ポジティブな言葉をたくさんかけて、
精一杯生きる姿を見せる
それが組織のモチベーションを高めるリーダーの役割
ANAビジネスソリューション株式会社 代表取締役社長
矢澤 潤子さん
「ダイレクトトーク」で全社員とじっくり語り合う
社長に就任されて、まずどんなことに取り組まれたのでしょうか。
客室訓練部にいたときから、教育・研修やANAエアラインスクールなどの事業とは接点があったので、ある程度は会社のことをわかっていましたが、やはりまず全体を知らなければいけない、と思い全社員と直接対話する「ダイレクトトーク」という取り組みを始めました。
一回にだいたい5人ずつ社長室に来てもらって、約1時間話します。約300人の社員がいますが、最低でも年に一回は全員と対話の機会を持ちたいと思っています。今年で就任から3年目なので、もう3周目に入っていますね。最初は現場で何が起こっているのか、社員が何を考えながら働いているのかを知りたいと思って始めたのですが、今はどうすれば自分たちの会社がもっと良くなるのか、会社の事業計画について自分たちはどう思うのか、などとにかく自由に話してもらっています。
積極的なコミュニケーションによって、変化は生まれていますか。

経営を身近に感じてもらえるようになりました。事業計画に込めた思いを熱く語れば、「そういうことだったんだ」と経営の意図を正しく理解してもらうことができます。その効果は大きかったですね。逆に、仕事の専門性や部門ごとの風土、課題などを聞いて、はじめてわかったこともありました。たとえば、特定の人に業務が集中してオーバーワークになりがちであることがわかれば、人員計画などを通じて対応していくことができます。経営陣が考えるときにも、机上の理論だけでなく、現場の社員の顔を具体的に思い浮かべながら、計画を立てられるのはいいことだと思いますね。
同様に力を入れているのが、「アサーション」(Assertion)を用いた組織風土改革です。アサーションは、もともとANAの運航乗務員が所属する運航部門で実践されていたコミュニケーション技術で、上司・部下の関係、キャリアの大きく違う先輩・後輩の関係の中で、お互いを尊重しながら円滑にコミュニケーションを行うために取り入れられたものです。航空機のコックピットは機長と副操縦士の二人の場合が多いため、安全運航のためには、躊躇せず相手に伝えることは不可欠です。そのため、アサーションが取り入れられたのです。当社でも「アサーション de ディスカッション」という活動を行うことで、相手の主張を尊重しながら自身の意見を発信できる風通しの良い風土づくり、その延長線上での生産性向上という目標に向かっています。
社長就任以来、経営者として重視されてきたのはどのようなことでしょうか。
これもコミュニケーションに通じますが、「心が通う経営」です。社員にも気持ちを込めて接することで、社員は会社への愛情や愛着を感じるようになります。さらに外部に提供する品質への自信にもつながっていくのではないでしょうか。
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