2016学生の傾向は?
古橋 孝美(ふるはし たかみ)
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就活準備は万全!?
では、実際に今年の学生の動きはどのようになっているのでしょうか。本調査では、就職活動の準備・対策として行なっているものを聞いています。2016年卒採用は2015年3月1日解禁ですので、2014年11月1日に実施した本調査は、実質、解禁4ヶ月前の状況です。最も回答を集めたのは、「就活ナビサイトへの登録」で85.2%。次いで、「学校/キャリアセンターの就職ガイダンス・セミナーへの参加」が57.4%となっています。
本調査を「2015年卒業予定者の就職活動に関する調査(2013年10月末状況)」の結果と比較してみると、2015年卒学生と2016年卒学生の就職活動に対する準備・対策の傾向に明らかに違いが現れています。特に、下記の4つに関しては、今年の学生の方が準備・対策が大幅に進んでいる様子が見て取れました。
- 就活ナビサイトへの登録/67.4%→85.2%(17.8ポイント増)
- インターンシップ/22.7%→44.5% (21.8ポイント増)
- 複数企業合同の説明会・セミナーへの参加/13.6%→22.3%(8.7ポイント増)
- 個別企業の説明会・セミナーへの参加/6.6%→17.6%(11ポイント増)
2015年卒学生の就職活動解禁は12月1日であり、解禁約1ヵ月前、いわば就職活動が本格化する直前の調査です。一方、2016年卒学生は就職活動解禁までまだ4ヵ月ある11月時点の調査であるにもかかわらず、昨年よりも回答が増加しており、昨年とは明らかに状況が異なっています。というのも、今年は採用活動期間が実質短期化されるため、企業も学生に自社を理解してもらったり、アピールする期間が短くなることが懸念されました。そのため、インターンシップや企業セミナーなど、学生に接して情報提供を行う機会を持った企業も多かったようです。その結果として、学生側もインターンシップや企業セミナーへの参加者が例年よりも多くなったと考えられます。
2016年卒学生の多くは、インターンシップや企業セミナーに参加することで、会社や業界のしくみ、実際の就業イメージなど、本来なら就職活動解禁後に得るであろう情報を既に得ています。これらの情報が、業界や企業選定の際にふんだんに活かされることは、想像に難くありません。就職活動スタート時点で企業を見る目が肥えていることも、2016年卒学生の特徴です。
2016年3月卒業予定者の就職活動に関する調査(2014年11月1日状況)
調査対象:2016年3月卒業予定で、民間企業への就職を希望している大学3年生・大学院1年生 有効回答者:445名 調査期間:2014年11月1日~9日 ※2016就活最新の調査結果はこちらから
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●文/古橋 孝美(ふるはし たかみ)
2007年、株式会社アイデム入社。求人広告の営業職として、人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動し、毎年パートタイマー白書の企画・調査・発行をトータルで手がける。2012年、新卒採用・就職活動に関する調査等のプロジェクトを立ち上げ、年間約15本の調査の企画・進行管理を行う。2015年出産に伴い休職、2016年復職。引き続き、雇用の現状や今後の課題について調査を進める一方、Webサイトの記事・コンテンツ制作、顧客向け販促資料などの編集業務も行っている。
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