株式会社ノバレーゼ:
お客様の喜びに自分の喜びを見出せる人材を育てたい
躍進企業は超“エンターテイナー”集団
株式会社ノバレーゼ 教育研修部長
永江 愛香さん
“Rock Your Life”――「感動偏差値」の高い人材とは
求める人材像や教育方針について、具体的におうかがいします。お客様のために夢中になって頑張れる人材かどうか、どのような基準で判断されるのでしょうか。
弊社では、社員全員が1枚のカードを携帯しています。そこには起業理念とは別に、「人のために生きよ」というミッションや、「信じよ」「愛せよ」「楽しめ」「考えよ」「貫け」「省みよ」「筋を通せ」の『本気道7ヵ条』と呼ばれる行動指針などを定めた、弊社の“社訓”が記されています。私たちはこれを仕事で迷ったり、悩んだりしたときの道標とするだけでなく、採用や教育においても、社訓の内容にあてはまる人材かどうかを意識して見極めるようにしているんです。
実はこの社訓は、会社側が決めたものではありません。年齢も、キャリアも、職種も異なるスタッフがプロジェクトを立ち上げて作ったものです。現場からのリアルな反省や会社の将来への思いをぶつけあいながら、ノバレーゼの社員としてのあるべき姿、目指すべき姿を、社員自らが言葉にしました。すごくあたりまえで、だからこそ難しいことばかりですが(笑)
ブライダル業界に必要な資質を見抜くポイントを、一つ挙げるとしたら何でしょうか?
採用などでウエディングプランナーとしての可能性を見る場合、私なら、面接する相手に自分の結婚式をプロデュースしてもらいたいかどうか、その人に任せれば私らしい結婚式ができるかどうかを一番の基準にしますね。見た目の印象やセンス、コミュニケーション能力などいろいろな要素もからんできますが、求めるのは、目の前にいる私の心を揺さぶってくれる人、感動させてくれる人、そこに尽きるんです。弊社の理念は、“Rock Your Life”。“Rock”には「人の心を揺さぶる、元気にする」という意味があります。面接担当者の心ひとつ動かせないで、仕事で人の心を動かすことはできません。出会うすべてのお客様の心を揺さぶり、感動と元気を与えたい――それこそが創業以来変わることのない私たちの思いですから。
弊社では、人を喜ばせることに自らの喜びを見出せる感受性豊かな人材、どうすれば相手が喜ぶかを常に考えて行動できる人材を「“感動偏差値”が高い」と表現しています。感動偏差値という要素は、生まれ育った生活環境だけでなく、その人が社会に出て身を置く環境、つまり仕事や仕事仲間によって大きく左右されます。だからこそ私たちは感動偏差値の優れた人と一緒に働き、高め合いたい。弊社が感動偏差値の高い仲間の集まりだと言えることに、誇りを持っているんです。
学校の偏差値と違い、感動偏差値は単純なペーパーテストでは測れませんね。
ええ。ですから弊社の新卒採用では、書類選考と一次面接を通過した約500人の学生に対して、一人あたり5回以上の面談を、担当者を替えながら繰り返し行います。弊社の採用過程は、私たちが学生の適性をじっくりと見極めるプロセスであると同時に、学生にも入社後のキャリアの基礎を固めてもらう機会です。その意味では、すでに研修が始まっているといっても言い過ぎではありません。
なぜこの会社で働きたいと思ったのか、そしてなぜ最終的にこの会社に就職すると腹をくくったのか、応募者には働くことの原点となる動機をしっかりと確立して欲しいのです。そうすれば入社後、仕事に迷いが出ても、自分の覚悟を否定するわけにはいきませんから、安易に投げ出したりはしないでしょう。もちろん退社して独立する人もいます。でもそういう人たちが旅立つとき、よくこう言ってくれるんです。「自分が将来注目される存在になったり、人を雇う立場になったりしたら、『大切なことは、全部ノバレーゼで勉強した』と必ず言います」って。