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信頼できる法律・書式Webデータベースで効率アップ 総務法務・人事労務・経理税務の「どうすればいい?」を解消

「法律ではどうなっている?」「届出・申請はどう書けばいい?」「最新の通達はどうなっている?」など、業務において「どうすればいい?」と迷う場面は多い。そんなときは、周辺の人に聞いたり、Webで調べることが多いだろう。しかし、たとえ答えを見つけても「この情報は本当に信頼できるか」「この情報は古いのではないか」と、不安が消えることはない。専門家に聞ければよいが、毎回相談料を払っていては高額になる。専門家に聞く前に、ちょっと調べておきたい、理解しておきたい。そんなときに頼れるのは、いつでも調べられて、情報に信頼性があり、確実に最新情報に更新されているデータベースだ。第一法規は、Webデータベース『こんなときどうするネット 会社の法律Q&A』『こんなときどうするネット 会社で使える書式と文例』『D1-Law.com corporate edition 企業関係法令・通達データベース』を提供している。内容は弁護士を始めエキスパートによる執筆・監修であり、常に最新情報に更新。本コーナーでは、その中からQ&Aの一部をご紹介する。安心して頼れるデータベースを活用し、業務を効率化しよう。

テーマ1
マイナンバー制度がもたらすものとは?

個人や法人に番号を割り振る番号法を含むマイナンバー関連4法が平成25年5月に国会で成立しました。このうち、番号法及び整備法は原則として公布日(平成25年5月31日)から3年以内に施行されることとされており、施行後に個人番号及び法人番号の通知がなされ、平成28年1月から個人番号と法人番号の利用が開始される予定と聞いています。マイナンバー制度が導入されることにより私たちの生活はどのように変わるのでしょうか。
アメリカに一定期間滞在したことがある方はご存じだと思いますが、アメリカには社会保障番号(Social Security Number)制度が古くからあり、納税や社会保障のみならず、銀行口座の開設、クレジットカードの取得等生活のあらゆる場面で番号の提示が求められます。現地で暮らしていると国民が当たり前のように使い、機能しているように見える制度ですが、日本においては導入への抵抗感が根強く、何度となく頓挫した経緯があります。このように活用範囲は広いのですが、検討すべき課題も多いようです。

<解説1>マイナンバー制度導入のメリットとデメリット

では、導入された場合のメリットとは何でしょうか。社会保障面においては、健康記録を一元管理することによって個人の病歴、アレルギー、介護などの情報を医療機関相互で照会することが可能となり、救命率の向上につながることも考えられます。税務当局にとっては個人の収入を一つの番号で管理することによって所得の把握が効率的になる、また納税者サイドにとっては確定申告時に源泉徴収票や医療費明細などの書類の添付を省略できるなど納税事務が簡素化されるといったことが挙げられます。

情報システム特需が期待される一方で、懸念されているのがプライバシーの侵害、個人情報の漏洩によるさまざまな弊害です。番号をキーにして、個人の生活状況、犯罪歴、破産歴、病歴、所得、趣味・嗜好などの情報の収集が容易になり、これが悪用されないとも限りません。情報の保護については第三者機関を設けて厳しくチェックするとのことですが、名だたる企業による相次ぐ情報漏洩事件を見ていても、それが「絶対的」に安心できるとは言い難いでしょう。アメリカでは成りすましによる犯罪も多発しているといいます。国民が高い代償を払うはめにならぬように、慎重に議論を重ねる必要がありそうです。

<解説2>税の分野などで予定されている利用範囲

平成27年10月からはマイナンバーが記載された通知カードの送付が開始されます。そのマイナンバーカードには12桁の番号と、氏名、住所、生年月日、性別などが記載されています。法人にも「法人番号」が送付されます。

最初から利用範囲を広げると、不測の事態が起こる可能性もあります。当初の利用範囲は、(1)社会保障分野(年金、労働、福祉、医療、その他)、(2)税分野(国税、地方税)、(3)防災分野に限られています。このように限定されたのは、個人情報の国家管理への懸念や、個人情報の漏洩・不正利用、個人財産への被害が懸念されたためです。

現在、税務の分野でマイナンバーの記載が予定されている書類、調書の内容は広く、平成28年1月のマイナンバー利用開始以降の企業の経理課や会計事務所の当初の事務負担はかなり膨大なものになると予想されます。

具体的に、次の書類にそれぞれの関係者のマイナンバーを記載することが求められます。税務署に確定申告書を提出する本人、控除対象配偶者及び扶養親族、青色・白色事業専従者、法定調書の提出義務者、法定調書の受領の対象者、例えば生命保険契約の契約者、報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書や、不動産の使用料等の支払調書などです。また、金融機関から金融商品を購入する際にもマイナンバーで管理されることになります。

現在調書として把握されている海外送金、海外資産等の情報がこれに集約され、内外の所得の捕捉が急速に高まっていくであろうことが予測できます。

テーマ2
仕事の自宅への持ち帰りは時間外労働と認められるか

社員に対し、翌日午後1時までにある資料を作るように命じたところ、その社員は期限までに資料を作成したのですが、後になって自宅で2時間仕事をしたので、その分の残業代を支払って欲しいと言ってきました。その社員は作業を命じた当日の夜に友人との会食の約束があったため、会社で残業せずに友人との会食を終えた後、自宅のパソコンで資料を作成し、会社の自分のパソコンにメールで送ったようです。このような場合、残業代を支払わなければならないのでしょうか。
時間外労働が認められるためには、使用者が明示的または黙示的に時間外労働の指示命令を出したことが必要です。本件では社員に対して、明示的に自宅で時間外労働を行うように指示命令していませんので、黙示の指示命令があったかが問題となります。当該作業が残業しなくとも所定労働時間内で処理できるものであれば、黙示の残業指示があったとは言えないでしょう。

反対に当該作業が残業しなければ処理できないものであれば、黙示の残業指示があったとみられる可能性があります。その際、当該会社がそれまで自宅に仕事を持ち帰ることを明示または黙示に容認していたかがポイントとなります。自宅への仕事の持ち帰りを禁じていれば、自宅での時間外労働を認められることはないでしょうが、自宅での仕事を容認している事実があれば、自宅での時間外労働が認められる可能性もあります。

<解説1>時間外労働

使用者は、労働者の過半数を代表する者との間で協定(いわゆる36協定)を行うことにより労働者に対して時間外労働を命ずることができます(労基法36条)。 使用者が労働者に時間外労働をさせた場合には、時間外労働部分については割増賃金を支払わなければなりません(労基法37条)。

時間外労働については通常、就業規則や36協定において、「時間外労働を命ずることができる」旨の規定を定めています。このような規定の下では、労働者は使用者から時間外労働を命ぜられない限り、時間外労働をする義務もありませんし、また、勝手に時間外労働してはなりません。

<解説2>時間外労働の実態

時間外労働の実行は使用者の指示命令に基づくと言っても、終業時刻に必ず仕事を終えることを労働者に徹底している職場は必ずしも多くなく、むしろ、各労働者の業務処理の関係で一定程度の時間外労働を容認している例も少なくありません。

そのような職場においては、時間外労働は具体的な指示命令に基づいて行われているのではなく、労働者の自主的な判断で行われています。使用者も業務処理を優先して、厳密に時間外労働を管理していない実態があります。このような労働時間管理のあいまいさがサービス残業を生む一つの背景となっています。

<解説3>労働時間管理の重要性

労働時間については、使用者が適切に管理する責務を有しています。従来からタイムレコーダーを導入していても、労働時間の把握については自己申告制を採用している例が多く、この自主申告制の不適正な運用によりサービス残業や過重労働が生まれてきました。

このような現状を踏まえて、監督当局は使用者に対して自らの責任において労働時間の把握に努めるよう求めています(平成13年4月6日通達「労働時間の適正な把握の為に使用者が講ずべき措置に関する基準について」)。

<解説4>労働時間の意義

労働時間とは、「労働者が使用者の指揮監督下に置かれている時間」とされています。労働者が使用者の指揮監督下に置かれていれば、現実に仕事をしているか否か、また、事業所の内か外かは問いません。ただ、事業所において会社の業務に関わることを行っていれば、「使用者の指揮監督下に置かれている」と判断しやすいと思われます。

<解説5>持ち帰り残業

持ち帰り残業とは、仕事を自宅に持ち帰って行うことを一般的に言います。使用者が労働者に対して、自宅で仕事を行うことを命じていれば、持ち帰り残業が時間外労働に該当するのは明白ですが、通常使用者は労働者に「自宅で仕事をしなさい」とは言いません。

また、自宅での労働について、労働時間管理の困難さも考え合わせると、持ち帰り残業を時間外労働と認めることは一般的には困難でしょう。しかし、使用者による時間外労働の指示命令については、明示の指示だけでなく、黙示の指示も実務上認められていますので、以下のような事実があれば、黙示の時間外労働の指示があったものと認められる可能性があります。

  1. 使用者が時間外労働について労働者の自主的な判断を容認していたこと
  2. 使用者が労働者に指示した作業の内容が時間外労働を行わなければ処理できないような内容であったこと
  3. 自宅で行っていた作業が会社の業務であること

ただ、自宅で労働者が仕事を行うことは、当該労働者の労働管理面、会社の情報管理面からいって決して望ましいことではありません。

<解説6>事例について

この事例は、翌日午後1時までの資料作成を命じられた社員が自宅で作業を行い、自宅での作業分について残業代を支払って欲しいと申し入れてきたというものです。当該作業が残業しなくとも所定労働時間内で処理できるものであれば、黙示の残業指示があったとは言えないでしょう。

反対に、当該作業が残業しなければ処理できないものであれば、黙示の残業指示があったとみられる可能性があります。その際、当該会社がそれまで自宅に仕事を持ち帰ることを明示または黙示に容認していたかがポイントとなります。自宅への仕事の持ち帰りを禁じていれば、自宅での時間外労働を認められることはないでしょうが、自宅での仕事を容認している事実があれば、自宅での時間外労働が認められる可能性もあります。労災補償における業務起因性を認定するに当たり、会社の業務マニュアルを自宅に持ち帰って学習していた行為につき業務性を認めた裁判例もあります。

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