管理職を対象にした、副業・複業に関する調査(2018年・2021年比較)
Adecco Group
上場企業に勤務する30代から50代の管理職(部長職・課長職)510名を対象に「副業・複業※1に関するアンケート調査」を実施しました。本調査は、2018年にも同条件の対象者に実施しており、経年による意識の変化についても比較分析しています。
※1 本調査では、副業を「本業の合間に行うサブ的な仕事」、複業を「複数の仕事をすべて本業として行うこと(兼業)」と定義しています。
Q1.勤務先で「副業・複業」は許可されているか(n=510、単一回答)
勤務先での「副業・複業」の許可:約4割以上の企業で「副業・複業」が認められている。2018年より15ポイントアップ
上場企業に勤務する30代から50代の管理職(部長職・課長職)510名を対象に勤務先での「副業・複業が認められているか」について聞いたところ、「認めており、推進している」(8.0%)、「認めている」(29.2%)で、合わせて37.2%と約4割の企業で認められていることがわかりました。これは、2018年の22.8%よりも14.4ポイント高い数値で、企業の「副業・複業」に対する許容度が3年間で高まった一方で、「禁止している」という回答が51.8%あり、依然として半数以上では禁止されている現状がわかりました。
また、「認めており、推進している」または「認めている」と回答した190名を対象に、認められた時期について質問したところ、2020年1月以降が53.2%となり、コロナ禍により働き方の多様性の高まりとともに「副業・複業」への許容度が高まったことがうかがえます。
Q2.勤務先で副業・複業が認められている理由(n=190、複数選択)
企業で副業・複業が認められている理由:2021年1位「本人のスキルアップにつながるから」、2018年との比較では長期的な視点でのメリットが上昇傾向に
勤務先で自社の社員に対する副業・複業を「認めており、推進している」、「認めている」と回答した管理職190人に対し、「副業・複業が認められている理由」について質問したところ、2021年では「本人のスキルアップにつながるから」が1位になりました。また、2位には「イノベーションや新規事業の創出につながるから」が上がっており、これは2018年では6位に位置していたもので、もっとも順位の上昇が大きな項目でした。
2018年と比較すると2021年は、より長期的な視点によるメリットが上位に上がってきており、副業・複業に対する期待感にも変化が表れてきたことがわかります。
Q3.今後、副業・複業を許可することが検討されているか(n=338、単一回答)
将来的に社員に副業・複業を認めることを検討している:2割以下にとどまる
勤務先で、自社の社員に対する副業・複業を「禁止している」と回答した管理職338人に対し、「勤務先では、自社の社員に副業・複業を将来的に認めることを検討しているか」について質問したところ、「認める方向で検討中」が2.7%、「一定の懸念が解消されれば、認めることを検討する」が14.4%で、ポジティブな検討をしていると回答した人は17.1%にとどまりました。
Q4.「副業・複業」が日本で広がると思うか(n=510、単一回答)
今後、「副業・複業」が日本で広がる:7割以上が広がると予想
管理職510名へ「今後、日本では副業・複業が広がると思うか」を聞いたところ、「広がると思う」(29.4%)、「どちらかというと広がると思う」(43.5%)で、7割以上の人がより「副業・複業」という働くスタイルが国内でも広がっていくことを予想していることがわかりました。
調査結果まとめ
- 勤務先での「副業・複業」の許可: 約4割以上の企業で「副業・複業」が認められている。2018年より15ポイントアップ一方で、半数以上がいまだに「副業・複業」認めず
- 企業で副業・複業が認められている理由: 2021年1位「本人のスキルアップにつながるから」、2018年1位「禁止する理由がないから」、2位に「イノベーションの促進」。長期的な視点でのメリットが上昇傾向に
- 現在、「副業・複業」を禁止している企業で将来的に認めることを検討している: 2割以下にとどまる
- 今後、「副業・複業」の日本での広がりについて: 7割以上の管理職が広がると予想
【調査概要】
調査対象:上場企業に勤務する30代から50代の管理職(部長職・課長職)
サンプル: 510名
調査方法 :
インターネット調査
実施時期 :
2021年9月9日~13日
※回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合があります。
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