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人事の解説と実例Q&A 掲載日:2023/03/10

月の総労働時間の上限

働き方改革関連法施行に伴い、2023年4月以降は中小企業において、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%以上に引き上げられます(大企業は引き上げ済み)。長時間労働はこれまで以上に減らしていかなければなりません。

1ヵ月の総労働時間は月によって異なるため、従業員の労働時間の管理が重要です。本記事では、時間外労働の上限規制について確認するとともに、月の所定労働日数も考慮した総労働時間の上限について解説します。

原則的な労働時間と時間外労働の上限規制

労働基準法における原則的な労働時間を超えて従業員を働かせることがある場合は、「時間外労働・休日労働に関する協定書(36協定)」を締結し、その内容を労働基準監督署に届け出なければなりません。

原則的な労働時間(法定労働時間)

労働基準法に定める労働時間の原則は1日8時間・1週40時間です。これを法定労働時間と呼びます。また、法律で定められた休日は法定休日と呼ばれ、原則として1週間に1日設けることが定められています。

従業員が法定労働時間を超えて働く場合や法定休日に働く場合は、36協定の締結が必要です。企業は、労働者の過半数を占める労働組合や労働者の中から民主的な方法で選出した労働者代表と36協定を締結し、その内容を労働基準監督署に届け出なければなりません。

時間外労働が発生する可能性が少しでもあるなら、36協定の締結と届出が必要です。締結・届出のどちらかが欠けていれば、時間外労働をさせることはできません。締結と届出なしに1分でも時間外労働が発生すれば、労働基準法違反となります。

時間外労働の上限規制(普通条項と特別条項)

36協定を締結したとしても、法定労働時間を超えて労働させる時間には上限があります。法律上の時間外労働の原則的な上限は、月に45時間・年に360時間です(※)。この上限時間の範囲内で、時間外労働の時間数を定めた条項は「普通条項」と呼ばれています。

※ただし、3ヵ月を超える1年単位の変形労働時間制を採用する場合は、月42時間・年320時間が上限となります。

特別条項を結んだ場合

普通条項を超えてさらに時間外労働をさせる必要がある場合は、36協定に特別条項を設けることができます。「特別条項」とは臨時的な特別の事情がある場合に限って設定できる時間外労働の上限を定めた条項のことであり、以下の労働時間内としなければなりません。

■特別条項つきの36協定を締結した場合の労働時間の上限
  • 年の時間外労働の合計が720時間以内
  • 「時間外労働+休日労働」の合計が1ヵ月100時間未満
  • 「時間外労働+休日労働」の合計が「2ヵ月」「3ヵ月」「4ヵ月」「5ヵ月」「6ヵ月」のどこの平均をとってもすべて1ヵ月当たり80時間以内
  • 時間外労働が月45時間を超えられる回数は年6回まで

建設の事業・自動車運転手・医師は2024年3月まで猶予

建設業、自動車運転業務、医師については、2024年4月から上限規制が適用されます。これらの業種は、それぞれで時間外労働の上限の枠組みが異なるため注意が必要です。

建設の事業

建設の事業についても上限規制が適用されるようになりますが、災害の復旧・復興の事業は一部対象外となり、時間外労働と休日労働の合計が「1ヵ月100時間未満」「2〜6ヵ月のすべてで平均80時間以内」とする規制は適用されません。

自動車運転の業務

特別条項付きの36協定を締結することにより、「1年につき960時間以内」まで可能です。「1ヵ月100時間未満」「2〜6ヵ月のすべてで平均80時間以内」「時間外労働が月45時間を超えられる回数が年6回まで」となる規制は、いずれも適用されません。

医師

勤務する病院や働き方によって上限時間が異なります。

■医師の時間外労働の制限
  • ・A水準:診療従事勤務医に適用される水準(一般的な医業に従事する医師)
    「1ヵ月100時間未満(例外あり)」「1年につき960時間」を上限とし、ここには時間外労働と休日労働が含まれます。
  • ・B水準・連携B水準:地域医療確保の暫定特例水準
    「1ヵ月100時間未満(例外あり)」「1年につき1,860時間」を上限とし、ここには時間外労働と休日労働が含まれます。
  • ・C水準:集中的技能向上水準(臨床研修医・専攻医、高度技能の育成が必要な分野の医師など)
    「1ヵ月100時間未満(例外あり)」「1年につき1,860時間」を上限とし、ここには時間外労働と休日労働が含まれます。

このほか、一般的な労働者の「月の上限を超える場合の面接指導と就業上の措置」に加えて、連続勤務時間制限28時間・勤務間インターバル9時間の確保・代償休息などの追加的健康確保措置を36協定に定める義務(A水準については努力義務)などがあります。これらは、医療法などに追加的健康確保措置として定められています。

月の総労働時間はどうなっているか

月の暦日数が異なることから、月によって所定労働日数が異なることがあります。1ヵ月の総労働時間(※)も異なるため、従業員の時間外労働を管理する際は、毎月の総労働時間の管理も厳格に行う必要があります。 

※ここでの「総労働時間」とは、「通常の労働時間+時間外労働時間+休日労働時間」のことです。

特別条項がない場合

たとえば土日・祝祭日が休みの場合、2023年3月・6月の所定労働日数は22日、2023年4月・5月・7月は20日、2023年1月は、年始は1月3日まで休みとすると、所定労働日数が19日になります。所定労働日数に応じて総労働時間の上限が変化することが、以下の表からわかります。

■特別条項がない場合(単月)
所定労働日数 通常の労働時間の
上限
時間外労働・休日労働の上限
(単月)
総労働時間の上限(単月)
22日 176時間 100時間未満 276時間未満
20日 160時間 100時間未満 260時間未満
19日 152時間 100時間未満 252時間未満

普通条項のみの36協定を締結している場合であっても、時間外労働と休日労働の合計が「1ヵ月100時間未満」「2〜6ヵ月のすべてで平均80時間以内」となるように管理しなければなりません。

時間外労働と休日労働の合計が2ヵ月連続80時間を超える場合、計算上は必ず2ヵ月の平均が80時間を超えてしまいます。特に休日労働が多い場合には、時間外労働が45時間以内に収まっていたとしても、2〜6ヵ月の時間外労働・休日労働の平均が80時間を超えないように注意する必要があります。

特別条項がある場合

同じ条件で見ていくと、普通条項のみの場合も特別条項がある場合も、時間外労働と休日労働の上限や総労働時間の上限に変化はありません。なぜなら、時間外労働の上限規制では、特別条項の有無にかかわらず、時間外労働と休日労働の合計が「1ヵ月100時間未満」「2〜6ヵ月のすべてで平均80時間以内」となるようにしなければならないからです。

■特別条項がある場合(単月)
労働日数 通常の労働時間の
上限
時間外労働・休日労働の上限
(単月)
総労働時間の上限(単月)
22日 176時間 100時間未満 276時間未満
20日 160時間 100時間未満 260時間未満
19日 152時間 100時間未満 252時間未満

従業員によって、残業時間が異なるケースは多いでしょう。特別条項があったとしても、時間外労働が月45時間を超えられる回数は年6回までです。このようなケースでは、特別条項はその事業場の従業員全員に同時に適用させるのではなく、個々の従業員に対して個別に発動させることになります。したがって、従業員によって残業時間が異なるケースでは、特別条項の発動回数についても従業員ごとに個別に把握する必要があります。

時間外労働と休日労働の合計を「1ヵ月100時間未満」「2〜6ヵ月のすべてで平均80時間以内」とするには、従業員ごとに時間外労働・休日労働の上限や総労働時間の上限に達するまでの残り時間を把握しておかなければなりません。

また、単月100時間未満、平均80時間以内は労働者個人の実労働時間を規制する目的のものであり、従業員が転勤したとしても、転勤前と転勤後の事業場の時間外労働・休日労働の時間数を通算して管理する必要があるため注意が必要です。

特別条項がある場合(年間720時間を12で割った場合)

同条件で、さらに1年間の時間外労働の時間数の上限720時間を毎月の労働時間に振り分けると、以下のようになります。

■特別条項がある場合(単月)
労働日数 通常の労働時間の
上限
時間外労働の上限(年間720
時間を12で割った場合)
総労働時間の上限(年間720
時間を12で割った場合)
22日 176時間 60時間 236時間+休日労働時間数
20日 160時間 60時間 220時間+休日労働時間数
19日 152時間 60時間 212時間+休日労働時間数

毎月60時間の時間外労働が実際に発生すると特別条項の発動回数が6回を超えてしまいます。そのため、月の半分は単月の時間外労働の時間数を45時間以内に抑え、時間外労働と休日労働の時間数が単月で100時間未満になるように管理しなければなりません。

年間720時間の時間外労働を1ヵ月で平均すると60時間が目安となります。ただし、この場合の60時間には休日労働の時間が含まれないため、実務上の管理とは異なります。あくまでも平均時間の60時間は、従業員の残業時間数削減の目標設定や進捗管理に必要な平均の時間外労働数、総労働時間数の上限設定の目安として考えるとよいでしょう。

どうしても残業が多い企業の場合、時間外労働と休日労働の合計を常に「100時間未満」「2〜6ヵ月の平均で80時間以内」とするには、以下のような考え方で管理する必要があります。

  • 臨時的・特別な事情によって残業が多いことが予想される月は、特別条項を発動させ、時間外労働を多くする。ただし、従業員の健康を配慮して休日労働は少なくする
  • 特別条項を発動することができない月に時間外労働が多くなる事情が発生した場合は、健康上の配慮から、従業員の1日の負担を軽くするために、時間外労働を減らして休日労働で対応する。ただし、休日労働は最小限にする

ここでも、時間外労働と休日労働の合計が80時間を超える月がある場合は、2〜6ヵ月平均80時間を超えないように、他の月の時間外労働と休日労働の時間を少なくするという意識が必要です。

労働者の健康管理に注意

単月100時間超、または2〜6ヵ月平均で月80時間を超える時間外・休日労働は、「過労死ライン」と呼ばれます。時間外労働・休日労働の合計が月45時間を超えて、労働時間が長くなるほど、脳・心臓疾患と業務との関連性が強くなるといわれているからです。特別条項を締結する際には、労働者の健康・福祉を確保する措置を労使協定に定める必要があるのも、時間外労働・休日労働が多いほど、従業員の健康に与える影響が多いと考えられているためです。

企業には従業員の健康を配慮する義務があります。特別条項を締結することで年間720時間まで時間外労働ができるといっても、上限ぎりぎりになるような労働時間では、長時間労働によって従業員が健康を損ねる可能性があります。従業員の健康被害があれば、民事上の損害賠償など訴訟リスクを抱えることになりかねません。時間外労働は最小限に止め、従業員の健康管理に注意を払うことが必要です。

厚生労働省の令和3年度分の毎月勤労統計調査では、一般労働者の総実労働時間の平均は月162.1時間、出勤日数は19.5日となっており、時間外労働はそれほど多くありません。事業運営に過剰な労働時間は不要と認識し、業務効率化に取り組むことが重要です。

2021年9月15日から施行された過労死認定基準の見直しにについて解説した資料です。この資料を読むことで、現状の認定基準や変更点、長時間労働に対する施策の方向性を理解することができます。

脳・心臓疾患の認定基準の変更ポイントについて│無料ダウンロード - 『日本の人事部』

人事のQ&Aの関連相談

36協定違反を判定する基準の時間数

いつも参考にさせていただいております。

労働局にも電話で聞いたばかりですが、今一つスッキリしないので、具体例で教えてください。フレックスタイム制と固定時間制との比較、及び安全衛生法上の過重労働時間(...

香坂さん
東京都 / 半導体・電子・電気部品(従業員数 11~30人)
投稿日:2022/04/20 16:43 ID:QA-0114467 労務・法務・安全衛生 解決済み 回答数 2 件

時間外・休日労働時間の概念(計算方法)について

ここ最近、労基署から調査が入り指導があったのですが
改めてで恐縮ですが時間外・休日労働時間についての概念(計算方法)について
認識があっているかどうか
確認をさせていただければ幸いです。


1、過重...

マイルドさん
大阪府 / HRビジネス(従業員数 301~500人)
投稿日:2019/05/29 16:31 ID:QA-0084661 労務・法務・安全衛生 解決済み 回答数 1 件
2件中1~2件を表示
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この記事ジャンル 労働時間

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