東証第1部上場企業の2021年年末賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
~全産業208社ベースで71万5553円、対前年同期比-1.9%と、19年以降3年連続のダウンとなる~
労務行政研究所
民間調査機関の一般財団法人労務行政研究所では、東証第1部上場企業208社を対象に、「夏冬型」の年間協定ですでに決定している年末賞与・一時金の妥結水準を調査・集計した(2021年9月13日現在)。
(1)平均金額
全産業208社の平均で71万5553円、対前年同期比で−1.9%となった。産業別に見ると、製造業は同−3.1%、非製造業は同3.5%と傾向が分かれた[図表1]。同時期(各年9月)集計で見た過去4年の増減幅は、18年3.9%→19年−0.1%→20年−3.2%→21年−1.9%で、3年連続のマイナスとなった[図表2~3]。
(2)平均月数
全産業203社の平均で2.34ヵ月[図表4]。同⼀企業で見た場合、前年同期(2.40ヵ月)を0.06ヵ月下回った。最低月数は0.75ヵ月(前年同期1.00ヵ月)、最高月数は3.37ヵ月(同4.53 ヵ月)と、ともに前年同期を下回る。
調査結果
2021年夏季賞与・一時金の支給水準
「2021年夏冬型年間協定ですでに決まっている年末一時金」の支給水準は、東証第1部上場企業の全産業ベース(208社、単純平均)で71万5553円[図表1]。同一企業で見た前年の妥結実績(72万9524円)と比較すると、金額で1万3971円減、対前年同期比で−1.9%と、2020年の−3.2%からマイナス幅は縮小した[図表1~3]。
年末賞与・一時金妥結額の推移
近年の推移を見ると、2014 年に大手企業を中心とした業績改善を背景として4.6%とプラスに転じ、2015年3.7%、2016年1.1%と3 年連続で増加した。しかし、2017年に−0.1%と小幅ながら減少し、2018年は3.9%と再び増加したが、以降、2019年−0.1%、2020年−3.2%、2021年−1.9%と、3年連続のダウンとなった。
2021年年末賞与・一時金の支給月数
平均月数は、集計社数203社の平均で2.34ヵ月となり、同一企業で見た場合の前年同期(2.40ヵ月)から0.06ヵ月の減少となった。
なお、個別企業の状況を見ると、月数の最高は3.37ヵ月(前年同期4.53ヵ月)、最低は0.75ヵ月(同1.00ヵ月)と、ともに前年同期を下回っている。
1.調査対象
東証第1部上場企業(2021年9月30日現在で2174社)のうち、原則として労働組合が主要な単産に加盟している企業。持ち株会社が東証第1部上場企業の場合、その主要子会社は調査対象とした。なお、図表中の「商業」は卸売業、⼩売業。「情報・通信」には、IT関係のほか、新聞、出版、放送を含む。[図表1、4]の業種分類は、東洋経済新報社『会社四季報』をベースとしている
2.集計社数
2021年春季交渉時、もしくは同年夏季交渉時に、“夏冬型”年間協定により、すでに2021年年末賞与・⼀時金を決定している企業(組合)で、当研究所が結果を把握し得た208社(月数集計は203社)
3.集計対象範囲
「2021年年末」「2021年夏季」「2020年年末」の三者の金額または月数が把握できた企業。原則、組合員1人当たり平均(⼀部の年齢ポイント、標準労働者、全従業員平均による妥結額・月数も集計に含む)
4.集計方法
単純平均(=各社の1人当たり平均を単純に足し上げ、集計社数で除した)。年間協定で、妥結額が年間総額しか把握できない企業については、前年実績を基に夏冬の配分を試算し、集計に含めた
5.調査時期
2021年3月17日~9月13日
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