「管理職の実態調査2025」を実施
管理職の7割以上がAI活用。一方、約半数が『人材育成』に不安
AI時代に問われる「人が担うマネジメント」
「WILL(意志)を起点に、もっと“はたらく”を豊かに楽しむ社会を創る」をビジョンに掲げ、「組織」と「個人」の成長を支援する株式会社AtWILLは、250名の管理職を対象とした「管理職の実態調査2025」を実施しました。
本調査では、約7割がAIを活用する一方で、人材育成や部下支援に対して不安を抱える実態が明らかになりました。特に従業員100名以下の企業では、マネジメント研修を受講した経験がある人は全体の4割未満にとどまり、学習機会の格差が浮き彫りに。AI活用が進む今だからこそ、「人が人を育てる」マネジメント力を高める学習機会の提供が重要だと考えています。
調査サマリー
<AI活用の進展と世代差>
- 7割以上が、マネジメント業務でAIを活用。特に20〜30代の活用率が高い
- 活用範囲は多岐にわたり、AIが管理職の強力なサポートツールとなる可能性が示された
<依然として残る管理職の不安>
- 最も自信が持てない業務は「メンバーの育成・能力開発」
- 約7割がマネジメントにおける“迷い・葛藤”を実感。部下の育成や周囲がどう思うかを気にしていた
- 約9割が“協力や支援の不足”を感じており、「メンバー」「上司」のサポートを求める声が多かった
<学習機会の格差>
- 約8割が任用時に「マネジメント研修」を受講している一方、従業員100名以下の企業では受講率が4割未満にとどまり、企業規模による研修格差が浮き彫りとなった
調査の背景と目的
AI技術の急速な発展により業務効率化が進む一方で、管理職を取り巻く環境は働き方の多様化や価値観の変化、人材不足等により複雑さが増し、役割難度も高まっています。
また、「管理職になりたくない」という声が増える中、実際に管理職を担う人々がどのような課題や不安を抱え、何を必要としているのかを把握することが重要です。
本調査では、現在管理職(課長・マネジャー相当)を担っている方を対象に、マネジメントに対する自信や不安、充実感、学習機会の実態、AI活用状況など多角的に調査を行いました。
調査結果(一部抜粋)
管理職の74.4%がAIを活用。年齢により活用度に顕著な違い。
管理職の74.4%がAIを活用。活用度は年齢との相関が強く、積極的・定期的に活用している割合は20代89.3%に対し、50代以上8.0%と大きな差があり、若い人ほど習慣的にAIを活用していることがうかがえる。
活用範囲は、方針・戦略の壁打ち、目標・評価のドラフト作成、文書の作成・要約など多岐にわたる。
最大の不安は「人材育成」。約7割が迷い・葛藤を抱え、約9割が支援不足を実感。
マネジメント業務で最も自信がない領域は「メンバーの育成・能力開発」(48.4%)がトップとなり、続いて「組織の方針・戦略の設定」(46.8%)、「チームビルディング」(46.8%)、「メンバーの目標設定・管理」(45.2%)となった。
69.2%が「迷い・葛藤」を感じており、ベテラン管理職(マネジメント歴10年以上)も例外ではなかった。「部下への指導の仕方」や「周囲にどう思われているか」「判断が正しいのか」といった正解のないマネジメント業務に対して難しさを感じているコメントが見られた。
さらに、88.4%が「協力や支援の不足」を感じている。特に必要としているのは「メンバー」(43.2%)、「上司」(34.0%)であり、直属の関係における支援を求めていることが分かった。
AI活用が進む中でも、正解のないマネジメント業務の難しさは残り、特にメンバー一人ひとりと向き合う「人材育成」の領域は、依然として人が担うコアな領域であるといえる。
従業員規模による研修格差が顕著に。
「マネジメント研修」の受講率は100名以下の企業では37.1%に留まる。
「マネジメントを学ぶ機会(社内外問わず)」について確認したところ、任用時に「マネジメント研修」を受講したと回答した管理職は全体で76.0%であった。一方で、従業員規模別では大きな差が見られ、従業員100名以下の企業では研修受講率が37.1%にとどまる結果となった。
調査者コメント
今回の調査で印象的なのは、マネジメントでもAI活用が進み、意思決定や説明責任を下支えする役割として機能しているという点です。一方で、経験を積んでも正解のないマネジメント業務において難しさは残り、特にメンバーに向き合い成長を支援するプロセスは、人が担うべき重要な領域だと考えられます。
調査では、管理職の多くが不安や周囲の支援不足を感じているという結果となり、周囲のサポートや学習機会の提供など、管理職が一人で抱え込まない環境づくりが必要なことがうかがえます。特に、100名以下の企業では個人に依存する構造になりやすいため、環境整備は優先度が高い課題といえます。
また、追加で着目したいことは管理職のポジティブな声です。昨今、「管理職になりたくない」という層の増加が指摘されていますが、管理職ならではの影響力の拡大により、プレイヤー時代よりも充実度が高まったと回答した管理職が約6割でした。
このような実態が広く認知されることで、管理職が前向きなキャリアの選択肢として捉えられ、事業と人材育成を力強く牽引する人材が増えることを期待します。
約6割はプレイヤー時代よりも充実。
報酬以上に責任や・業務の広がり、メンバーの成長がやりがいに。
56.8%がプレイヤー時代よりも充実していると回答。その理由として、「責任・権限の範囲」(60.6%)、「業務の多様性」(43.0%)、「メンバーの成長」(40.1%)があげられた。
報酬面よりも、管理職ならでは影響力の拡大が仕事の充実度に繋がっているといえる。
調査概要
調査期間:2025年8月13日〜17日
調査対象:管理職(課長・マネジャー相当)
有効回答数:250名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査主体:自社調べ
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社AtWILL /2025年10月28日発表・同社プレスリリースより転載)
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