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【ヨミ】ショクムブンショウ 職務分掌

「職務分掌」とは、組織においてそれぞれの職務が果たすべき責任(職責)や職責を果たす上で必要な権限(職権)を明確にするために、職務ごとの役割を整理・配分することです。多くの企業・組織では、個別の部門・部署や役職、あるいは特定の担当者について、それぞれの仕事の内容や権限・責任の範囲などを定義し、明文化しています。この文書を「職務分掌規定」「職務分掌表」などと呼びます。
(2011/4/11掲載)

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職務分掌のケーススタディ

円滑な組織運営を維持する基本原則
リスクマネジメントの分野でも注目

組織の規模が大きくなるほど、あるいは事業が多様化・複雑化するほど、適切なマネジメントがないと各部門間で業務や権限のコンフリクト(軋轢、対立)を起こしたり、指揮命令系統が混乱したりして、調整や折衝などに余分な手間がかかることになります。こうした事態を避け、円滑な組織運営・業務運営を維持するためには、あらかじめそれぞれの部門・個人が担当する業務内容と職位権限を明確化しておくことが求められます。大企業および役所など公的機関の大半が、職務分掌規程や職務分掌表などを定め、組織の役割と責任の分担を規定しているのはそのためです。

もっとも業務には、簡潔に文書化された“あるべき論”の役割分担だけではわりきれない、実務上の細かい都合や緊急事態、突発的なトラブルがつきものです。せっかく職務分掌が定められていても、実際には十分に機能していなかったり、「それは私の仕事ではない」という言い訳のために使われたりして、責任のなすりつけ合いが日常茶飯になっているケースも少なくありません。職務分掌を生産的に活用して全体をうまく回すには、現場の当事者と納得のいくまですり合わせを行うことも必要でしょう。

こうした組織開発の文脈とは別に、職務分掌は、内部統制やリスクマネジメントにおいても重要な概念として注目を集めています。業務に対する責任の所在や範囲があいまいだったり、特定の担当者に権限が集中したりすると無用のリスクが生じるためです。財務会計部門でいうと、振込依頼書の作成と銀行印の押印という二つの仕事を同一人物が担当すれば、着服や横領といった不正のリスクが高まりますから、担当を分離するのは当然の施策でしょう。

情報もまた、金銭と同様に扱われるべきです。情報システムにおいては、セキュリティの設計および実装を担当した人物と、セキュリティのチェックを担当する人物とは当然、別人でなければなりません。特定の従業員に過度の処理権限を付与しないよう、アクセス管理やアイデンティティ管理の機能によって適切にコントロールすることも求められます。多くの業務プロセスは複数の情報システムにまたがるのが普通ですから、誰がどのシステムに対してデータ入力や申請を行うのか、誰がその申請を承認できる権限を持つのか、不備や不整合なく、作業と権限を最適な状態に割り当てなければなりません。

職務分掌とは、このように特定の職務権限を異なる独立した担当者に分離することで、過失や不正行為のリスクを未然に回避、低減させる、コーポレート・ガバナンスにとってきわめて重要な統制行為でもあるわけです。

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