40~50代の転職も増加中転職経験者も多いが…… ベテランの転職サポートに必要な配慮
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求められるアウトプレースメント的ノウハウ
40代、50代の人材を紹介する際の難しさは他にもいろいろとあるが、その中ですり合わせが難しい問題の一つが年収だろう。勤続年数が長いベテラン人材には、年収が高額だった人も少なくない。近年は現状維持以上を提示する求人も増えてきたとはいえ、少し下がってしまうケースの方が多いのも実情だ。

こうした問題に対処するノウハウを豊富に持っているのが、日本ではバブル崩壊後の1990年代に知られるようになった「アウトプレースメント会社」だ。もともとリストラを行う大企業が社員の再雇用支援を依頼する会社であり、ベテラン社員への気配りは、重要な仕事の一つだ。
とりわけ、1990年代にリストラの対象になった人たちは、終身雇用制の時代に入社して会社一筋で頑張ってきた世代。「なぜ自分がリストラされなくてはいけないのか」「今までの自分の人生は何だったのか」。そういった悩みや苦しみに寄り添いながら、新しい職場で生きがいを再発見するサポートを行うのがアウトプレースメント会社の仕事だった。転職に伴うカルチャーショックへの対応、プライドにこだわらない考え方の指南、人生設計も含めた年収格差のすり合わせなどについても、粘り強く行っていたと聞く。
しかし、一般的な人材紹介会社には、そういった特別なノウハウを持つところは少ない。近年、ベテラン人材への求人は増えてきたといっても、基本的には若手・中堅人材と同じ対応になってしまう。救いは現在のベテラン人材は転職や中途採用が一般的になった時代を経験していることだろう。
「実は私も過去に二度、転職を経験していましてね。前回を最後にしたいと思っていたのですが、また人材会社さんにお世話になることになってしまいました」
笑いながらこう話してくれるような方でも、ベテランになって若手・中堅時代より対応力、順応力が落ちているケースもあるので気は抜けない。介護などでストレスがたまっていて、小さいことがとても気になる、ということもあるだろう。
「これからの人材紹介には、アウトプレースメント会社が持っているような、ベテラン人材をケアするノウハウが求められるのかもしれないな」
経験豊富な人材の転職相談に乗る時には、ふと、そう考えてしまうのである。
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