「一人三役」制度でシニアも女性も大活躍
すべての人が活躍できる、イキイキとした働きがいのある職場をつくる(後編)[前編を読む]
三州製菓株式会社 代表取締役社長
斉之平 伸一さん
社員の「忠恕(ちゅうじょ)」の心が、自然に会社を変えていく
これからもいろんな方が三州製菓の仲間に入られると思います。御社が社員に求める人間像とはどのようなものでしょうか。
当社では5S活動として、毎朝15分間、私を含め社員全員で清掃しています。私はこのような場面で、自ら進んで掃除をしようと思う気持ちを大事にしたいと思います。私は理念と行動が一致することが理想と考え、そのような社風を目指しています。採用時の面接でも清掃や委員会活動のことを説明し、その内容を理解し、積極的に参加したいと賛同してくれる人を採用しています。また入社時には、「会社の理念を理解しました」という書面にサインしてもらっています。そこまで徹底して会社の理念や活動について話し、納得の上で入社してもらっているので、入ってからのミスマッチはありません。
斉之平さんが考える理想の人事とは、どのようなものでしょうか。
人事の役目は、理念に従い、社員一人ひとりの潜在的な能力を引き出して、全員を活躍させること。そして社員全員が社長であるような主体性を持って仕事ができる、イキイキした職場をつくることです。そのうえで職場に「お互いさま」と言える助け合い精神があることが理想。また、仕事では営業や製造などの機能別組織に所属しながら、様々なプロジェクトを同時に進めるので、調整力や協調力を身に付けるようにしてほしいと思っています。
最後に、企業で人事・人材育成に携わる方々に向けて、メッセージをお願いします。
孔子が唱えた、人間の最も本質的で基本的な徳に「忠恕(ちゅうじょ)」があります。「忠」とは人間が自然に持っている真心、「恕」とは人間が自然に持っている思いやりの心のことです。そのような心を皆が持ち、互いが創発することで、自然に一人ひとりから「こうしたらいい」と改善のアイデアが出る。すると知らないうちに会社がよくなっている。これが私の目指す理想の姿です。
そのためには、やはり素直な心がもっとも大切なのではないかと感じています。素直な心で人に接すると、その人の良い面が出ます。年齢、性別、学歴、障害などに惑わされず、その人の潜在的な力をしっかり見極め、その力が発揮されるように支援していく。そのような活動を続けることが人事、経営者の仕事ではないでしょうか。
社労士監修のもと、2025年の高齢者雇用にまつわる法改正の内容と実務対応をわかりやすく解説。加えて、高年齢者雇用では欠かせないシニアのキャリア支援について、法政大学教授の田中研之輔氏に聞きました。
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