就活生のキャリア意識、ワーク・ライフ・バランス重視
古橋 孝美(ふるはし たかみ)
企業は何をアピールしているか
一方、企業はどうでしょうか。2015年度の新卒採用を実施した企業に対して行った「2015年度新卒採用に関する企業調査 2014年10月1日状況」では、企業が新卒採用活動においてアピールポイントとしている項目を聞いています。その項目は、学生調査で聞いたキャリアアンカーと同じ要素を、企業視点で変更したものです。こちらも、学生調査と同様、各5点満点で合計が25点となるように点数をつけてもらいました。
「専門性や技術を高められること」が最も点数が高く3.7点、次いで「組織を統率し、責任ある役割を任せること」が3.5点となり、半数以上の項目が概ね3点前後で平均的な点数となっています。ここからは、経験やスキルのない新卒社員に対し、入社後の成長や将来的に事業を担う存在になってほしいという期待をアピールしている企業が多いことがうかがえます。その一方、特徴的なのは、2.5点と極端に凹んでいた「ワーク・ライフ・バランスが実現可能なこと」です。
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