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人事マネジメント「解体新書」

多様な働き方が求められる時代、注目される“限定正社員”
~具体的事例にみる制度の特徴と、運用面での工夫【後編】 (1/3ページ)

2014/8/25
『前編』では、「限定正社員」が求められる背景と、その雇用管理のあり方について見てきた。では、実際の企業の現場はどのような状況なのか? また、問題や課題に対してどのように取り組んでいるのか? 『後編』では、「限定正社員」を活用していく上で、制度運用に工夫を凝らしている企業の事例を紹介していく。
「正社員転換制度」の実情
◆「限定正社員」志向は増加傾向にあるものの、転換実績はまだ十分ではない

事例紹介に入る前に、「限定正社員」の現状を見てみることにしよう。厚生労働省の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」をみると、ここ10年あまりの間、契約社員、パートタイム労働者、派遣労働者など非正規雇用の労働者のうち、「正社員になりたい者」の割合は、1999年の11.2%から、2003年19.4%、2007年22.5%、2010年22.3%と増加傾向にある。非正社員が「限定正社員」を志向する割合は、確実に増えつつあることがわかる。

このような働く人の意向に対して、受け入れ側の企業の状況はどうなっているのか。厚生労働省が実施した有期契約労働者やパートタイム労働者、派遣労働者などに対する調査結果をみると、これら非正規雇用の労働者に対して、正社員転換制度を導入している事業所は、有期契約労働者(52.0%)、パートタイム労働者(45.8%)については約半数を占めているが、雇用関係にない派遣労働者は12.7%と1割程度であった。

そして、正社員転換制度を導入している事業所のうち、実際に正社員転換の実績があるのは有期契約労働者42.9%、派遣労働者37.8%と4割程度となっている(残念ながら、パートタイム労働者に関しては実績を把握していない)。

これらの結果を見ると、正社員転換制度の導入割合、転換実績ともまだ十分とは言える状況ではない。しばらくは他社の状況を見て、導入を検討するという企業が多いと思われる。しかし、『前編』でも見たように、労働力不足が本格化する今後、人材確保・定着の手段として「限定正社員」を考えている企業は過半数を占めている。多様な働き方を進めるためにも、正社員転換制度を推し進め、「限定正社員」を導入していく動きは、今後、活発化していくのではないだろうか。次に、「限定正社員」を導入している企業事例を見ていくことにしよう。

■図表1:非正規雇用の労働者のうち「正社員になりたい者」の割合(%)
  1999年 2003年 2007年 2010年
全体 11.2 19.4 22.5 22.3
契約社員 19.0 29.5 39.0 43.1
臨時的雇用者 18.0 15.0 20.2 14.2
パートタイム労働者 6.8 17.4 16.8 16.5
派遣労働者 20.2 27.5 39.5 44.0
その他 14.1 27.3 29.7 30.9
出所:「就業形態の多様化に関する総合実態調査」(厚生労働省)
■図表2:「正社員転換制度」を導入している事業所の割合(%)
  ある なし 不明
有期契約労働者 52.0 43.0 5.0
パートタイム労働者 45.8 50.3 3.9
派遣労働者 12.7 86.5 0.8
出所:「2011年有期労働契約に関する実態調査」「2011年パートタイム労働者総合実態調査」「2008年派遣労働者実態調査」
(厚生労働省)
■図表3:「正社員転換制度」を導入している事業所のうち、実際に正社員転換の実績がある事業所の割合(%)
  ある ない 不明
有期契約労働者 42.9 39.8 17.4
派遣労働者 37.8 62.2 0.0
出所:「2011年有期労働契約に関する実態調査」「2008年派遣労働者実態調査」(厚生労働省)


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