どうなる? 今年のパート時給
岸川 宏(きしかわ・ひろし)
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募集時平均時給を職種別に集計してみた。平成26年に関東で対前年比が高かった職種は、警備員などの「保安職業」が3.3%増の968.4円、ドライバーなどの「運輸・通信従事者」が1.8%増の996.5円、「事務員」が1.5%増の924.9円、飲食店員などの「サービス職」が1.3%増の902.3円となった。一方、関西では「保安職業」が5.5%増で910.4円、「製造・建設・労務」が1.9%増の873.6円、「販売員」が1.8%増の859.9円となった(表3)。
これらの職種の多くは、平成25年以降の有効求人倍率も高い水準となっており、特に「販売」「サービス」「保安」「輸送」においては、1.8倍を超える水準が続いている。
この動きは今年に入っても続き、1月、2月ともに平成26年、25年の同月よりも大きく上回る状況となってる。これらの職種は引き続き採用が難しい状況が続いていて、時給引き上げ要因は依然として高いものがある(表4)。
しかし、これらの職種を多く採用する業界によっては、これ以上の時給引き上げが難しい状況にあり最低賃金と同額という場合も少なくない。労働契約法改正や、社会保険適用拡大の動きを背景に、限定正社員化の動き等もみられる。人材確保に関する工夫がより求められてきているようだ。
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●文/岸川 宏(きしかわ・ひろし)
アイデム人と仕事研究所 所長
【担当分野】労働関連法。賃金統計・アンケート調査等の作成、分析。[社会保険労務士]
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