3.11 大震災以降の職場と個人の実情に関するアンケート
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「ボランティア休暇があれば利用したい」が3割
ボランティア休暇の導入状況と意向
震災以降、被災地の生活再建や復興支援のために、社員のボランティア参加を支援するための休暇制度を設ける企業が相次いでみられました。回答者のビジネスパーソンに、勤務先のボランティア休暇制度の有無について尋ねたところ、「制度あり」は20.0%となっています【図表2】。
こうした制度を導入する契機として、社会貢献に取り組む企業スタンスに加え、ボランティア参加を希望する社 員の声に後押しされて制度化を図った例もしばしば聞かれます。そこで、現在、勤務先にボランティア休暇制度がない(「分からない」を含む)と答えたビジネ スパーソンに、「もし制度があれば利用したいか」を尋ねてみました。回答結果は、4割近くが「分からない」としているものの、「利用したいと思う」も 31.4%に上り、「利用したいとは思わない」28.6%をわずかながら上回っています。
6割が「震災の教訓への意識が薄らいでいる」と回答
震災の教訓への現在の意識と今後
震災直後、不測の災害に備えて安全を守るために、人々がその経験を生かそうと考えたこと、意識したことは決して少なくなかったはず。その教訓や意識は、発災から1年を経てどのように変わったのでしょう。
ビジネスパーソンに、自分の周囲で震災の教訓に対する意識・関心が薄らいでいるかを尋ねたところ、「ややそう思う」が42.3%で最も多く、これに「そう思う」17.3%を合わせた割合は全体のほぼ6割に上りました。
そう考える理由を尋ねた自由回答で最も多く見られたのは「話題に上らなくなった」という答えで、具体的には 「マスコミ、ニュースで取り上げられる機会が減った」「原発事故の話題に移ってきた」など報道の影響力を指摘する意見が散見されました。また、「緊張感が 薄れてきた」「地震に慣れてきた」という答えも少なからず見られ、震災の直接の影響が少ない地域で生活する人々の間では、時間とともに震災の教訓が徐々に 風化している様子が見られています。
最後に、震災の教訓を風化させないために、勤務先に望むこと、勤務先以外の機関や社会に求められると思うことを自由回答で尋ねてみました。【図表3】は、 自由回答の内容に即して九つのグループに整理し、それぞれに当てはまる件数から割合を示したものです。最も多かったのは、教訓を風化させないために、訓練 などの定期的な行動で定着を図るべき、というもの(26.1%)。次いで、帰宅困難や非常物資の不足、設備面の不安など震災で表面化した勤務先での問題に ついて、教訓を生かして具体的な対応を進めるべきという意見が2番目に多く挙げられました(21.4%)。これとほぼ同率(21.0%)で続いたのが、継 続的な情報提供・共有を図るべきという意見。とりわけ、“継続的な情報提供”に関しては、震災の経験を風化させないために、マスメディアが中心となって、 世間の意識に働き掛けていくべきという指摘が多く見られました。
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