有期契約について
当社は、就業規則上、満60歳の定年制それ以後は嘱託として1年毎の契約見直しで満63歳までの最雇用の道があります(2010年までに再雇用契約を結ぶ場合)。
現在58歳の方を正社員採用しようと考えておりますが、本人から
「定年後必ず再雇用されるとは限らないので、期間の定めのない契約ではなく、今から5年の有期契約にしてほしい」との申し出がありました。
上記を前提に質問いたします。
①有期契約期間は一部の職種及び60歳以上の場合を除いて3年以内が原則だと思いますが、このように労働者側から希望する場合には、いきなり5年の期間を定めてもよろしいのでしょうか。
②仮に上記でよいとした場合でも、契約期間1年を経過すれば、
やむを得ない事由の有無にかかわらず、労働者側から、期間途中の
一方的な契約解除はできる(退職の自由は確保されている)という理解でよろしいのでしょうか。
③上記のように5年の有期契約ではなく、期間の定めのない契約をし、当該労働者のみ定年を63歳とするという雇用契約を締結することは可能でしょうか。①ですと、使用者側にとって、有期契約のメリットはほとんどないと思われますので③の可能性を探っております。
上記ご教示いただきたく宜しくお願いいたします。
投稿日:2008/05/19 16:48 ID:QA-0012404
- *****さん
- 東京都/商社(専門)(企業規模 501~1000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
特定労働者との有期契約の制約と選択肢
■有期契約の期間規制変更は、使用者、労働者間の有利・不利の綱引きの歴史でしたので、ご相談の件も矢張り、利害調整の問題だと思います。
① 満60歳以上とは、有期労働契約を締結する時点での労働者の年齢ですから、本人からの申し出があっても、3年を上回る有期労働契約を締結することはできません。関連法規は使用者、労働者双方に拘束力を持ちます(労基14条)。
② 1年を超える労働契約の締結した労働者は、契約期間から1年後には、いつでも退職することができます(例外職種を除く)。
③ 労働者がある年齢に達すると、自動的に雇用関係が終了する定年制度は、就業規則に明記され、すべての労働者に一律適用されるシステムですから、特定の有期労働契約の終期に適用するには無理があります。(因みに、再雇用制度を採用していない場合の法定定年年齢は現在、既に、62歳になっています)
■以上の諸要件を勘案すると、本人、会社双方にとっての現実的な選択肢は
(A)会社の方針通り、正社員採用するが、定年後の再雇用については、雇用期間の長短により、他の社員と差別はしないことを契約書に明記する。
(B)法に基づく3年を上限とする有期契約を締結する。ただし、更新の有無については、下記から選択する。
① 自動的に更新する。
② 更新する場合があり得る。
③ 契約の更新はしない。
②を選択した場合には、判断の基準を明示しなければなりません。
投稿日:2008/05/20 14:28 ID:QA-0012414
相談者より
ご回答いただきまして有難うございました。疑問点がクリアになりました。
投稿日:2008/05/20 17:00 ID:QA-0034977大変参考になった
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