- 株式会社メンバーズ 専務執行役員 CHRO
- 西田 政之氏
- ジャパン・アクティベーション・キャピタル株式会社 チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサー
- 東 由紀氏
- コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社 執行役員 最高人事責任者 兼 人事・総務本部長
- 有賀 誠氏
- 株式会社日本M&Aセンターホールディングス CHRO/株式会社日本M&Aセンター 取締役 常務執行役員 人材本部長 人材ファースト管掌
講義の様子
当初は10名程度での開催を予定していましたが、想定を大きく上回る約60名のエントリーがあったため、20名での開催に変更。厳選なる選考を経て、20名の塾生が選ばれました。書類選考を勝ち抜いた精鋭を対象に、毎回ハイレベルな講義が行われました。
第1回~第5回の講義では、講師が自身の経験も踏まえてCHROとしての心構えや姿勢などについて語った上で、フレームワークを用いた実践的なワーク、ディスカッションを実施。塾生は半年間をかけて自社の人事を検証し、課題をピックアップした上で今後の人事戦略を描いていきました。
第1回講義の様子
特別講義
これからのCHROに求められるものは何か
入山 章栄氏(早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール 教授)
「CHRO養成塾」の幕開けとして、委員長である入山氏による特別講義を実施。「日本には真のCHROが少ない」という入山氏による熱のこもったメッセージに対して、塾生から積極的に質問が投げかけられるなど、活発な学びの場を実現しました。
講義 / ワーク / ディスカッション
人事戦略策定のStep0:フレームワーク
CHROとして描くべき戦略ストーリーの流れを理解する
有賀 誠氏(株式会社日本M&Aセンターホールディングス CHRO、株式会社日本M&Aセンター 取締役 常務執行役員 人材本部長 人材ファースト管掌)
※有賀氏は第2回~第5回の講義/ワーク/ディスカッションをすべて担当しました
これからどのようにして自社の人事戦略を描いていくのか、また、そのために活用するフレームワークとは何なのかを有賀氏が説明し、早速グループディスカッションも行われました。第2回の開催に向けた課題も発表されましたが、次回以降も毎回、塾生は課題を与えられ、それをこなした上で講義に参加することが求められます。これから半年間の学びに向けて、塾生20名は心構えができたようです。
第2回講義の様子
特別講義
東 由紀氏(コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社 執行役員 最高人事責任者 兼 人事・総務本部長)
東氏がCHROとなるまでの土台となった、これまでのビジネス経験について語ったうえで、現在CHROとして何を行っているのか、その事例を語りました。CHROとしての生き方、あり方なども含めた熱のこもった講義に、塾生は熱心に耳を傾けていました。
講義 / ワーク / ディスカッション
人事戦略策定のStep1:外部環境分析
ビジネスの現状と展望を踏まえ、人と組織に関するテーマを抽出する
塾生それぞれが自社におけるビジネスの現状と展望を踏まえて、人と組織に関するテーマを抽出。事前に資料を提出した上で、講義に参加し、議論を深めました。この時点では自社の外部環境を徹底的に分析しました。
第3回講義の様子
特別講義
武田 雅子氏(株式会社メンバーズ 専務執行役員 CHRO)
有沢 正人氏(カゴメ株式会社 常務執行役員 兼 カゴメアクシス株式会社 代表取締役社長)
第3回は、武田氏、有沢氏がそれぞれ講義を実施。CHROを目指す上で必要なこと、CHROとして大切なことなどをお話しいただきました。塾生からの質問も多く寄せられ、活発なやり取りが展開されました。
講義 / ワーク / ディスカッション
人事戦略策定のStep2:内部環境分析
自社の強みと課題を考え、あえてホラー・シナリオを描いてみる
第3回の課題は「自社のホラーシナリオを描いてみる」。自社の最悪の状態を考え、言語化するというものです。塾生が提出した資料からは、課題の深掘りの仕方の程度に差が生じていたため、有賀氏から指摘がありました。多くの塾生があらためて本課題を考えることになりましたが、このことをきっかけに、塾生の課題に対する取り組みがさらに熱を帯びたように感じられます。
第4回講義の様子
特別講義
曽山 哲人氏(株式会社サイバーエージェント 常務執行役員CHO)
曽山氏が、これまで取り組んできた事例を基に、CHROとして求められることを解説。質疑応答やディスカッションが頻繁に行われるスタイルにより、インタラクティブな学びの場を実現しました。第4回ということで塾生同士のコミュニケーションもとれており、非常に熱い学びの場となりました。
講義 / ワーク / ディスカッション
人事戦略策定のStep3:ビジョン設定
目指すもの/あるべき姿を定義する
前回深掘りできなかったと指摘があった「ホラーシナリオ」についてあらためて考えた上で、自社が目指すもの、あるべき姿を考えました。前回の課題を再考したことにより、自社の目指すものがより鮮明になった様子でした。
第5回講義の様子
特別講義
西田 政之氏(ジャパン・アクティベーション・キャピタル株式会社 チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサー)
講師による講義の最終回は、西田氏が登壇。CHROの役割の変化から始まり、これまでの具体的な取り組みなど、大変ボリュームのある内容でCHROとして何をするかを語っていただきました。塾生は次回のプレゼンテーションに向けて、大いに奮起することができたようです。
講義 / ワーク / ディスカッション
人事戦略策定のStep4:アクションプラン
施策をリストアップし、優先順やリソースについて検討する
次回のプレゼンテーションに向けて、いよいよ最後のグループディスカッションが行われました。具体的な施策をリストアップし、優先順やリソースを検討するという最終段階に突入です。塾生それぞれが最後の課題に向き合っており、講義以外の時間でも、有賀氏への質問やアドバイスの依頼が盛んに行われていたようです。最終プレゼンテーションを控えながらも、明るく議論し合う塾生の姿が印象的でした。
塾生による最終プレゼンテーション
第6回(最終回)では、塾生20名が「自社の人事戦略」についてプレゼンテーションを実施。自身が描く人事戦略を発表しました。「半年間かけて考えた自社の人事戦略を発表する」という、既存の人事向け講座にはない実践的なテーマ設定だったこともあり、その内容はリアルで聞き応えのあるものでした。いずれのプレゼンテーションも大変素晴らしく、半年間におよぶ学びの成果がうかがえました。
講師の有賀氏、武田氏、東氏、西田氏による講評も行われ、塾生20名は全カリキュラムを修了しました。
修了式を開催
塾生20名全員がすべてのカリキュラムを修了し、10月30日に修了式を開催。講師から塾生に修了証を授与したうえで、委員長の入山氏から祝辞が贈られました。半年間共に学んだ塾生同士の結びつきは強く、本塾修了後も素晴らしいネットワークが継続されることが期待されます。