五輪、災害対策で需要急増!
ボランティア休暇制度
導入の手順と留意点
2.導入事例
厚生労働省やボランティアを促進する団体等からボランティア休暇の導入事例が紹介されていますので、図表1にまとめてみました。
【図表1】ボランティア休暇の導入事例
A社 | B社 | C社 | D社 | |
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業種 | 建設業 | 製造業 | 製造業 | 情報通信業 |
従業員 | およそ20名 | およそ50名 | およそ7,000名 | およそ150名 |
有休取得率 | 78.30% | 44% | 50.70% | 60% |
目的 |
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対象者の条件 | ― | ― | ― | ― |
利用基準 |
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日数 |
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賃金 | 有休 | 有休 | ― | 給与補填あり |
申請 |
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E社 | F社 | G社 | H社 | |
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業種 | 金融・保険業 | 電気・ガス・熱・水道業 | 繊維製品 | 金融機関 |
従業員数 | およそ600名 | およそ13,000名 | およそ800人 | およそ1,100人 |
有休取得率 | 50.10% | 80.50% | 50%未満 | ― |
目的 |
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対象者の条件 | 勤続2年未満の職員は対象外 | ― | 勤続2年以上の社員 | 社員 |
利用基準 |
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日数 |
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賃金 | ― | 法定外の特別休暇 | 有給 | 有給 |
申請 |
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●ボランティア休暇制度 導入事例集 2017(厚生労働省)
●平成26年度 文部科学省「スポーツにおけるボランティア活動活性化のための調査研究」報告書「企業のボランティア休暇制度に関する調査」笹川スポーツ財団
紹介されている導入企業は先進的に制度を導入しているモデル企業のため、導入の目的はボランティア活動の促進、社会貢献活動の促進が中心となっています。休暇の対象となるボランティア活動は、消防団の活動等の地域に密着したボランティア活動やスポーツボランティア活動、海外ボランティア活動など、対象となる活動を明確にしている企業が多くみられました。
また、社員のボランティア活動を促進するために休暇制度を導入しているので、想定しているボランティア活動に必要な日数を付与し、賃金も支給する例が多くなっています。ただし、今後、導入する企業の場合は、東京五輪のボランティアなど対象者も利用する休暇日数も多くなることが想定されますので、賃金の支給や業務への支障を考慮して制度内容を決めていく必要があるでしょう。
導入企業全般をみると、導入の目的は次のように分類されます。
①会社が社員に社会貢献活動を推進するために導入
②社員がボランティア活動をするのを支援するために導入
③社員の福利厚生の充実のために導入(社員が人生や生活を充実させる機会を得るための休暇)
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。