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【ヨミ】ガラスノテンジョウ ガラスの天井

「ガラスの天井」とは、英語の「グラスシーリング」(glass ceiling)の訳で、組織内で昇進に値する人材が、性別や人種などを理由に低い地位に甘んじることを強いられている不当な状態を、キャリアアップを阻む“見えない天井”になぞらえた比喩表現です。もっぱら女性の能力開発を妨げ、企業における上級管理職への昇進や意思決定の場への登用を阻害する要因について用いられることが多く、ガラスの天井の解消を図ることが、職場における男女平等参画を実現する上で重要な課題となっています。
(2013/1/11掲載)

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ガラスの天井のケーススタディ

日本の女性管理職の比率は先進国で最低
“上”を目指す前にキャリアを離脱

ガラスの天井」(グラスシーリング)という言葉が、自由・平等の国アメリカで女性のキャリアパスを阻む見えざる障害を意味する用語として流布し始めたのは、1980年代後半でした。91年にはアメリカ連邦政府労働省がこの表現を公的に使用し、女性やマイノリティーの組織内での昇進がガラスの天井によって妨げられていることを認めています。

日本ではキャリアパスにおける男女格差を改善するために、1986年に男女雇用機会均等法が施行されました。99年4月施行の改正法で募集・採用、配置・昇進、教育訓練での差別に対する努力義務が禁止規定に、ポジティブ・アクション(積極的改善措置)も認められ、2007年4月施行の改正法では間接差別禁止の規定が入りました。こうして法の上では平等が保障され、各企業においてもいまや昇進・昇格に関わる制度やルールに男女の制限はほぼありません。ところが、能力さえあれば誰でも“上”を目指せる条件が整っているようにみえて、実際の職場環境にはまだそれを阻む周囲の無理解や偏見、女性への配慮に欠ける労働慣行などが残されているのも事実です。

日本の働く女性が痛感する見えない天井の実態は、データにはっきりと表れています。厚生労働省がまとめた2011年度の「雇用均等基本調査」によると、係長相当職以上の管理職に占める女性の割合は8.7%で、前回09年度調査時の8.0%より0.7ポイント上昇し、過去最高を更新しました。役職別では部長相当職が4.5%、課長相当職が5.5%、係長相当職が11.9%となり、それぞれ前回調査時の3.1%、5.0%、11.1%を上回っています。しかし他の先進国と比較すると、その差は歴然。管理職の定義や範囲は国ごとに異なり直接的な比較は難しいのですが、ILO(国際労働機関)の08年の統計によると、女性管理職の割合はアメリカが42.7%、ドイツ37.8%、イギリス34.6%で、他国と比べて日本が格段に低い水準にあることがわかります。

原因は何か――前述の「雇用均等基本調査」では、女性管理職が少ないかあるいは誰もいない企業に対して、その理由を質問しています。最も多い理由は、「現時点では必要な知識や経験、判断力等を有する女性がいない」で54.2%。以下、「将来管理職に就く可能性のある女性はいるが、現在、管理職に就くための在職年数等を満たしている人材がいない」(22.2%)「勤続年数が短く、管理職になるまでに退職する」(19.6%)の順でした。日本の企業社会では、昇進・昇格の際にガラスの天井にぶつかるというよりも、それ以前に結婚や出産・育児などが原因でキャリアパスから離脱せざるを得ない女性が多いことが、女性の管理職登用を妨げているようです。

女性の積極活用は男女平等の観点から語られがちでしたが、近年は競争力強化の面でも欠かせないとの意見が増えつつあります。そもそも日本の全就業者に占める女性の比率は40%余りで、欧米と比べて遜色ありません。その中からリーダーになる人材をどう育成していくか。自民党は大勝した先の衆院選の公約で、「指導的な立場につく女性の比率を2020年までに30%にする」と謳っており、今後の動向が注目されます。

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