企業のマイナンバー対応状況アンケート
すでに対応を完了した企業は40%、対応中は59%
副業禁止規定のある企業では、副業発覚時に懲戒等の対処がなされるのは68%
2 実務面の課題
実務面ではどのようなことが課題になっているのか聞いたところ(複数回答)、「従業員やその家族のマイナンバー収集・保管・廃棄」が50.4%で、半数以上の企業が課題と回答した。以下、「組織的・人的・物理的・技術的などの安全管理措置」41.2%、「事務手続きの変更に伴う業務量の増大」40.0%と続く[図表2]
3 事務取扱担当者の人数
事業者は、マイナンバーを取り扱う事務の範囲および特定個人情報等の範囲を明確にした上で、マイナンバーを取り扱う事務に従事する担当者(事務取扱担当者)を明確にしておく必要がある。
事務取扱担当者の特定状況では、「特定している」が92.8%と、ほとんどの企業で対応している[図表3]。さらに、具体的な人数の回答があった173社における人数と分布を見ると、1社当たりの事務取扱担当者は規模計で平均8人、中位数は4人であった。規模別の傾向を見ると、当然ながら、規模が大きくなるほど担当者の人数が多くなることが分かる。最頻値は1000人以上で「5~6人」21.1%、同300~999人が「3~4人」39.3%、同300人未満は「1~2人」55.0%となっている。
なお、パートタイマーなど非正規社員も含めた全従業員数に占める事務取扱担当者の割合では(単純平均)、1000人以上が0.5%、300~999人が0.9%、300人未満が2.7%となっている。すなわち、事務取扱担当者1人にかかる処理人数の負担は、1000人以上で200人、300~999人が111人、300人未満は37人となる。規模が大きい企業のほうが事務取扱担当者自体の人員は多いものの、担当者1人にかかる負担は規模の小さい企業よりも大きくなっている。
4 教育・研修実施状況
マイナンバーの適正な取り扱いのために、事業者は、(1)事務取扱担当者の監督、(2)事務取扱担当者の教育の措置を講じなければならない。教育・研修状況について見ると、事務取扱担当者に教育・研修を「実施した」企業は50.6%、「実施する予定」は38.6%となっている。この両者を合計すると89.2%に上り、9割弱の企業で教育を“実施する”としている[図表4]。また、マイナンバーの取り扱いに際しては、事務取扱担当者だけでなく、従業員の正確な理解とルールの遵守が重要となる。従業員に教育・研修を「実施した」企業は35.9%、「実施する予定」の企業は26.0%で、両者を合計すると61.9%となる。6割超の企業が従業員への教育を行うことが分かった。
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